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休日2日目(186日目)

 朝10時、目が醒めた。おはよう、俺。今日も休みだ。ゆっくりしよう『こういうの久しぶりだな』

 俺は布団からもぞもぞと這い出し、丁寧に布団をたたんだ。 カーテンを開け、窓を開けて大きく深呼吸すると、静かに窓を閉め、カーテンも閉めた。

 押し入れを改築して作ったトイレに入り、排泄を行う。トイレに入ってから15分経過したのを確認しトイレから出た。

 朝メシを食べにキッチンへ行く。料理を作るのは楽しいが、朝から面倒だったので、昨日の残り御飯を電子レンジで温めて食べた。

 朝メシを食べ終えると、部屋に戻る。『久しぶりにパソコンでも』と、パソコンの電源を入れ暫く待ち、メイン画面が表示されたら『友達』のボックスを……。『???』『友達のボックスがない!』と、パソコンを叩いたりとしてみたが、『あんのクソババアァ!』とボックスを消去したのが、母親だと決め付け、どうでもよくなってから、パソコンの電源をOFFにしつ、コンセントも抜いた。『もう使わねぇから関係ねぇ』と言い訳のように呟きながら、コンセントをまとめて、放置した。

 『これから、どうしようか』と思ったが、特に今する事も見当たらず、ふと郵便受けが気になり、玄関まで行くと、靴を履き郵便受けの中を確認した。

 『どうせ何も入っていない。入っていても、ババアからの手紙位だ』と郵便受けの中に手を入れると、数枚の紙が触れた。『ほらきた、ババアだな』と紙をわしづかみにすると、手元に引き寄せた。

 『ん?』よく見るとそれは母親からの手紙ではなかった。『水道代明細書に……、電気代明細書……。ガス代明細書……、……ハァ!?』ともう一度手に取りよく眺める。『水道代明細書、電気代明細書、ガス代明細書……』いくら眺めても明細書には変わりなかった。『こんなのババアが払うんだよな!』と、思ったが、レンジが来た時に金銭的援助はしない。洗濯機が来た時に、水道代と電気代がかかると言われていたのを思い出し、封筒の口を開くと、請求金額を確認した。一瞬気が遠退くような目眩がしたような気がした。『えぇぇ! こんなに!』と思っていつもなら取り乱してしまう所だが、今日の俺はちょっと違った。『要は、コレ持って銀行に行って、お金振り込んだらいいんだよな』と思い、家に入り部屋まで行くと財布の中を確認してから『買物ついでに銀行にでも行くか』と家を出た。

 『銀行』『銀行』と考えながらスーパーの方へ向かって行った。スーパーに辿り着いたが、銀行の姿がない。辺りをキョロキョロと見渡すも、銀行らしき場所が無かった。『おいおい、マジかよ!』とスーパーには入らず周辺をぶらぶらと歩きながら銀行を探す。1時間程歩き回り、結局、駅の近くまで来てようやく銀行を発見した。急いで銀行に入り、銀行員の人に振込みの方法を尋ねながら、お金の振込みを完了させた。『ふぅ。やっと一段落だ』と額の汗を腕で拭い一安心すると『次は買物だな』とスーパーへ逆戻りした。

 スーパーに辿り着くと、もう昼過ぎだった為『たまには、いいか』とフードコートでカレーライスを食べる事にした。カレーライスを食べる前にトイレに行こうと思い、トイレに向かう。トイレに着くと辺りを見渡して車椅子のマークの書かれたトイレに入った。『ここなら、少し長くなっても大丈夫だろう』と排泄を済ませると、15分経過したのを確認してトイレを出た。トイレから出ると、何故か誰にも顔を見られないようにコソコソとフードコートまで戻り、カレーライスを注文した。カレーライスを受け取り、椅子に座るとカレーライスを食べながら『はぁ。気が付いたら何だか、だんだん自立してきているなぁ。コレがババアの策なのか? いやいや、無い無い! 考えすぎだ! あのババアがここまで考えられる訳ないか』と考えていた。

 昼食を食べ終えると、カレーライスの食器を返し、食べていたテーブルの上を丁寧に拭いてから食料品売り場へと向かう。レシピ本はやはり忘れて来たが、昨日の感覚から適当に材料があればなんとかなると、適当にカゴの中に入れて回る。『よし! 今日はこれだけでOK!』とレジに並んで辺りをキョロキョロと見渡す。当たり前だが中川先輩は見当たらない。『俺は何を期待しているんだ!』とお金を払うと、袋の中に買った物を入れると家に帰った。

 家に入ると財布だけ部屋に戻すとキッチンへ行き、手を洗ってから買ってきた物を冷蔵庫や冷凍庫にきちんと並べて入れる。賞味期限の近い物から手前に置いて片付けると『さぁ! 晩メシでも作るか!』と腕まくりをして、夕食の準備に取り掛かった。レシピ本を開くと食べたい物をピックアップする。材料を用意し、量をきっちり計り、下ごしらえしてから料理に手を掛けた。昨日と同様に時間をきっちり計って品物を作っていく。開いた時間に調理器具を洗い、必要の無い物は片付けていく。御飯も米を2〜3回洗って炊飯器にセットしてスイッチを入れる。時間がくると一つ一つの料理を皿に盛り付け、全ての料理が完成したところで、流しに洗い残した調理器具を水に浸け置きし、椅子に座ると両手を合わせて小声で「いただきます」と言って夕食を摂った。夕食後は、普段と変わらず「ごちそうさまでした」と両手を合わせて小声で言った後、食器や調理器具を丁寧に洗うと水気を丁寧に拭き取り、それぞれの収納場所に片付けた。

 食事を終えると、ベランダに行き乾いた衣類とタオル類を持ち、風呂へ向かった。脱衣所に着くと、まず湯舟にお湯を入れてから、洗濯機に洗剤を入れて、脱いだ服を放り込む。全裸になると、洗濯機のスイッチをONにして浴室へと入った。全身を丁寧に洗って湯舟に入り『料理は出来るようになったけれど掃除もしないといけないな』とぼ〜と考えた。風呂から出ると少し待って、洗濯機が止まると洗い終わった衣類をベランダに干した。

 部屋に戻ると布団を敷く。敷布団にシワが出来ないようにのばすと、トイレに行き、トイレに入って20分経過したのを確認してから、洗面台で歯を磨く。右奥を30回、右奥の内側を30回、左奥を30回、左奥の内側を30回、前歯を30回、前歯の裏を30回数えて磨き、コップに塩水をいれ一回一分を5回ゆすぐ。袋の中に息を吹き入れ、中の臭いを嗅いで口臭の確認をしてから、窓際に行きカーテンを開け、窓を開けると、大きく深呼吸をして、「おやすみなさい」と空に呟くと、窓を閉め、カーテンを閉めて布団に入る。

 目を閉じ、羊が一匹、羊が二匹と眠ってしまうまでひたすら数えて、今日の一日が終わりを告げた。


 明日からまた仕事だな。頑張ろうっと。



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