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蜻蛉の王様
もう。
雲まで。
のぼるつもりか。
おにやんま。
ふた粒の真珠の目は。
緑の葉や青い空を映して、
染まっている。
丁寧に編み上げられて、
糊をきかせた羽。
まっすぐな長い尻尾は、
金糸を節々に巻いて。
虎とは逆の色配分。
じっと動かずに、
留まっている。
飛ぶかと放てば、
落ちるように、
地面に降り立つ。
掴んだ羽は、まだ硬く。
よれそうもない。
どこも破れていないなら。
ブローチみたいになるのは、
まだ早い。
もういちど。
風が来たなら、
飛び立てる。
宝石みたいな、
蜻蛉の王様。
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