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今度の宿泊訓練に、珠姫は参加しない。




同じクラスの篠川が言うには、今日、珠姫の口からはっきりと聞いたらしい。


今日は宿泊訓練の班決めをLHRにてしていたようで、いつものように動かない珠姫を誘いにいったら言われたようだ



それからがすごかったらしい。



珠姫の発言で教室内はシンと静まりかえり(みんな聞き耳をたててたのか?)、そのすぐ後に蜂の巣をつついたような騒ぎになって、班決めどころではなかったみたいだ。


それはLHRが終わる前に1年の他のクラスに飛び火し、これまた凄かったらしい。


と言うか、どうやって他のクラスに伝わったんだ?


携帯メールか?


……先生方に一報入れとくべきか、風紀に任せるか。


違うクラスの奴らまでつめかけて、ちょっとした暴動みたいになったとかならなかったとか……。


さっきから「らしい」とか、不明瞭で申し訳ないが、俺が見てたわけではないから突っ込まないでくれ。


そんなこんなで、珠姫が帰ったあと、生徒会室に走り込んできたというわけだ。



蛇足だか、珠姫があっさり帰っているのは、うちの母と買い物の約束をしていたからだ。


そうじゃなかったらここに来てる。













「で、俺にどうしろって?」


俺は頬杖を付いたまま聞く。


「どうしろって、そ、それはっ」

「珠姫さんに宿泊訓練に行くようにとっ」


1年組が身を乗り出してくる。


落ち着けと言いたい。


そんな興奮して喋ったら唾がとぶだろうが。


「行かないと言っている珠姫に、行けと命令しろって?」

「っ!?そ、んな命令と、か…」

「そ、そうですっ!命令しろなんて言ってません!!」

「俺が介入するってことはそういうことだろ。違うか?」


俺の言葉に慌てふためく2人をバッサリと切る。


「――俺は無理強いするつもりはない。そして、珠姫の親も俺と同じ意見だろうよ」


ついでに付け加えれば、うちの親も。


うちも、珠姫んとこも、本人の意見を尊重する。


というのも、昔色々あってなんだが。


詳しいことは面倒なので省く。

想像にお任せする。



キッパリとした俺の返事に、1年組がガックリと肩を落とした。



「で、高知は?」


珍しく静かにやり取りを見てた高知に、俺は問うた。


俺たち2年には関係ない行事だ。


生徒会も関わらないし。


だからこいつにはなんのメリットもない話のはずだ。

それどころか、宿泊訓練に行かないと言う珠姫に普段通り会える(理由があったりなどで休む生徒は学校で補習を受けることになってる)ので、ラッキーと喜びかねない奴だ。


なのに、篠川や忍と同様に息咳切って駆け込んできたことが少し気になったので聞いた。


さて、何があった?




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