revenge21 永遠なる眠り
夕方まで飛び続け、夜を休み、朝日と共にまたトノカちゃんの背中に乗る。
「もうすぐだよ~」
「そうですね。きっと、あの塔です。あの塔に、アレン様がいます」
空まで届きそうな塔を指さす。
「気になっていたのですが、どうしてお二人はアレン様の居場所がおわかりになったのですか?」
「それはきっと、トノカがアレンの半分をもらったから~」
「聞こえるんです。頭の中に、男の方の声が」
「はぁ。お聞きして申し訳ありませんが、よくわかりませんわ」
首をかしげるエルミアさん。
トノカちゃんが翼をはためかせて上昇する。
「ティナ、頂上だよね?」
「はい。そうです」
雲の上に出る。
太陽が近い。
塔の頂上が見えてくる。
「あ! あれっ!」
トノカちゃんの声に眼を凝らす。
黒い法衣。
「はいっ、アレン様です!」
「ですが、なにやら様子がおかしいですわ」
アレン様と対峙する男性。
男性が弓の攻撃を放つ。
アレン様が、かわしながら闇魔法を放つ。
男性が近くの女性を盾にするように女性の後ろに隠れる。
アレン様が指先を動かすと、アレン様の魔法の軌道が女性を避けるように曲がった。
「情けをかけるなんて、アレン様らしくありませんわね。あの女性、見たところ、戦っている男性と同じ天使ですわ」
「天使! トノカ、天使ってはじめてみた~!」
「仲間割れでしょうか?」
「いえ、あの天使の女性は戦おうとはしていませんわ。男性の方が、女性を利用してアレン様と戦っている。あの女性は、アレン様の何なのでしょう?」
「わかりません。ですが、アレン様が攻撃しないということは、敵では無いはずです。トノカちゃん、あの男の人の真上を飛べますか?」
「まっかせて! いっくよ~!!」
トノカちゃんが羽ばたく。
男の人の上空。
「乙女の純真」
力がみなぎり、皮膚が硬質化するのを感じた。
「エルミアさん?」
「能力強化無しでこの高さを跳ぶのは危険すぎますわ。ティナ様、ご武運を」
苦笑して、お辞儀した。
「ありがとうございます。いきますっ!」
トノカちゃんの背中から跳ぶ。
落ちながら剣を抜き、大上段に構える。
ピコーン!
剣に炎の魔法を付与し、空中で満月の輪を描く。
大上段に構え直し、描いた炎の月を断ち割るように、落下しながら炎を伴った大振りの一撃。
「月火浪漫剣!!」
男の人の背後に降り立ちながら、大上段からの一閃を男の人の背中に叩き込んだ。
「!? うぐおおおおおーーーーッ!?」
男の人の6枚の翼のうちの1枚を斬り落とす。
「ティナ? くくく、我を追ってきたのか?」
「はいっ! アレン様、ご無事ですか?」
「ふっ、見ての通りだ。だが、礼は言っておこう。ティナ、感謝する」
「アレン様⋯⋯」
「トノカもいるぞ~!」
「わたくしもおります。ご無事で残念⋯⋯こほん、安心いたしましたわ」
トノカちゃんとエルミナさんも塔の頂上に降り立つ。
「私の美しい翼がっ!! 許さんぞ!! こうなれば、ここにいる者すべて、私の必殺技で始末してやる!!」
天使の男性が手を挙げる。
男性の後ろ。
後光が指し、背後の太陽から、光の花びらが大量に降り注ぐ。
「エンジェル・ダスト」
「!? あぶないっ!」
男性のすぐ傍にいた天使の女性。
驚き動けなくなっていた。
飛び出し、女性を抱きしめる。
光の花びら。
柔らかな温かさを背中に感じた。
「⋯⋯あっ」
そこで、眼の前が真っ暗になった。
「ティナ!」
ティナがアガリアを庇い、ラグエルの攻撃を受けた。
一瞬のことで間に合わなかった。
「ふはははは! ただでは殺さぬぞ!!」
闇魔法を放つ。
アガリアの手を無理やり引きながら、間合いを取るラグエル。
「ふんっ、仕切り直しだ。私も貴様も、アガリアがいれば本気で戦えないだろう?」
「安心するが良い。もう手加減はせぬ。アガリアもろとも、汝を滅ぼしてやろう」
「そう死に急ぐな。貴様の勇者が可愛ければな」
「なに?」
「天界に来い。そこで、すべての決着をつけてやる」
そう言い放つと、中空に光の裂け目が現れ、ラグエルとアガリアがその光の中に姿を消した。
ティナへ駆け寄る。
焦った顔で、エルミアがティナを治療していた。
「ティナの具合は?」
「怪我は無いわ。呼吸もしてる。ただ⋯⋯」
ティナを見た。
「すぅ⋯すぅ⋯」
「目覚めないの。あたしの知る限りの解眠魔法を唱えてみたけれど、効果は無かったわ」
「ティナ~、起きてよ~!!」
トノカがティナの体を揺するが、ティナは静かに眠ったままだった。
「エンジェル・ダスト。知らぬ技だ」
「あんたが知らないのなら、天使の技なのでしょうね」
「くくく、ならば、解眠方法は天使に力づくで聞くとしよう」
拳を振り上げ、中空を殴る。
光の裂け目が現れる。
中に入ろうとすると、背中からエルミアに声を掛けられた。
「待ちなさい」
「ぬ?」
「あの天使を追って天界に行くんでしょ? あたしもあんたに付き合ってあげる。でも、その前に話しなさい。あの天使のこと。ティナが命がけで守ろうとした、あの天使のことを」
ティナの傍に座る。
「数百年前の話だ」
ティナを見ながら、話し始めた。
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魔王アレン Lv930→Lv934
勇者ティナ Lv74→Lv80眠
竜人トノカ Lv283→Lv284
聖女エルミア Lv86→Lv89




