revenge16 魔王の城
魔族と人間族の国境で馬車を降り、徒歩で地図を北へ進む。
何日か進み、特に戦闘もなく魔王城に辿り着いた。
「我は魔王城の門番、モディアス。この門の守護を任されている。通りたければ我を倒してみせよ」
門の前の石像の巨人が大剣を地面に突き刺し、待ち構えていた。
「モディアスか。久しいな、健在で何よりだ」
「まさか 魔 王 ア レ ン 様!? お戻りになられたのですか!?」
「所用でな。それにしても、汝が門番か。退屈であろう?」
「いえ、戦いは好きですので。ただ、飽いてきたというところはあります」
「くくく、魔王には汝の配置転換でも打診しておこう。もっとも、その魔王をこれから我の勇者が倒すのだがな」
「なんと!? では、アレン様が魔王に戻られると!?」
「成り行きだがな。通るぞ」
「はっ!」
モディアスが魔王城の巨大な城門を開ける。
「アレン様」
城内に入ると、モディアスに背中から声を掛けられる。
「ぬ?」
「魔族を、お統べ下さい。今の魔王シャルギニスでは、魔族の繁栄は望めません」
振り返り言った。
「ふっ、汝の新たな配属先でも考えておくが良い」
魔王城の城門が閉まる。
薄闇の空に、そびえ立つ魔王城。
「これが、魔王城……!」
「あはは、結構広そう!」
「皆様、油断なきよう。どこに罠があるかわかりませんわ」
ティナ達の感想を聞きながら、魔王城の入口の壁石を一つ外す。
「えーと、確かここだったか。ポチッとな」
壁の奥のスイッチを押す。
傍の地面に、ブゥォンと魔法陣が浮かび上がる。
「きゃあ!? あの、アレン様? これは何でしょうか?」
「ねえねえ、トノカもそのボタン押したい!」
「これは、転移の魔法陣ですわね。まさか⋯⋯」
エルミアにジト眼で見られる。
「ふははははは! 魔王の玉座と魔王城の入口を結ぶ魔法陣だ! これ以外にも魔王城の入口と食堂を結ぶ魔法陣等色々あるぞ!」
「セキュリティは大丈夫ですの?」
「心配無用。使用権限はレベルがキーとなっている。この魔法陣を使えるのは魔王に比肩するレベルを持った者。つまり、現状、我か魔王のみ」
「無駄にハイテクですわね⋯⋯。ですがそれですと、わたくし達は?」
「くくく、我にひっついていれば問題ない!」
「転移先が変更されている可能性は?」
「限りなく、無い。考えてもみるが良い。日常利用する移動手段をわざわざ使用不可にはせねだろう?」
「じゃ、これで魔王の元にひとっ飛び?」
「うむ」
「よしっ、いこう!」
トノカが我の背中に飛び乗る。
「アレン様、手を握っていてもよろしいですか?」
頷くと、おずおずと我の手を握るティナ。
その様子を見ながら、エルミアがため息をつき、我のマントを掴む。
「よし、では征くぞ!」
魔法陣を起動し、玉座へ転移した。
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