額縁の中に住む、青い瞳を持つ少女の話。
おかあさんはとっても凄い人なの。
私が皆に会えたのもおかあさんが頑張ってくれたからなんだよ。私はおかあさんが好き。
でも、おかあさんは居なくなっちゃった。かなしいなぁ。
かなしいけど、さみしくはないよ。だって、皆がいるから。
私が自由になれるのは、ここが閉館しているとき。
つまり今。私は今から、皆に会いに行くの。誰って、ともだちだよ。
......私、誰に向かって話してるのかな。いまじなりーふれんどってやつかな。
私にはともだちがいるのに、不思議。
あ、私の名前はリカー。とっても可愛いと思うの。おかあさんが付けてくれた、素敵な名前。
それで、私の友達のなまえは、レイラとウラーって言うんだよ。
レイラは私と同じでとっても可愛い女の子。ウラーは、顔が3つある魚。怖くないよ。
もうすぐ二人の所に着くから、あいさつの準備して。
「こんばんは、レイラ、ウラー。」
『こんばんはですね。』
[こんばんハ。]
リカーは二人と挨拶を交わすと、部屋の床に腰を下ろす。
「今日も人がたくさんで疲れたの。二人は?」
『同じよ。まあ、賑やかなのはいいことだと思うわ。』
[そウ?ボクハ早く休みたイよ。]
『へえ......珍しいのね。』
[そんなわけ無いだロ]
私の過ごす日々は永遠に終わらない。
誰かの夢の中で、新しい私の物語が紡がれるその時まで、
私は眠って待つとしよう。
もしこのちょっとした日々を気に入ってくれる人がいたなら、
私はお礼をしにいかないと。そして、ここに招待してあげよう。
ずっとここにいてもいいんだよ。