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闇色ゼリーと明けのジッパー
耳鳴りではないんだ。
遠くに聞こえている、
長く長く息つくような。
かすかな、騒めきは。
目を開けたとき。
闇を重ねた、分厚い層が。
細かく震える、音がした。
闇色のゼリーを。
左右に押しのけながら。
スピードを上げて、
バイクは遠ざかっていく。
切り開かれて。
不安定に揺れても。
引き合い。
支え合おうとする。
テールランプを、
追いかけて。
閉じ続けようと、
するけれど。
バイクはもう。
ずっと遠く。
長く伸びていく。
深い傷に、
なっていく。
白む空から。
明けのジッパーが。
不完全な、合わせ目を見つめて。
羽を開いて、降りて来る。
滑らかに。
優しく撫でて行く。
軽々と辿って。
傷痕をひとつも残さず。
完全に、閉じていく。
373 m(_ _)m 39




