引きこもり生活再開(177日目)【旅行最終日】
朝10時、目が醒めた。おはよう、俺。今日も一日頑張ろう。
俺は布団からもぞもぞと這い出し、丁寧に布団をたたんだ。
カーテンを開け、窓を開けて大きく深呼吸すると、静かに窓を閉め、カーテンも閉めた。
押し入れを改築して作ったトイレに入り、排泄を行う。トイレに入ってから15分経過したのを確認しトイレから出た。
テレビの前に座り、リモコンのスイッチを押す。画面にビデオ1と真っ黒な映像が映るのを確認すると、テレビ台の下に置いてあるテレビゲームのスイッチをONにした。
画面にゲームのタイトルが、表示されたところで、服が乾いている事を確認し、着用すると昨日のコンビニの袋の中から弁当を一つ取り出す。
ゲームをコンティニューに合わせ、スタートボタンを押すと、割り箸を二つに割って弁当を一口一口味わって食べる。
一口食べる度にゲームの操作を行いながら朝食を平らげると、弁当箱と昨日夕飯で食べた弁当箱の中を綺麗にティッシュで拭くと、弁当箱の中にティッシュと昨日のパンの袋を綺麗にたたんで入れ袋に戻すとゲームに集中した。
昼時になり小腹が空いてくると、ゲームの手を止めコンビニの袋の中から弁当を一つと菓子パンを一つ取り出す。
ゲームのデータをセーブし、ゲームの電源をOFFにして、テレビのリモコンのスイッチを押してテレビを消すと、弁当とパンを机へ持って行くと、洗面所から一杯の水を持ってきて、パソコンの電源をONにしてから、弁当とパンを食べ始めた。
弁当とパンを食べながらチラチラとパソコンのモニターを確認する。旧式のパソコンは、立ち上げが遅く、弁当とパンを食べ終わり水を飲み干した頃にやっとメイン画面になった。
食べ終わった弁当箱の中をティッシュペーパーで、綺麗に拭き、ティッシュとパンの入っていた袋を丁寧にたたんで弁当箱の中に入れコンビニの袋の中に戻した。
メイン画面に現れた『友達』と書かれたBOXをダブルクリックし、トイレに行き、トイレに入って15分経過したのを確認しトイレを出ると、机に戻りじっとパソコンのモニターを眺めた。
モニターの中では、一人の女性がじっとテレビを見ている。テレビがチカチカと明るくなったり暗くなったりを繰り返しているだけなので、何を見ているかまでは分からない。女性はテレビを見ながら、スナック菓子を食べたり、飲み物を飲んだりしている。時折立ち上がると、暫くして手をタオルで拭きながら戻ってくる。
そんな光景を、ただただ眺めていた。女性が、テレビを消して立ち上がった瞬間、コンビニの袋の中から弁当を一つと最後のパンを取り出す。
パソコンを点けたまま、テレビの前に移動すると、弁当を一口一口味わって食べ、パンを食べた後、洗面所に行き一杯の水を飲んだ。
夕食を食べ終えると、弁当箱の中を丁寧にティッシュで拭き取ると、パンの袋を丁寧にたたんでティッシュと一緒に弁当箱の中に直しコンビニの袋の中に入れた。
パソコンの前に座り、モニターをまた見始めると、女性が身体にバスタオルを巻きテレビの前に歩いて来た。濡れた髪をドライアーで乾かし、バスタオルを取ると、全裸の身体に下着を着け、パジャマを着用した。
そこまで見て、『友達』のBOXを閉じると、パソコンをシャットダウンし、パソコンの画面が消え、機械音がしなくなるのを確認してから、まずトイレに行き、トイレに入ってから15分経過したのを確認しトイレから出ると、ベランダへ行き着替えの服とタオル類を持って風呂に行った。
風呂に入って身体を洗うと、全裸のまま浴室内とタオル類、着ていた服を丁寧に洗い風呂場の窓を全開にして、一度ベランダに立ち寄るとタオル類や服を手摺りに干し掛け部屋に戻る。
暫く扇風機に頭をかざし、髪を半端に乾かすと、服を着用してからテレビの前に座り、リモコンのスイッチを押した。テレビにビデオ1と真っ黒な映像が映るのを確認してから、テレビ台の下のゲームのスイッチをONにした。
ゲームのタイトルが画面に表示されると、コンティニューにカーソールを合わせ、スタートボタンを押す。ゲームが始まると、部屋の明かりを消し、ストーリーを進めるでもなく、同じフィールドで戦闘を繰り返す。2時間程ゲームに集中し、データをセーブする。
ゲームのスイッチをOFFにし、リモコンのスイッチを押してテレビを消すと、コントローラーをテレビ台の下に直し、布団を敷く。敷布団にシワが出来ないようにのばすと、トイレに行き、トイレに入って20分経過したのを確認してから、洗面台で歯を磨く。右奥を30回、右奥の内側を30回、左奥を30回、左奥の内側を30回、前歯を30回、前歯の裏を30回数えて磨き、コップに塩水をいれ一回一分を5回ゆすぐ。袋の中に息を吹き入れ、中の臭いを嗅いで口臭の確認をしてから、窓際に行きカーテンを開け、窓を開けると、大きく深呼吸をして、「おやすみなさい」と空に呟くと、窓を閉め、カーテンを閉めて布団に入る。
目を閉じ、羊が一匹、羊が二匹と眠ってしまうまでひたすら数えて、今日の一日が終わりを告げた。
…ってこら!帰って来ねぇじゃねぇか!クソババア!どうなってやがる!一週間じゃなかったのかよ!明日の朝までしかメシねぇんだぞ!早く帰ってきやがれ!サボってんじゃねぇぞ!このクソボケがぁ!