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人災派遣TRPGリプレイ  作者: 紫電改
第一話:『幽かなる竜胆』
5/20

第一話:『幽かなる竜胆』05

★3日目 (第2R)


一同:こんばんは~。

紗綾:風邪で死にそうです……。

秀史:大丈夫ですか?

GM:毎回誰かが風邪にやられてる感じですねえ。

カヤカ:ご無理はなさらず……。

GM:では再開と参りましょう。幻の蝶を求めて山に向かった君達は、そこでライバルとなるハロルド財団と、彼らに雇われたシグマのエージェントと遭遇。後を追って、まずは山頂、神社での調査を終えたのであった。

秀史:リンドウアゲハ自体が怪しいって話もありましたよねえ。

カヤカ:でもカメラには映ったんだよな?

柳沢:「人の眼には映らないものが、カメラに映るってことはよくあることさ。心霊写真とかね」

カヤカ:「でも、学者さん達も見間違えるくらいには蝶に見えたんだよなあ」

GM:というところで第2ラウンドの開始となります。まずは準備フェイズ、『高速移動』したい人はどうぞ。

一同:ういーす。



挿絵(By みてみん)



★第2R:準備フェイズ


 ライバルであるシグマのエージェントがすでに山に入っている事を受け、一同は今回もコストを払って『高速移動』を選択する。

 前のラウンドに道の駅で聞き込みを柳沢と秀史は、とどまっていた鈴木隊の車に同乗して『高速移動』。山頂エリアの調査はすでに完了しているため、山の南エリアに向かった。


柳沢:「よろしく頼むよ~。 この歳になると山登りはキツいんでね~」

秀史:「おっさん、もっと体鍛えなよ」

チシャ猫:「たまには歩いたほうが体にもいいんだにゃ?」

カヤカ:「完全インドア派がなんかいってるぞ」

GM:ここからは『荒れ地』となるので、途中から車を降りることになります。

柳沢:「やれやれどっこいしょ。あたた、腰が」


 紗綾は山頂から、当初の予定通り山田隊と一緒に南エリアに。こちらも車を乗り捨て、柳沢、秀史と合流する。


紗綾:南の奥にあるイノシシ沼が気になりますねえ。『封鎖』されていますが、入れるんでしょうか。

GM:たくさんPPを払えば移動自体は可能だ。

紗綾:なにか封鎖が解かれるトリガーがあるといいんですけど。


 カヤカもここで紗綾と別れ、当初の予定通り北エリアを目指す。

 すでに山頂エリアの調査を終えた真山教授隊が同行することとなった。


GM:こちらも荒れ地になりますので、移動後に降車ですね。

カヤカ:了解。グロムは登山道の入り口辺り、ちょっと奥まったところで隠しておきましょう。

GM:こうして、カヤカくんは取り残されてしまったのであった。

カヤカ:怖い!すっごい怖いけど!


GM:では皆さんが速やかに社務所を後にしたところで、「あれー、みなさんお茶のお代わりをもってきたんですけど」と、神主さんの声が響き渡るのであった。

カヤカ:それはもういいです!(笑)

GM:「便秘とか胃のもたれにも降下抜群なんですが~」

カヤカ:降下の字が違いますよねソレ!?(笑)


★第2R:フェイズ チシャ猫


チシャ猫:「にゃははは、ホント酷い味なんだにゃ? くわばらくわばら」

GM:ということで、引き続きトップバッターはチシャ猫さんだ。

チシャ猫:前回決めたとおり、『兄弟からドローンの情報を買い取ったのは誰だ?』をハッカーで調査!

紗綾:「がんばってくださいですぅ」

チシャ猫:PPを1消費し、『ダイブイン』を使用しダイスを底上げします。

柳沢:電脳特化頼りになり過ぎるなあ!

カヤカ:ハッカーには良く泣かされています(笑)。

 

 カヤカのプレイヤーはこの人災派遣RPGで何度もオンラインセッションを開催して頂いているベテランGMなのである。……大変お世話になっております。


チシャ猫:5D+12と言って判定……(ころころ)31。ダイス目が悪かったにゃあ。

カヤカ:まったく十分な気がしますが(笑)。でもたしかに、あと5あれば達成値2でクリアですねコレ。

チシャ猫:ここは振りたそう。

秀史:がんばれ~!

柳沢:LP7あるよこの人!

カヤカ:ルーキーの特権ですね……!

チシャ猫:(ころころ)+2。あふん、もう1点振り足し!(コロコロ)クリティカルして+7!

GM:この振り足しシステムほんとひどいよなあ(苦笑)。

カヤカ:二回目でクリティカルが出てるあたりお約束ですね(汗)。

柳沢:さて、判定成功。結果が気になるけど。

GM:ちなみに、チシャ猫さんはハッキングの時はノートPCを使う派でしょうか。あるいはデスクトップとかタブレットとか。

チシャ猫:タブレットです。PCは調達が足りなかった(笑)。

GM:……では、君がハッキングをしているとですね、画面に、なにやら、文字が。

チシャ猫:ん、ん~?


 いずこの街か、あるいはそもそも日本なのかも判然としないどこかの部屋。

 己のアジトで『チシャ猫』はタブレットに指先を走らせる。

 稀代のハッカーがその指を振るうたび、電脳世界に散らばった情報が紡ぎ上げられ、隠蔽のベールが剥がされてゆくのだ。

 だが、その指がぴたりと止まる。

 むき出しのコマンドプロンプトに踊る、予期せぬ文字列。


 >UNDER THE ROSE!

 >UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!

 >UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!

 >UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER THE ROSE!UNDER...


 ――未だチシャ猫の支配下にない情報群からの、警告文だ。


チシャ猫:「にゃにゃっ、生意気なんだにゃ」

柳沢:「おやおや。UNDER THE ROSE。『ナイショ』を意味する英語だねぇ」

秀史:やめてくれ、その文字は俺に効く(汗)。

柳沢:余談だけど、バースコミックス、船戸明里『UNDER THE ROSE』という漫画がオススメでね(笑)。

紗綾:それはメモしておきましょう(笑)。

GM:ハッカーとしての君はすぐに事態に気がつく。……君のハッキングに呼応して、何かのプログラムが起動。君のIPアドレス、つまりは身元を割り出そうと逆探知をしてきたのだ!

秀史:クラッキング対決!実際サイバーパンクめいている。

GM:では『ハッカー』判定、目標値20を二回行ってみよう。失敗するたびにSPとEP(露出値)に大ダメージを受けてしまう。

カヤカ:シグマかハロルドか。

秀史:連中に後方支援できるメンバーもいると言うことかな?

チシャ猫:20なら普通に判定します。1回目、(ころころ)21……危ない(苦笑)。2回目(ころころ)回って30。どちらも成功です。

秀史:ワザマエ!

カヤカ:流石猫だぜ!


 構築されたシステムに食らいついたワームが急速に膨張し、侵食を開始する。

 数秒と待たず構築した防壁は食い破られ、そのIPアドレスは悉く暴かれ、ヘマをやらかした愚かなクラッカーへの警告と嘲笑と共に、ネット上にぶちまけられるだろう。

 ――相手が『チシャ猫』でなければ。


 「ボクを逆探知とか超生意気なんだにゃー」


 タブレット上で指先を振るう。防壁は瞬時にしなやかな網へとその姿を変え、膨張するワームをはじき返すのではなく、絡め取る。

 増殖の勢いを殺してしまえばそれはただのいちプログラムにすぎない。『チシャ猫』は圧縮・捕獲された攻性プログラムの本体ファイルのアイコンをつまみあげると、冷笑と共に『ゴミ箱』にドロップした。


チシャ猫:「久しぶりにちょっと遊べるトラップだったにゃー」

柳沢:「やや、猫さん随分楽しそうじゃないか」

GM:探りを入れてきた者を迎撃するBOTプログラムだったようです。正直なところかなり危険なトラップだったのですが、チシャ猫さんは華麗に回避しデリートしました。

チシャ猫:「まーボクにかかればちょちょいのちょいなんだけどにゃー、にゃはっはー」判定成功したから調子に乗る乗る(笑)。

紗綾:「頼もしいですぅ」

カヤカ:「なんか猫が静かだと思ったら……」

秀史:「BOTにしてはかなり高性能だな。C.U.B.Eでも探りを入れてきたか?」

GM:そんなこんなで調査結果が出ましたよ、と。


★6 『兄弟からドローンの情報を買い取ったのは誰だ?』 結果

 兄弟からドローンの情報を手に入れた何者かは、香港からアクセスをしていたようだ。

 香港には金や犯罪も厭わぬ狂信的な蝶マニアがいて、いち早くリンドウアゲハの情報をかぎつけたらしい!


カヤカ:香港。……香港っ!?

チシャ猫:「にゃ、なーんかよくわかんないけど、香港からアクセスされてるみたいなんだにゃー」

紗綾:ほんこーん。

柳沢:「やれやれ、大人気だねえ。蝶一匹に物騒なことだよ」

カヤカ:「シグマとハロルド財団と、えーと……香港っつーと、中華系?」

チシャ猫:「そこまではよくわからないんだにゃ?」

秀史:「ここにきてまさかの第三勢力とはな。MNBでも海鋼馬でもなさそうなやり口だが」

GM:残念ながら、今、君が追えるのはここまでだ。香港のネットに潜って依頼主を突き止めることも不可能ではないだろうが、聞き込みなどアナログな手段が必要になり、一日以上かかってしまうと思われる。

チシャ猫:「結構変な匂いがしているから皆も気をつけるんだにゃ?横からズドンで漁夫の利とかやられるとムカつくんだにゃー」

紗綾:「本当に大人気のチョウチョさんですねぇ」

カヤカ:「あー、とにかく現地で蝶見つけるのが一番手っ取り早いみたいだな」

秀史:「道の駅で部隊に囲まれて強奪されなければ、だがな」

カヤカ:「一匹ってことはないんじゃねえかな。向こうがその気なら、最悪こっちから仕掛けて強奪って手もある」

柳沢:「さてさて。現時点ではそもそも人の手に負えるものかどうかも怪しいしね。香港の件は頭の片隅に置いといて、今はとにかく調査を続けようじゃないの」

チシャ猫:「真正面からの戦闘は心配してないんだにゃ。君ら荒事は優秀にゃんでしょ?」


★第2R:フェイズ カヤカ


GM:で、次、なのですが、皆様が良ければカヤカさんからでもよいでしょうか。

秀史:なにやら嫌な予感がしてきましたな。

柳沢:おやおや、面倒事かな~?

カヤカ:カヤカとしては大歓迎です。よっしゃ来い!

GM:ありがとうございます。カヤカ君と真山教授隊は山の北側に向かった。舗装道路が途絶え、君達は徒歩で獣道に入り込んでゆく。

カヤカ:山育ちとして一行を先導しながら、「ケッコーな山ですけど、教授さんは大丈夫ですか?」とか声をかけてみる。『サーヴァント』持ちとして!(笑)

GM:「いやあ、楽しいもんですよ」と教授。「やっぱり研究はフィールドワークに限りますね!」などと言いながらカクシャクとした様で山を登ってゆく。心なしか、街中に居るときよりも元気なくらいだ。

柳沢:トレッキングが日課っぽいしね、このセンセイ。

カヤカ:「タフですね。では、自分も負けません!」と一番最初は譲らない!(笑)

GM:「せ、先生~」「まってくださいよ~」などと学生達(笑)。


 一行は北エリアの奥深くに入り込んだ。他のエリアと比べ、北エリアはとくに水が豊富で、渓流や沢といった地形があちこちに見られる。


カヤカ:「……蝶の生息に、水場っていうのは必要な条件だったりするんですか?」

GM:「蝶にもよりますが、水辺を好む種は多いですね。リンドウアゲハが名前の通りアゲハチョウの一種であれば、水辺に寄りつく可能性は高いでしょう」

カヤカ:「それならこっちのエリアは期待できそうですね」

GM:「じゃあみなさん、ここらへんで予定通り調査を……」というところで。

カヤカ:……あれ?


 「ヒュー♪」

 下品な口笛を吹きならし、森の奥から体格の良い男達が姿を現す。

 知らぬ顔ではない。今朝ほど麓で見知った連中だ。

 挑発的な笑みを浮かべ、大げさな身振りで両手を広げてみせる。

 たとえ言葉がわからなかったとしても、幼児でも容易に理解できるであろう、「通せんぼ」のジェスチャーだった。


GM:「すまねえなあ坊や、ここは通行止めなんだ。カタギに手を出すつもりはねえが、しばらく通すなってのが『隊長』の命令でな」

柳沢:あらら、そっちに出てきちゃったか。

カヤカ:「……出やがったな、脳筋ヤローども」拳を手のひらに打ち付けて、威嚇。インカムを通じて皆に状況を中継します。

紗綾:『ちいぃ、戦はそっちじゃったか!』

GM:ということでイベント『シグマチームの妨害』が発生。彼らを排除するまではこのエリアで調査を行うことは出来ない。


★緊急判定:シグマチームの妨害

  北エリアにはシグマチームが立ちはだかっている。彼らを排除しない限り調査は出来ない。

  判定:『命中』でたたきのめす、もしくは「回避」で山の中に引きずり込む。


柳沢:「多勢に無勢だし、次の手番を待つかい?」

チシャ猫:「相手も蝶は見つけてない感じだけどにゃー」

GM:カヤカ君には、妨害している連中の向こうで、ハロルド財団のメンバーが調査を始めつつある光景が見える。

柳沢:(条件を確認)なるほど、ガチ戦闘じゃないのか。「ま、大した連中じゃなさそうだし、カヤカ君一人でも大丈夫でしょ」

秀史:出遅れてもつまらないし、判定で排除できるなら。

カヤカ:「みてーだな。……よし、ノそう」……『回避』で森の中に引きずり込む方が得意だけど、数が居るなら寝ててもらった方がよさそうだ。

GM:ちなみに、妨害メンバーは屈強な男達が十人程度。君らが出会った『隊長』や『大男』の姿はない。

カヤカ:「よっしゃ、全員アタマ揺らして悪夢みせたらぁ!名乗りもしてやんねーからなァ!?」『命中』判定で妨害を排除!

柳沢:あ、猫さんここは一応『アドヴァイス』で支援を、

カヤカ:4D+4(ころころ)…12!あっ、ひくいっ!?(笑)

チシャ猫:(間に合わなかった感)

カヤカ:ご、ごめんなさいーっ!?

柳沢:うーん、期待値が元々18だからねえ。

カヤカ:くっ、LPを使って振り直します!(ころころ)20!ぃよっし!

秀史:お見事!


「ハッハー!坊や、おれ達とやろうってのかい!?」

「CCCの連中なら加減は必要ねえなあ!!」

 屈強な大男達が散開し、一斉に間合いを詰めてくる。

 つかみかかってくるその太い左腕を――かわそうとして木の根に足を取られた。

 胸元を捕まれた。飛んでくる右の拳。

 莫迦、浮足立つな。

 ようやくにしてスイッチが入った。慣れない仕事に浮かれていたルーキーから、退魔の武闘家たるその本来の性能へと。

 動きは最小限。左の掌で飛んできた拳を捌き、右の拳で男のこめかみを軽く小突く。それで決着だった。物理的な衝撃ではない。

 カヤカの拳に込められた霊力が、男の精神を砕いたのだ。

 「ちいっ!やるじゃねえかこのガキ!」

 「慌てるな、包囲しているのはこちらだ!」

 囲まれても動じる必要はない。彼らの心はむき出しで、次にどう動くかが手に取るようにわかるのだから。

 心を読み、心を砕く武術。――それこそが『魂砕き』居垣佳夜迦の異能であった。

  

GM:君は大男達の攻撃をひらりひらりといなし、的確に急所を小突いて無力化していく。

カヤカ:テレパス武術ッ!っていうと凄い怪しいですね(笑)。

柳沢:本当に『先読み』したり後の先とったりしたりするわけだ。

GM:途中ちょっと危ないところもあったが、速やかに制圧は完了した。

カヤカ:「あーいむうぃなーッ!!」倒れ伏した男の上に立って拳を振り上げて!

一同:「…………」

チシャ猫:「……あんまり目立たないほうがいいと思うんだにゃ?」

カヤカ:「あ゛」

柳沢:「若いねえ」(にっこり)

カヤカ:「しまった、教授サン居たんだ……」

GM:「これがCCCさんですか……噂には聞いていましたが、いやはや……」

秀史:勝ち名乗りはギリギリアウトじゃないかなあ(笑)。

GM:「すげーな」「あれどうやってんだろう」「トリック?」「カンフーとか」ざわざわざわ。

カヤカ:「とりあえず、調査の妨害があっても大丈夫です!自分が何とかしますから!」(わたわた)

GM:「う、うん。そうだ、君たち。彼が頑張ってくれたんだ、調査をはじめよう!」「は、はーい!」

柳沢:ちなみに今の勝ち名乗り、EP溜まるの?(笑)

GM:ほしければ上げるけど。

カヤカ:いらないッス(笑)。


 シグマチームの妨害を速やかに排除したカヤカは、そのまま調査判定に挑戦する。


カヤカ:ではマニピュレータ(精密動作)で教授隊のお手伝いを。目標値24……び、微妙?

柳沢:うーん、平目じゃ無理だろうねえ(苦笑)。

チシャ猫:『アドヴァイス』ポポーイ。+1Dなんだにゃ。

カヤカ:さんきゅー猫!教授の支援も入れて、5D+6!(ころころ)23!かはっ。

秀史:ああ、ここにも妖怪イチタリナイが……。

カヤカ:EP3点をLP1点に換算して振り足し!(ころころ)当たり前ですが成功!……このEPはさっきの勝ち名乗りの分って事で(笑)。

チシャ猫:『アドヴァイス』のPP消費を『偽情報』で軽減。口座が一瞬減ってすぐ戻ったにゃー。

紗綾:それは偽情報というより改竄では(笑)

柳沢:便利なスキルだなあ(笑)。

チシャ猫:ごまかす数字には限度があるんだにゃー。

柳沢:いずれにしてもよくやってくれた。これで北エリアの調査は完了だね。

カヤカ:さて、見つかるか……?

GM:では君は『サーヴァント』の本領を発揮し、調査隊の手伝いとして山や沢を駆け巡った。……その結果。

カヤカ:霊山に潜らされたことも幾度か……おお?

GM:君は、沢の淵で、羽をみつけた。

紗綾:おお!

GM:すでに千切れた羽の一部。泥と水でぼろぼろになっているが、細工模様を思わせるその美しい模様は、確かに事前情報で聞いていたリンドウアゲハのものに間違いない!

柳沢&秀史:……ほほう。

カヤカ:ん、叫んだらシグマに見つかりそうなので、インカムで報告します。「こちらカヤカ。……えっと、なんか羽根、みつけたんだけど」

柳沢:千切れてるってのはねえ。

秀史:誰、もしくは何にやられたのだろう?

GM:「こ、これは!まさしくリンドウアゲハの!!」教授も興奮気味だ。

カヤカ:「ホンモノなんですね。でも、千切れてるのは……」

GM:すると調査を終えた学生達が次々とデータを持ってくる。「教授、これを」「ふーむ」「こちらにも「ふーむ、やはりか」

カヤカ:「やはり、って教授。何か予想が当たったん、でしょうか?」

GM:「うむ、詳しくはこちらのメモを見てくれたまえ」

一同:メタいメタい!(笑)


★1 調査隊と同行し北エリアの調査 結果

 朽ちた羽を見つけた!!!


 水辺でリンドウアゲハのものと思われる羽をみつけた。

 この山にリンドウアゲハが居たのは確からしい。

 どうやら水辺に惹かれて産卵のためにどこからかやってきたようだ。

 今でもいるのか?どこから来たのか?

 

 ここ最近の温暖化と例年の豪雨の影響で館神山の地下水位が増加。

 生態系にも大きな影響を与えているようだ……。


 湧水を見つけた:このエリアにいる全員がSPorHPを10回復


GM:「この蝶はおそらく、産卵場所を求めてここまで来たところで力尽き、森の虫たちに土に返されてしまったのだろう」

カヤカ:卵はあったんですか?

GM:残念ながらこのエリアで卵を見つけることは出来なかった。

カヤカ:「産卵、成程。それで水辺を好むのですねーーって、水位の増加?」

GM:「ここ最近の温暖化で、何年も雨量が多い年が続いてるんだ。おそらく山の地下水脈も水位が増しているのだろう」

チシャ猫:「統計を調べてみたけど、確かに雨量は上がってるみたいだにゃ」

カヤカ:「んんー?おじさーん。おじさーん、四百年前って、実際に災害起こったんだっけ?」

柳沢:「え? ちょっと待って、過去ログを読み返してみるよ」

紗綾:メタいメタい(笑)。

カヤカ:「この蝶が現れると災害が発生する、だから不吉な蝶と呼ばれるようになったとか!」

秀史:「つまり、この山は近いうちに氾濫を起こす可能性が高い?」

カヤカ:「猫!おっさん!裏付け取れる!?」

柳沢:ざっと読み返したけど、実際に災害が起きたかどうかの言及はなかったね。

GM:君の疑問に教授が答える。「いえ、氾濫の心配はとりあえずないと思います」

カヤカ:「って、……え?大丈夫なんです?」

GM:「館神山からは幾筋もの川が流れ、関東平野に流れ込んでいます。確かに雨量の増加はありますが、関東平野からしてみれば十分に吸収できる量かと」

カヤカ:「なる、ほど……?じゃあ、館神山の災害ではない、のですね」

柳沢:確かに、山の水位が上がったとしても、氾濫するのは下流域だしね。

カヤカ:四百年前に大きな災害が起きてたら言及されてもおかしくないですもんね。「ありがとうございます。……あちゃー、早とちりした~……」がっくし。

柳沢:「気を落としなさんな。、夢でも幻でもなく実体のある蝶だ、と解っただけでも大収穫だしね」

カヤカ:「とりあえず一歩前進!以上!」とインカムの通信を乱暴に切ります(笑)。……うわ~やらかした~(ごろんごろん)。

GM:ということで、カヤカ君のチームは蝶の羽の欠片を手に入れた。学術的には大きな一歩だが、成体を確保するというミッションはまだ完了していない。

柳沢:「どうにも、北に現れた蝶は迷い込んだ奴って感じがするね。生息地がもっと別なところにあるはずだ」

秀史:「となると、我々の居る南側の方が目はあると考えるべきか」

カヤカ:うーん、北側は空振り情報だったのかなあ。

GM:(さてどうだろう)

チシャ猫:「チシャも興味出てきたんだにゃ?幻の蝶、見てみたいにゃね」

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