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 人物紹介



 ファウターシュ男爵家の人々



1:ルッケル・ファウターシュ

 現ファウターシュ男爵。

 十七歳の青年。

 剣士としての才能は極めて高く、僅かの間だが師事したトーラス帝国最高の剣士、ユーパ・ミルドに、

「貴族家の長子でなければ間違いなく後継として欲しただろう」

 とさえ言わしめ、惜しまれた。

 一方で領主としての適性は並。

 堅実で知識はあるが、柔軟な発想が出来る訳でも無く、困ると腕力や武力での解決に頼りたがる傾向がある。

 本人は自分を知的な人間だと思って振る舞っているが、本質的には脳筋の類と言えるだろう。

 技巧派の剣士だが、剣闘士となって以降は肉体的にも鍛え込んでいる。


 魔力は低く、魔術師としての才は持たない。

 簡単な魔術を扱う位ならば、訓練すれば可能だろうが、その心算もない。

 但しユーパ・ミルドに教えられ、剣に魔力を流す方法は知っている。

 苦手とする対戦形式は、闘獣、闘魔の類。



2:マリーナ・ファウターシュ

 ルッケル・ファウターシュの妹。

 金色の髪が美しい、整った容姿の十五歳の少女。

 領主としての適性は高く、現在実質的にファウターシュ男爵領を取り仕切っているのはマリーナである。

 実は彼女は、倒れた父である先代のファウターシュ男爵が領地を手放す心算だったのをその高い領主適性で気付いたが、自分が身売りをすれば解決する事だと思い黙っていた。

 すると兄が珍妙で危険な出稼ぎと、将来の家督放棄をさっさと決めてしまうと言う斜め上の行動に出られ、罪悪感に苦しめられる事になっている。


 剣士としての適性は皆無だが、実は魔力が高く、魔術師としてやっていける適性があり、家の蔵書を読んで簡単な魔術を幾つか扱えるが、それは内緒にしている。

 マリーナは秘密の多い少女。

 もしその事が露見した場合、魔力の高さは貴族としてのステイタスとなる為、整った容姿と合わせて高位貴族であっても妻として欲しがるだろう。

 因みに多くの平民は魔力を持たない。

 これは貴族が稀に生まれる魔力持ちの血を、積極的に取り込んで行った結果、貴族は魔力保有者が多くなったのだと言われる。



3:コラッド・ファウターシュ

 ルッケル、マリーナの弟。

 可愛らしい八歳の少年。

 彼を生んだ後、彼等の母は体調を崩して亡くなったが、その分兄と姉からの愛情を注がれて育っている。

 ルッケルとマリーナを足して二で割った様な才能の持ち主。

 つまり普通にとても優秀。

 兄や姉の様な、妙な自己犠牲の精神や頑固さを持たない為、二人のすれ違いに心を痛めている。


 魔力の強さは中。

 魔術師にはギリギリなれるが、大成しない程度。



 剣闘士達



1:アペリア

 トーラス帝国の南方に住むミダールの民だが、戦争に敗れて捕まり、奴隷としてアラーザミアに連れて来られた。

 濃い茶色の髪と褐色の肌を持つ十六歳の少年。

 身体能力が非常に高く、武の才も豊か。

 ルッケル・ファウターシュに敗れた事で駆け引きや技の重要性を知り、現在はまだ下級剣闘士として貪欲に実力を蓄えている最中。

 そしてルッケルの試合を良く観戦する様になった。

 成り上がり物なら主人公候補。

 剣奴となった境遇には不満を持つが、トーラス帝国の食の豊かさには魅了されている。


 得意とする武器は両手持ちの剣や槍。



2:バットゥーザ

 トーラス帝国の帝都の貧民街出身。

 二十八歳のベテランの剣闘士。

 才よりも経験の豊富な技巧派。

 貧困から脱出する為に剣闘士となり、運と努力で帝都の中級剣闘士にまで昇格したが、己の限界を感じて引退。

 アラーザミアに流れ着き、改めて下級剣闘士として登録した。

 闘技場の悪役にして、下級から中級への門番。

 更に見込みのない剣奴に対する処刑人でもある。


 得意とする武器は曲刀。



3:マローク・ヴィスタ

 トーラス帝国の騎士家出身。

 明るい茶色の髪の二十歳。

 陽気な自信家として振る舞うが、物の見方はシビア。

 身体能力、武の才が共に高く、経験も積んで居る為、実力は高い。

 今は中級剣闘士だが、いずれは上級にも届くだろうと噂される。

 ルッケルの数少ない、アラーザミアでの友人。


 得意とする武器は特になく、大体の武器は器用に使いこなす。

 魔力は低め。



 その他の人々



1:ゴルロダ

 アペリアが買われ、ルッケルやバットゥーザが契約している興行師。

 貫禄のある腹が特徴の五十八歳。

 ファウターシュ男爵領にある村の出身で、ルッケルの祖父である先々代のファウターシュ男爵には独立時に出資を受けており、その事を恩義に感じていた。

 経営方針は損を嫌う堅実派だが、自分が面白いと感じたならば取り入れるだけの柔軟性と冒険心は持ち合わせている。

 興行師としてはアラーザミアでも上位に食い込む規模。



2:セラーナ・ザルクマ

 ザルクマ伯爵夫人。

 ルッケル、マリーナ、コラッドとはイトコにあたる。

 銀髪美人、二十四歳。

 夫婦仲は良く、夫であるザルクマ伯爵との間に二人の子、一人は嫡子も生んでいる。

 ルッケルのパトロンをしているのは、困っている親戚を助けたかった事と、周囲の貴婦人達との付き合いでそう言った遊びを行う方が都合が良かった為。

 勘違いしてのぼせ上がらない代理騎士は、彼女にとって有り難かった。

 事情を察して気を利かせるルッケルには感謝しており、また年下のイトコを可愛らしくも思っている。


 魔力の強さは中。

 魔術師にはギリギリなれるが、大成しない程度。




3:ガレリア

 トーラス帝国の遥か西方にあるグラーヴァス王国の戦士階級出身。

 現在は名に箔を付ける為の剣技修行の旅で各地を回っている二十六歳。

 大きく湾曲した刀剣、ショーテルを扱う。

 ショーテルはグラーヴァス王国では戦士階級の者しか扱えない特別な刀剣で、その身分を保証する物でもある。

 異国の常識に疎い事もあるが、そもそも武辺者で細かな機微を理解しようと言う気がサラサラない、ルッケル曰く面倒臭い人物。

 ルッケルとの決闘に敗れて以降、これまでは見世物と馬鹿にしていた闘技場と剣闘士にも興味を持つ様になった。


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