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「じゃあまずは自己紹介からするか?」

「あら。私、みんな知ってますよ?」

「ふむ。確かに俺も篠川さんのこと知ってるよ」

「俺もです」


高知の言葉に、篠川が答える。

そうすると、高知兄弟が頷く。

と、言うことは、顔合わせしておかなきゃならないのは―。


「珠姫」

「なあに?皇ちゃん」

「高知の弟の忍だ。覚えておけよ」

「分かった」


よし、これぐらいだな。


1人納得して、さすがにお腹がすいた俺は弁当を広げることにした。

珠姫も俺に続いてお弁当の包みを開く。


「まっ、待ってくださいっ!」










…ランチタイム突入はまだらしい。












視線を向けると、いやに楽しそうな高知と何故か焦る忍。

そして珠姫の隣でお弁当を広げながら口の端を上げる篠川。


「どうした?詳しい内容については食べた後にしようかと思ってたんだが」

「そ、そうじゃなくて…」

「いや~さすが皇!期待以上の反応だ」

「素敵です。宮ノ内先輩」

「?」


ワケが分からん。


「あのっ…自分でた…筒井さんに挨拶したいのですが」

「ああ…すまん、気が利かなくて」


そういうことか。


忍は礼儀正しいやつだったようだ。

それじゃあ、あんな一方的な紹介は気にして当然だよな。


納得がいって、珠姫に声をかけた。


「珠姫」

「?」

「挨拶」

「ん。筒井珠姫です」

「!高知し、忍ですっ。同い年なので、これからよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」


ペコリ


小さく珠姫が頭を下げる。

それに忍も慌てて頭を下げる。


ん?顔が赤いな。この部屋暑いか?


ああ、窓開けてないな。


「皇ちゃん」


換気をしようと席を立とうとして、袖を引かれた。

見てみれば珠姫がジッと俺を見ている。


これはあれか。


「よく出来ました」


言葉と共に頭を撫でてやった。

嬉しそうに珠姫が口元に笑みを刻む。


キチンとできたら褒める。

これが子どもを育てるコツだ。


挨拶は基本だからな。


…なんか、俺って珠姫の親みたいだな。


年齢詐称はしてないぞ!


俺は正しく、高校2年在籍の男子だ!!



「なんていうか…」

「言ってやらないでくれ…後生だから」

「…」


篠川と高知の声。

俺と珠姫を残して話が進んでいる。

意味は分からなかったが。






もうランチタイム突入してもいいよな?








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