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となりの部屋
となりの部屋に居るのは。
境界線を越えてくる、
無作法な、闇ではなく。
恥ずかしがり屋で、
大きなからだを、
一生懸命に丸めて。
はみ出すまいと努力する、
健気な、闇であります。
ドアの隙間まで。
みっちみちで、
いっぱいで。
ほんとうに、
ぎりぎりで。
だけど、
白い窓になるまでは、と。
何とか、頑張っている。
あんた。
外に出て。
いっそ、
紛れたら、
楽ではないの。
いえ。
テリトリーが、
決まっていましてね。
そう簡単じゃ、ないんです。
しかも、
色が似てるってだけで、
やたら目の見える、
からすたちまで。
攻撃して来ますんでね。
恐ろしくて。
狭い部屋で、丸まってるほうが、
どれほど安心か。
明ければ、色が抜けますからね。
もう少しの辛抱です。
どこに居ても、
ばれやしません。
やっぱり。
お日様って、良いものですね。
遠くまで、透かしてくれますからね。
大したもんです。
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