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人災派遣TRPGリプレイ  作者: 紫電改
第一話:『幽かなる竜胆』
4/20

第一話:『幽かなる竜胆』04

★第1R:フェイズ 秀史


GM:以上でイベントは終わりです。では手番に戻りまして秀史さんどうぞ。特に行動を宣言しなければ、当初の予定したエリアに向けて『通常移動』となります。

秀史:柳沢さん、『投稿者から手がかりを聞き出せ』を調べに行きます?

柳沢:うーん、おじさんは護衛も兼ねてるから、当初の予定通り教授と一緒に山頂エリアを目指すつもりだけど。

秀史:了解。ではちょっと皆さんと別れて、『投稿者から手がかりを聞き出せ』の調査に向かいます。手番的にもその方が融通ききそうですし。

チシャ猫:助かるんだにゃ。

カヤカ:お願いします!

GM:了解。では秀史さんが指定の住所にたどり着くと、そこは郊外に建てられた庭付きの一戸建てでした。

カヤカ:一部のエージェントが涙を流しそうな情報が!(笑)

秀史:「依頼人の家に行くと泣き出すエージェントがいるというのも、満更嘘ではなさそうだな」(笑)

柳沢:そこまで悲惨なのか(苦笑)。

GM:都会で窮屈なマンション暮らしするよりは、郊外で広い庭付きの家に住もうというスタンスが見て取れる。家庭菜園とかブランコとかがある庭の一画で、中学生の少年が二人、ニン○ンドー3DSに興じている。

チシャ猫:モン〇ン?

柳沢:「兄貴、罠張って罠」

秀史:今ならポ〇モンかな?

紗綾:そういえば私ほぼ同年代ですよね(笑)。

チシャ猫:「まぁまぁ好みのタイプなんだにゃ?、動画に残すにゃー動画にー」

柳沢:個人情報保護ーっ!(笑)

チシャ猫:「別に家の中とかプライベートを盗撮するわけじゃないからほっといてほしいのにゃ?」

カヤカ:(猫のことは後で藤村サンに報告するべきなのかどうか……)

GM:兄弟は君らのことに気づかず、ゲーム機をしまったと思えばカードをやりだしたり、ベイブ○ードやりだしたり。遊びを満喫しているようだ。

秀史:中学生だなぁ。……ここは正攻法で行こう。玄関から「すみません」と声をかけます。

GM:「にーちゃーん、お客さんだよー?」「なんだよー。あ、こんにちは。どなたですか?」

秀史:「ドーモ、私はこういう者です」と名刺スリケンを投擲(爆笑)。

柳沢:投げるなーっ!(笑)

秀史:東野さんに教わったのだぜ。

カヤカ:なにやってんですか企業戦士ーッ!(笑)

GM:NSRを発症し中学生は失禁……するとこのご時世非常にまずいな(笑)。

柳沢:変なことするとGMが「EP溜めてね?」ってニッコリ笑って言い出すよ?


 『人災派遣RPG』のもう一つの特徴は、武器や異能を使うと『EP=露出点』が溜まってしまうというシステム。EPが一定以上溜まると、『露出判定』を行わなければならなくなり、その結果次第で通報されたりネットで噂になったり、罰金を支払わねばならなくなったり、ほとぼりを冷ますために仕事を放棄して逃げださねばならなくなったりと、不利な影響を受けてしまうのである。異能力者と言って好き勝手行動していると痛い目を見てしまうのだ。


チシャ猫:そう言えば道の駅は混雑度5なんですよねー、人が多いね!

GM:君が投擲した名刺は兄弟の手にピタリと収まった。「すげー、会社の人たちだってよ、兄ちゃん」「あ、もしかして、おれ達の動画を見てきた人じゃん?」

秀史:中学生相手ですからちょっと崩して……「そうだよ。あの動画のことで、話を聞かせて欲しいんだ」

GM:「じゃあアレだそうよ、あの最新ドローン!」「馬鹿、余計なこと言うな!……あの動画って、どの動画のことでしょう?」

カヤカ:む?なんか微妙に含みのある言い回し。

GM:ってところで、ここから先は判定となります。

秀史:はーい。達成値4か。時間がかかると見たほうがよいかな。

GM:判定条件を確認してみてくださいね。他の人もインカムで常時情報は共有しているとしてください。

秀史:『ネゴシエーター』、『暗躍』、『エリアボーナス』で3D+6(ころころ)……むう、20。

柳沢:あと4あれば、判定値2に届くねぇ。LP使う?


 LP=幸運点は、消費することで判定ダイスを振り足しできたり、振り直しできたりと、様々な用途に使える便利なリソースだ。

 おおむねルーキー(新人)キャラほど多く、ベテランほど少なくなる。


秀史:そうですね。ここは振り足しします。LPを1点(ころころ)……3!

GM:うわ惜しい!

カヤカ:妖怪イチタリナイが(泣)。

秀史:はーいもう1点使いまーす(泣)。(ころころ)4!さっきこの目が出ていれば!

柳沢:まあみんなルーキーでたっぷりLPあるから心配ないよ!おじさんは『梟雄』のペナルティでLP1だけどね!

GM:了解、これで達成値2となりました。それから秀史さん、君は兄弟に聞き込みをしているのですが。

秀史:なんでしょう?

GM:聞き込みの最中、ガレージの奥にやたらぴかぴかの高性能っぽいドローンが鎮座していることに気がついた。

秀史:……おや?

カヤカ:こ、これこそ心を読みに行くべきだったのではッ!?



GM:では次の方、紗綾さんどうぞ。

紗綾:うーん、聞き込みの結果は気になりますが、私の調査能力はたかが知れているのでパス。調査隊の車に同乗して、そのまま山頂へ向かいます。どういう処置になりますかね?

GM:調査隊が車で『通常移動』し、それにみなさんが乗っかるって形ですね。

柳沢:調査隊に便乗して『移動』。その後に『調査』ができると考えていい?

GM:……今回のシナリオではそういうこととさせてください。

紗綾:それは助かります。では調査隊に同行して移動。

カヤカ:ちなみに自分の原付できてる俺は……。

柳沢:(にっこり)

チシャ猫:がんばるんだにゃ。

カヤカ:うわぁん!いいや先に北エリアにいくからー!

GM:北エリアは荒地だから原付を降りることになるんですよ……。

カヤカ:ゴフッ。

チシャ猫:がんばるんだにゃー。

GM:では紗綾さんはいったん手番お預けですー。


★第1R:フェイズ 柳沢


GM:では柳沢さんですが。紗綾さんと一緒に移動します?

柳沢:……いや、教授にはちょっと待ってもらって、シタナガ君の応援をしよう。山頂には次のラウンドの準備フェイズで移動します、

GM:了解です。秀史さんに続いて『投稿者から手がかりを聞き出せ』に挑戦ですね。

柳沢:さっき十分ロールしたので、まとめ役っぽく現地には行かず電話でシタナガ君にアドバイスを入れるって演出にしたい。「○○について聞いてくれるー?」って感じで。

秀史:了解です。では俺が中学生たちに手裏剣芸を見せて懐柔しているところにインカムで指示が来る(笑)。

カヤカ:あ、ちょっと待ってください。

GM:なんでしょう?

カヤカ:判定条件を読むと、『特に確認したいことがあればGMに質問してもよい』って書いてありますね。

GM:(気づいてもらえてうれしい)ういす。情報を共有しているカヤカさん達も質問してもらってもかまいませんですよ

カヤカ:ああ、では。さっきから気になっていたんですけど。兄弟の会話に出ていた『最新ドローン』って何でしょう?

紗綾:そこ、やっぱり気になりますよね。

カヤカ:ええ。この兄弟、撮影には結構安いドローンを使ってたはずですよね?……もしかして。もう情報を誰かに売ってたり、する?

紗綾:一足遅かった?

チシャ猫:情報を売って、そのお金で新型ドローンをゲット、かにゃー。

秀史:そのうえで口止めされた、ということか?

GM:……そういった話を秀史さんがインカム越しにやり取りしていると、兄弟の顔色が目に見えて悪くなる。

柳沢:む?

GM:「え、おれ達、あれは、ちゃんとお小遣い、ちがう、お年玉で買ったんだよ!」などと供述しており、難易度と達成度が下がります(笑)。

紗綾:などと供述しており、って。

カヤカ:完全に容疑者扱いだー!(笑)。

秀史:遊ぶ金欲しさにやりました(笑)。

カヤカ:まあ彼らにはどうでもいい動画だし、売らない理由はないですよね。

柳沢:後ろ暗いことでもないしね。難易度はどの程度下がった?

GM:達成値が1、難易度が3下がりました。

柳沢:あらら、それなら平目で行けちゃう感じだねえ。ビジネスで判定。「我々にもその情報教えてくれないかなー?って感じに聞いてくれるかい、シタナガ君」……3D+10(ころころ)で19。成功だね。

秀史:「なあ、その新しいドローン、どうやって手に入れたんだい?お金はどうしたのか、とか……、いったい君たちに何があったのか、とか。教えてくれないかな?」

GM:「うん。……わかったよ」ガレージにある新型ドローンについて尋ねられた兄弟は、観念したように話を始めた。「実はあの動画には、続きがあるんだ」

一同:なんですとー!?


★調査項目5:『投稿者から手がかりを聞き出せ』  結果


 彼らは館神山でドローンを飛ばして動画を撮影して遊んでいた。そしてその映像に蝶が映り込んでいたのを発見した。ここまでは事前の情報の通りだ。

 蝶が映ったのは山頂の上空だという。

 兄弟はいったんドローンから映像の記録されたカードを取り出した。パソコンを持っていない兄弟は、スマートフォンで動画を作成。容量の都合で動画にできたのは前半部分だけ。後半は時間をおいてから編集するつもりだったのだという。

 ところが前編を投稿してしばらくした頃。

 「ドローンに挿してたカードを売ってくれ」とネットで話しかけてきた人物が現れたのだという……。


GM:「すっげぇほしかった新型ドローンが買えるだけのお金を振り込んでくれるって言うから、郵便で送ったんだ」

秀史:「なるほど」

GM:「最初はうれしかったけど、なんか怖くなって。……おれたち、悪いことしちゃったのかなあ?」と不安顔。

秀史:「今回に限って言えば悪いことじゃないさ。ただ、大金を手に入れたなら親御さんにきちんと説明しないとだめだぞ。おいしい話にはだいたい、裏があるからな」

GM:「う、うん、わかったよ手裏剣の兄ちゃん!」

柳沢:(先の画像はまだ残っているか聞いて、のポーズ)

秀史:(笑)「それはそれとして、後編の映像ってあるかな?あったら見たいんだけど」

GM:兄達は首を横に振る。「カードを取り出して、スマホに挿して一回チェックしただけだったから、後編の映像はカードにしか残っていなかったんだ」

秀史:あらら。

チシャ猫:「データが物理的にないにゃらボクもお手上げなんだにゃ」

GM:「でも、おれ達確認のため、一回は通しで見たよ」「うん、蝶は、山頂から南へ行ったと思う」

秀史:「南、か」

柳沢:これは有力な手がかりかな。このご時世、ネットワークを介さないあたりが引っかかるねえ。

GM:ってことで、今後もこんな感じでちょっとした謎解き要素がまた出てくるやも知れませぬ。君たちは劇中のヒントから回答を推理して難易度を下げてもいいし、ダイス目で回答をもぎとってもいい。

カヤカ:了解でーす。

GM:プレイヤーとしての謎解きと、キャラとしての判定の折衷案ということで。

秀史:「話してくれてありがとう。お礼に面白いものを見せてあげよう」と言って300m先の木にスリケンを投擲。

GM:「すげー!にーちゃん、もしかしてホンモノか!ホンモノなのか!」

柳沢:すごいぞ!ニンジャは本当にいたんだ!(笑)

紗綾:さらっと300mとかとんでもないこと言ってません?

秀史:「さあ、ね。あの手裏剣は引き抜いた方にあげるよ」

GM:「チャクラ使ってくれよチャクラ?!」

秀史:こいつら、NA○UTOが始まってから生まれた世代のくせに(笑)。

GM:では兄弟達は先ほどの不安も忘れて、手裏剣争奪戦に夢中になっていく。というところで柳沢さんの手番は終了だ。

 

一同:……南かー。

カヤカ:シグマが情報を買い取ったって事なら、相当動きが早いな。急がないと。

チシャ猫:まぁ単純に考えると、怪しいのは南エリアですよね?

柳沢:あと、その奥にある封鎖されてるイノシシ沼とかね。

カヤカ:「山にはよく立ち入り禁止の場所ってあるよなー。うちの実家にもヤバイもんが封印されてる祠とかあったなし」

紗綾:いや、さすがにそれはあまり見かけませんよ(笑)。

GM:ちなみに兄弟はイノシシ沼への行き方は知らないそうだ。

柳沢:ちっ、先読みされた(苦笑)。秘密の通り道でもないかと思ったんだけど。ま、イノシシが居るところに中学生が迷い込んだらまずいか。

秀史:「イノシシの戦闘力は洒落にならんからな」

紗綾:『ほうほう、明日はイノシシ鍋かの~』

カヤカ:「田舎だと偶に近所からおすそ分けくるよなー」

秀史:「牡丹鍋だな。実家でもよく食ったよ」

カヤカ:って、北に行く予定の俺、もしかして意味なしっ!?

GM:ということで新たな調査項目『兄弟からドローンの情報を買い取ったのは誰だ?』が追加されました。

カヤカ:(内容確認)……どうみてもハッカーの領分ですね。

柳沢:「これは猫君にお任せしようか」

紗綾:「猫さん、がんばってくださいですぅ」

チシャ猫:「はいにゃ~」


★第1R:フェイズ カヤカ&紗綾


GM:では、1Rのラストはカヤカさんですね。

カヤカ:うーん、現在の情報だと無駄になる可能性が高いのですが、道の駅から直接北エリアに乗り込めますかッ!?

柳沢:南が本命だとしても、取りこぼしがあるといけないしね。

GM:移動は可能です。ぶっちゃけると、調査隊と一緒に移動であれば、紗綾さんと調査隊と一緒に山頂に行ったという事でまとめてシーンを処理します。単発で進むのであれば、通常処理ですね。

カヤカ:……団体行動って、大事ですよね。

柳沢:スタンドプレーが良いのか、団体行動がよいのか。

カヤカ:キャラ的に多少の単独行動も、と思ったけど、ここは調査隊と移動です、ハイ。

GM:柳沢さん、教授も行っちゃうけどかまわない?

柳沢:えー。調査隊は次のRの準備フェイズまで待って僕の足になってくれるとうれしいなあ(笑)。

秀史:それ私も乗りたいです(笑)。


 相談の結果、調査ボーナスのある教授隊と、山田隊が車で山頂に移動。

 カヤカが原付で同行となった。

 鈴木隊は道の駅に残り、次のラウンドに柳沢と秀史を乗せて後を追う予定だ。


GM:では、お待たせ紗綾さん、そしてカヤカさん。

紗綾:はーい。

カヤカ:はいな!

GM:君たちは調査隊に同行し、山頂までやってくる。山といってもそう標高は高くないので、舗装された車道一本でたどり着ける。そして山頂の館神神社に到着すると……『べ、べつにアンタのためにお祓いしてあげるわけじゃないんだからねっ!』なる台詞とともに巫女さんのイラストが描かれた看板が立っている。

カヤカ:!?

紗綾:『ふむ、最先端の流行の『つんでれ』というやつじゃな』

カヤカ:「じーさんがそれ知ってんのすげェ違和感」

紗綾:「つんでれ?大おじいちゃんはたまによく分からないこというですぅ」

柳沢:……キャッチーな神社だなあ。

紗綾:『ひょひょひょ、若いもんにはまだまだ負けんよ。しかし今風浮世絵の女子もなかなか味が合って良いが、生身の女子はおらんのかのう』

カヤカ:どこかの企業名が看板に書いてあったりとかしませんか(笑)。

GM:企業名は描いてないけど、巫女さんの衣装の面積がどうも少ない気がする。

カヤカ:「えー……」(苦笑)

チシャ猫:「時代の流れなんだにゃ?それがいいかはわからないんだけどにゃー」

カヤカ:「時代の流れでも違和感あるぜー……」と、一応退魔関係の名家関係者として苦言は呈しておきます、はい。

柳沢:なんともはや。

秀史:シグマの連中がいたら写真撮りまくってるんじゃないか(笑)。

GM:そんな君達の前に、二十代くらいの若いにーちゃんが社務所から走り出てくる。「やーやー。よく来てくださいました真山教授」ここの神主さんだね。

柳沢:お前かっ! お前の趣味かっ!?

GM:「あ、あの看板気に入ってもらえました?いやあ、ピ○シブで仲良くなった絵師さんに一発描いてもらったんです。気合い入ってるでしょ?ああちゃんと正当な報酬は支払いましたからね?」

秀史:この神主さんピク○ブの常連かよ!?(笑)

柳沢:おじさん、さすがにその神社行くの恥ずかしいかなっ!

カヤカ:大人のお話っぽいから脇に立って、姿勢を正して……おかなくてもいい気がしてきたぞー!

GM:神主さんはそんな君らの困惑にも頓着せず「ま、ま、とりあえず社務所へどうぞ」とお茶を出してくれる。団子もついてるね。

紗綾:「わーい、いただきますですぅ」

カヤカ:失礼にならない程度にいただきます。一応『サーヴァント』持ちとして。一応。

GM:ちなみにそのお茶ですが、クッッッッソ不味いです(笑)。

カヤカ:えー!? くっ、顔を顰めないようにして一口だけいただきます…っ!

柳沢:妙なディテールに凝るなぁ。コイツが黒幕に見えてきたぞ(笑)。

GM:「あー、やっぱだめですかねえ、今度ウチの神社の名物で売り出そうと思ったんですけど」

チシャ猫:「ボク、その場にいかなくてよかったんだにゃ」

柳沢:「同感」

紗綾:「十分おいしいですよ?出涸らしじゃないお茶なんて久しぶりですぅ」

チシャ猫:「貧乏人が悲しいセリフを吐いているんだにゃ」

カヤカ:「……えーと、こっちは置いといてください。なんの茶葉なんです?」

GM:「よくぞ聞いてくださいました。この山で生えてる草を煎じたものですね」

チシャ猫:「それ、毒とか大丈夫なのかにゃ……」

カヤカ:「それは、とても……冒険的ですね。山を愛しているというのは伝わってきます」

GM:「なんとか参拝客を増やそうと、昔の文献を参考にお茶を再現してみたのですが、売れ行きがさっぱりでして」

柳沢:……ほう、文献とな。

紗綾:そんな由緒ある神社だったんだ(笑)。蝶のことも書かれてたり?

GM:「ええ、私が最初に引用していた蝶の文献は、もともとここの神社から発掘された者なのですよ」と真山教授。

カヤカ:あ、そうですね。四百年ぶりに確認されたってことは、それ以前の記録が残ってるわけですもんね。

柳沢:なるほど。では前回私がでまかせで口にした文献は、それを元に江戸時代に編まれた著述があった、とこじつけておこう(笑)。

GM:「日頃お世話になってる真山教授の依頼とあらば、協力を惜しみませんよ。とりあえずここの社務所は自由にお使いください。無線LANとかもできる限り張りましたので、ハイ」

カヤカ:「お心遣い、ありがとうございます。お世話になります」と深々頭を下げましょう。

GM:「山の立ち入りにも許可を出しておきました。調査には支障ありません」

紗綾:「お茶とおだんご、ありがとうございましたぁ」(ぺこり)

柳沢:まずい茶葉と白湯なら白湯の方がいいなあ、おじさん(笑)。

チシャ猫:「あー、3倍希釈のカルピスうまー」(自室でくつろぎながら)

紗綾:「3倍!?そんな濃く飲んで良いんですか!?アレって20倍に薄めるものじゃないんですか!?」

チシャ猫:「今度砂糖を送ってあげるにゃ……」

柳沢:そこまで貧乏キャラだったっけ(苦笑)。

カヤカ:どんどん加速している(笑)。

紗綾:貧乏道場の跡取りですから。この業界に放り込まれたのも修行半分、生活費稼ぎが半分ですし。……まあ、なんか加速している感はあります(笑)。

秀史:世知辛い……。


GM:ってなあたりで、手番を使用してない紗綾さんは判定に挑戦出来ます。

カヤカ:文献を更に漁ったら何か出てきそうですか?

GM:いや、この山頂エリアの調査には、神主にも話を聞く、すなわち文献調査も含まれております。なので、ここで調査の判定を振れば、フィールドワークと文献調査をまとめて行ったことになります。

紗綾:了解です。ここは大おじいちゃんの力も借りてフィールドワークしましょう。

GM:「急ぐに超したことはない、我々も早速調査にとりかかります」と教授。

柳沢:紗彩はミスティックが3Dで振れるね。教授がいるので、補正で+1D。

紗綾:ではここで、ミッション1回の大おじいちゃんの『知恵袋』を使います。

柳沢:あ、『知恵袋』があるんだよね。だったらさらに+2Dだ。

カヤカ:結構喋ってるけど、役に立つことを喋る時は少ない?

紗綾:役立つ事をしゃべろうとすると『知恵袋』消費しないといけないので(笑)。

カヤカ:こう、おじいちゃんに疑いの目を(笑)。

柳沢:6D振ればまあ18は出そうだね。

紗綾:『ひょひょひょ、わしにまかせんかい!』(ころころ)

カヤカ:おお、回った。

紗綾:22!達成ですね。

GM:お見事!

秀史:『知恵袋』は伊達じゃなかったか。

GM:……真山教授の指揮のもと、学生達は山頂での調査を開始。その中で、おじいちゃんの助言を受けた紗綾君の神がかり的な勘が大きな助けとなり、調査は完了した。

紗綾:わくわく。

GM:……蝶は見つからなかった。ここにはいないようだ。

柳沢:がくー。

紗綾:しくしくしく。

カヤカ:まあ、神社周辺にいればすぐに見つかりますよね(苦笑)。

GM:ただし。

チシャ猫:ん?

GM:代わりにこんな文献を見つけたよ。


★調査項目3 『山頂エリアで調査隊と共にフィールドワーク』 結果


 蝶はみつからなかった。

 

 神社の文献によると、

 リンドウアゲハは江戸時代にしばしば目撃されたらしい。

 「それは竜胆の姿を取り 昏き常世より迷い出る魂

  みだりに触れる事なかれ それは災いを招く」


 ご飯をいただいて一食浮いた:同エリアにいるPCのPP+3


柳沢:ん、んー?

カヤカ:……ハイ?

紗綾:りゅうたん?

カヤカ:えーと、えーと。りゅ、リュウグウノツカイ!

柳沢:リンドウだね(笑)。

秀史:急にクトゥルフっぽくなってきたな?

チシャ猫:黒死蝶だにゃー。

カヤカ:「ウチで見た古文書と雰囲気は似てるけど。うーん?」

柳沢:「ふーむ、どうも霊能絡みの可能性も出てきたけど。その文献だけじゃあなんとも言えないねえ」

チシャ猫:「そもそも幻の蝶だからにゃー」

紗綾:「タン、食べてみたいですぅ」『だから何でお前はそう食い物に反応するんじゃ』

秀史:竜の胆はちょっとなあ。

柳沢:竜の胆とか食ったら不死身になる類だねえ。

紗綾:『昔、喰った奴がおったな。泡吹いて死んでしもうたが』

チシャ猫:「蝶食べても美味しくないと思うんだにゃ?」

柳沢:「中国とかでは蝶は人から抜け出た魂って言うからね。蝶を霊魂と結びつける説話は結構世界中にあるんだよ」

カヤカ:「胡蝶の夢、とかそういう?」

GM:「確かに、蝶が冥府の使いという伝承は、洋の東西を問わずよくありますからね……むむ。ということは」などと教授。

紗綾:「『昏き常世』とやらがどこにあるか、ですねぇ」

チシャ猫:「んー、『見つかってない蝶』『触れようとしたら死ぬ』ってことは、あんまり人が近寄れない場所とか、近寄ったらまずい場所に生息してるんじゃないかにゃ?ガスが出る場所とか」

カヤカ:「イノシシ沼。あそこじゃないか。そういや、実家の方もクマが方便で使われてたっけ」

GM:……そんな風に君達が頭を悩ましているところに、神主さんから差し入れが届きます。おにぎりとタクワン程度のものですが、このエリアにいるPCは+3PP。判定成功の報酬です。

カヤカ:やったー!!

紗綾:「わーい、頂きますですぅ」

柳沢:食費が浮いたということか(笑)。

カヤカ:お腹空いてます!もしゃもしゃ食べよう。……そして例のお茶を渋い顔で飲む(笑)

GM:「やあ、そのお茶いかがです?虫下しと便秘解消に効果があるんですよー!」

紗綾:それは下剤と言いませんか?(汗)

カヤカ:微妙な表情を浮かべておきます、ハイ。

秀史:お茶より漢方薬で売ればいいのに(笑)。

GM:食事を取りながら、真山教授はひとつつぶやきます。

カヤカ:ん。何でしょう?

GM:「ここに来る前から考えていたことなのですが。『四百年見つからなかった蝶が、今見つかった』--もしもこれが事実だと仮定すると、二つ、大きな疑問があるのです」

カヤカ:「ふたつ?」とオウム返し。中の人もわからない。

チシャ猫:「ふむふむだにゃ」

GM:「一つ、蝶は今までの四百年をどこで生き延びてきたのか」

秀史:「……二つ。なぜ今になって出てきたのか、だな」

GM:ご名答!「そのとおり。今になって、蝶が現れた理由は何か、です」

柳沢:「シタナガ君、鋭いね」

カヤカ:シタナガ=サン、スゲー!

チシャ猫:「一匹二匹では四百年も種族が維持できないからにゃー」

紗綾:そして、蝶の群れが隠れ忍ぶにはここは都会過ぎますよねぇ。

チシャ猫:「アマゾン奥地ならともかく日本で、しかも中学生が気軽に行ける範囲で生き延びていた、ってのは確かに疑問なんだにゃ」

GM:「おそらく、その謎を解くことができれば、リンドウアゲハを見つけ出すことが出来る。私はそう考えています」

カヤカ:「……日本に秘境なんて残ってないも同然、か」

GM:てなところで第1Rは終了です。本日はありがとうございました!

一同:ありがとうございました-!

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