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遠望
眺めているだけがいいんです。
乗れるかも、なんて。
決して思っちゃなりません。
たいてい。
ああいう類いのものには、
底がない。
確かに立てるところが、
ありそうに見えていて、
裏切るように擦り抜ける。
しかし、ひどく。
弱っているときなんかは。
かも、を飛び越えちゃう。
あぶないね。
分かる気はするけどね。
そういうときは、まず。
近づいちゃならないね。
日が傾くとき。
薄紅や金色に、
きれいに染まるでしょう。
ああなるともう。
この世のものとは、
思えなくなっちゃうね。
どなたかが。
すいと降りていらして。
足跡をつけて行かれるところ、
なんだね、やっぱり。
乗れるかも、なんて。
思うだけでも。
おこがましいね。
遠くから眺めるのがいいんだね。
照らされる明るい広がりを。
見渡せるところからが。
ちょうどいいんだね。
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