revenge19 新たなる旅立ち
「どこかでまだ寝てるとかは~?」
トノカちゃんの言葉に首を振りながら答えた。
「探したのですが、魔王城のどこにもアレン様の姿は見つけられませんでした」
「う~ん、じゃ、どこにいるんだろうね~?」
トノカちゃんが首を傾げると、一緒に探していたエルミアさんが駆け足で近づいてきた。
「わかりましたわ、ティナ様」
「エルミアさん! アレン様がどこに行ったかわかったのでしょうか!?」
「すみません、そこまでは。ただ、門番のモディアス様によれば、夜半、アレン様が魔王城の正門から出ていくのを見たと。行き先までは、わからないそうですわ」
「そうでしたか⋯⋯ですが、アレン様がどこかへ出発されたのはわかりました、ありがとうございます」
「でも、アレン、どこにいったのかな? トノカ達を置いて」
「きっと、散歩でしょう。魔王を倒して、少し気晴らしをしたかったのかもしれませんわ」
「ですが、わたし、昨日アレン様と約束したんです。今日、わたしの生まれた村へ一緒に行っていただけると」
「? 妙だね~? アレンがティナとの約束をやぶるなんて無さそうなのにな~?」
「急用で、急いでいたのかもしれませんわね。それで、ティナ様達を連れずに一人で旅立たれた」
「追いかけますっ!」
「ティナ様。少しの間、出かけているだけかもしれませんよ。お待ちになれば、まもなく戻られるでしょう。少し、お待ちになっても」
「そうかもしれません。ですが、アレン様はわたし達に何もおっしゃらずに出発いたしました。もしかしたら、もう、戻らなくても良いと思って旅立たれたのかもしれません」
「トノカ達、捨てられたってこと~?」
「ううん、多分、違うよ。アレン様は、わたし達を巻き込みたくなかったのだと思います」
「アレン様でも身の危険を感じるほど、危険な旅ということですわね?」
「はい、おそらく」
「それでは、ティナ様達が追いかけるのは迷惑になるのではないでしょうか?」
少しだけ考えて、エルミアさんに答えた。
「わたしは、勇者です。勇者は、困っている方を見捨てたりしません。たとえそれが、アレン様であろうと。アレン様が困っていらっしゃるなら、わたしがアレン様の力になりたい」
「でも、めいわくかもしれないんだよ~?」
「強くなります。勇者は、あきらめが悪いんです。わたしは、アレン様を決してあきらめたりしません」
「わかった! じゃ、行こう!!」
トノカちゃんの言葉に、エルミアさんが苦笑して言った。
「仕方ありませんわ。わたくしも、お二人に同行いたします。よろしいでしょうか?」
「エルミアさん。心強いですが、よろしいのですか?」
「アレン様に、少し聞きたいこともございます。乗りかかった船ですわ。どうぞ、よろしくお願いいたしますね」
「はいっ!」
エルミアさんが苦笑しながら言った。
「ですが、行き先がわからなければ、追いかけるのも難しいですわね」
「それなら大丈夫だよ!」
トノカちゃんがウインクする。
「? トノカ様、心当たりがございますの?」
「うん、なんとなくだけど。アレンの気配っていうか、たぶんココ!みたいな」
「そう言われると、わたしも、予感のようなものを感じます」
「? どういうことでしょう? トノカ様にティナ様まで。ですが、何の手がかりも無いよりずっと良いですわ。ひとまず、お二人が思う場所へ参りましょう。もしかしたら、アレン様がそこにいるかもしれませんわ」
「うん、それじゃ、れっつご~!!」
トノカちゃんが竜に変化し、背中を促す。
エルミアさんと一緒に背中に飛び乗ると、魔王城からトノカちゃんが飛び立つ。
「待っていてください、アレン様」
青空を、東へ向けて飛んでいく。
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