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一か全かと尋ねるあぶく
かつては、
わたくしも。
ひとのかたちを、
していたもの。
悲しむあまり。
深い、深い、井戸に。
変わるもの。
冷たい水は。
小さな、
あぶくを。
のぼらせながら。
とめどなく。
湧きあがる。
語りかける、
あぶくは。
地の底から、
ではなく。
残る、
心の底から。
のぼってくる。
朝。
上には。
丸く、明るい空が、
見える。
夜。
上には。
丸い、月が収まり、
見える。
丸く切り取られた空と。
丸い形そのままの月が。
わたくしに見える、
ぜんぶのもの。
あぶくは。
どちら。
と、ばかり、
尋ねるが。
どちらも。
見えるかぎりは、
見ていたい。
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