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山田義之  作者: 城☆陽人
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山田義之

杏奈の、戸籍上の父、山田義之は、2014年に、丁度現姓石倉雅美と離婚する前後に東北を旅行した。一週間ほどの旅だったが、抜粋して以下に記す☟



4月27日 予定:宮古8:50→(バス)→釜石11:18/14:15→花巻16:05/16:41→一ノ関17:36/17:55→仙台19:33

       実際:宮古8:10→釜石10:08/12:05→花巻14:06/14:43→一ノ関15:35/15:48→小牛田16:36/16:41→仙台17:27


 宮古ステーションホテル古窯の朝食はバイキングでは無く和定食。昨夜、マッサージして頂いたお蔭か(それでも疲労蓄積度合は半端じゃなかったが)思っていた以上にあっさり起床出来たんで、ゆっくり堪能。うん、酷使続けたお腹にも優しい、丁度な量。味もしっかりしている。素直に、ホテルの朝食として上出来レベル。それを被災ど真ん中の一つの宮古で頂けるんだから感謝しなきゃ。牛乳も補給出来たし。


 ゆっくり味わわせて頂いたが、若しかしたら、予定通り起床出来たら間に合うかも、と思っていた一本前のバスに乗車。うんうん、本日、本晩に向けて上々の滑り出し。


 悲しいかな、被害が酷かった性もあろう宮古-釜石間は、鉄道は未だ未開通。JRが提供してきた直通バスも終了しており、民間乗合バスを乗り継いでの釜石への旅路・・・


 悲しい・・・と言うより「痛い」という言葉が、嫌、その言葉さえも的を得ない痛恨の旅程。前回、直通バスを利用させて頂いた際には、釜石-宮古間を直線ルートで繋ぐ、即ち、被災地の真ん中はスルーし、最短距離で繋ぐバス。しかし、今回は乗合バス。地元の皆様方の足となっているバス。その為、被災地各々を、淡々と運行するバス・・・


 草茫々で赤錆た、一目見ただけでも復旧の見通し未だ全く立っていない山田線。


 未だほぼ更地状態の大槌町の、恐らくは街中であったであろう地域を、仮設住宅を繋いで走るバス・・・



 ・・・言葉が全く見つかりません。「悲しい」?「痛い」?そんなレベルの言葉じゃ伝えきれない、そんな壮絶な情景・・・只々黙祷を捧げる他自分には出来ない。本来なら、それさえも乗り越えて、伝えるべき言葉を手繰り寄せるべきなのでしょうが、どれだけ頑張っても、言葉が見つかりません・・・自分にとっては「2年」と言う時間、震災からは3年・・・それが如何に儚い時間、お住まいの方々にとれば、待ち望んでも届かぬ、諦念にも至らんかとする思いを必死で持ちこたえ続けた時間だったのでしょうか・・・


 そんな中でも、無情に響くシャッター音。


 若しかしたら、善意で自分のブログに掲載される為、ルポライター気取りで撮影されているのかも知れないが、それは「乗合バス」でする事っちゃなかろ。お住まいの方々も御乗車されてる。その方々にしてみれば、そのシャッター音一つが、銃発音に匹敵する残酷な音だと思われないか?

 写真撮りたきゃ、貸し切りバスか、タクシーでも乗って撮れよ。それが、未だ更地状態で放置されている自分の故郷に、仮設住宅でお住まいになられている方々への「気配り」「マナー」ってもんじゃないんか?

 

 シャッター切ってる輩がどういう気持ちか、問い質す積りは一切無し。口火を切った途端、口論間違いない。自分は、只、黙祷。鎮霊の念を捧げる事に専念・・・


 そんな鎮魂のバスも、釜石へ。


 予定より早く着いたので、先ずは「八雲神社」へ御参拝。戻ってくれば、駅前の店も開店する時間になるだろう。


 ・・・思ってた以上に遠い。「あれ?通り過ぎちゃったかな?」と地図と睨めっこしながら歩みを進めていれば、無事発見。いやいや、自分の足の感覚、鈍ってないよ。大体の距離感なら足が知っている(なのに名古屋では、どうしてあぁだったんだろうねぇ(苦藁)。


 このお社様も結構な階段の上。今回は荷物持っての御参拝だから可也の疲労追加。御参拝して・・・あ、下の社務所の御神職様、車に乗ってどっか行っちゃった。代わりに社殿に別の神職様がお入りになり、なにやらされてる御様子。

 お忙しそうですが、折角御参拝させて頂いたのですから、遠慮がちに、

「申し訳ありません。御朱印を頂戴させて頂きたいのですが・・・」

「すみません。これから朝の祈祷ですので」

「そうですか・・・どの位、時間かかられますか?宜しければ待たせて頂いても・・・」

「二時間位かかりますよ」

愛想全く無しorz。「それなら、折角御参拝させて頂いたんだし、祝詞をあげられる前に、御朱印一筆の時間割いて下さいよぉ」ってな気持ちもありましたが、儀式ならば止むを得ず。

 下の社務所も物置状態で、人居ないし・・・


 残念、釜石では御朱印を拝受出来ませんでしたorz。


 のんびり駅に戻って行く、道すがら。汽笛の音。そう言えば、駅にSLが停まっていた。出発の時刻か、と線路沿いの道へ。でも何処で出来わすか分からないので、あっちゃうろうろ、こっちゃうろうろしている内に、家の間から「SLぎんが鉄道」の蒸気機関車の御勇姿拝見。

 蒸気を迸らせて走り抜けていく御姿は、矢張り格好良い。郷愁をソソってくれる。

 もう少し歩みを進めていたら、踏切があって、絶好の観賞ポイントだったのだがorz。それはそれで仕方なし。御姿拝見出来ただけ満足。


 しっかし、今回の旅、桜は見事に的中したし、三陸鉄道ではお披露目車両に乗車出来たし、SLぎんが鉄道の御姿も拝見出来た。天気も初日、やや夕暮れ頃から陰って、小雨が降った程度、それ以降は天候に恵まれた。なんて素晴らしい旅程だったんだろう。本当に満足。各々の地域で御参拝させて頂いたお社様のご加護も、きっとあっての事でしょう、感謝仕切。


 釜石駅に戻る道中、中村屋に寄って「海宝漬」を購入しようと考えてたのだが、11:45過ぎ、もうとっくに開店時間だろう時間だし、上りもはためいてるんだけど、自動ドアが開かない。うんしょ、っとこじ開けようと(藁、力を入れてみても開きそうにない。

 日曜日、GW前半の掻き入れ時の筈なのになぁ・・・諦め、駅前「サン・フィッシュ釜石」へ。

「海宝漬」あるかなぁ、と店店を覗いていると、良かった、あった!これで釜石土産確保。「黄金海宝漬」の方を注文する。


 八雲神社への行って来いが思っていた以上の疲労になったのと、大槌町を見て仕舞った手前、釜石で再び痛悲しい景色を見るのに心が耐え切れず、予定では釜石で昼食だったのだが、丁度列車が花巻に向けて発車する時刻。「金落とすのも中途半端・・・」心残りながら、釜石を後に。


 先程御参拝させて頂いた八雲神社。車窓から見える立地だったので「どれどれ、どれ位歩いたんやら」と確認するが見当たらない。「あれ?うっかり見過ごしたか」と一旦諦め、でももう一度、と車窓を眺めていると、漸く発見。想像以上の強行軍でした、疲れた訳だorz。


 釜石線は、宮沢賢治に因んで、各々の駅名に、エスペラント語で「別称」を付け、それに見合ったイラストの描かれた看板を立てている。こういう「一寸した企業努力」が観光客を呼び寄せ、地域の復興に繋がっていくんだ。


 花巻駅での乗り換え時間の間に、駅近辺何も無いのも前回の旅で承知、「このまま仙台入って呑み、始めたら空きっ腹に堪えるだろうし、かと言って仙台入って何か食したら、折角の仙台で皆と呑むのに、その前にお腹が整ってしまう」ってんで、駅そば。うん、所謂「駅そば」。それ以上でも以下でもない、「駅そば」らしい駅そば。天玉そば¥480。乗り換え時間も上手い具合に潰れ、適度に小腹も満たせたし、仙台では丁度位の塩梅になるだろう。


 乗り継いで、仙台駅。なんかやっと「都会に戻ってきたぁ!」って感慨ひとしお。


 今日の宿、「ユニゾンイン仙台」へ、っとその前に、コンビニで、「呑みの後の寝酒」用に金麦500ml×1本購入(藁。



 仙台の皆様方に「着いたよっ!」ってtelしても良かったんだろうけど、焦らしちゃ悪いし、折角時間あるんだから「呑み」に向けて体力を回復しておきたい。


 ぼへぇっとBS3chで「軍師官兵衛」視聴している。ふと絨毯に目を落とせば、血。あた~!今日も右足親指酷使しちゃったから、血が噴き出したか。でも、右足親指からの出血ならもう少し濁った血の筈なんだけど・・・足を見やってみれば、そういや、さっき、便所のドアの角に右足踵をぶつけてた。そんなに痛みを感じなかったから放っておいた、気にしてなかったけど絨毯血まみれ~!ティッシュで押さえても血ぃ止まんねぇ~!


 このまま呑みに突入したら、帰ってきた時にゃ靴下血まみれになってるわい。仕方なくフロントに連絡して絆創膏を貰う。

 しっかし、ホント、今回の旅路。最初から最後までトラブル続きorz。自分、そんなに日頃の行い、悪かったかなぁ・・・orz。


 絆創膏の内側で血は滲んでるが、恐らく大丈夫。

 身支度整えて、とっときのジーンズ履いて(藁。仙台駅へ出発!


 「2年」と言う時間を経て、仙台な方々との再会。笑ってくれるかな?笑顔でいてくれているかな?笑って欲しいな!


 うぅおっしゃぁ!グラサンの下からなんではっきり見えないけれども笑顔の様子は窺える。このジーンズセレクト、間違い無かった!


 もうそっから「呑み」の場所「蔵の庄」迄も与太話炸裂、ってか自分がべしゃりまくってただけ(汗?


 予約時間より少々「蔵の庄」に着いたのだが、流石えいぢ様推薦の居酒屋。GWだけど、明日は谷間の平日だってぇのに満席且予約席ですら後片付けで少々お待たせ状態。


 漸く、乾杯っ!付き出しの「雪下(で良かったでしたっけ?えいぢ様)人参」の天麩羅、柔らかくて甘ぇ!野菜を付き出し、って事自体凄いし、味噌と絡めて食べても絶品。こりゃ混む店ですよ、えいぢ様。とてもじゃないが「駅前居酒屋」のレベルじゃないっす(脱帽!


 プチ愛宴と呼ぶのも烏滸がましい、えいぢ様と長官、自分のこぢんまりとした呑みの席。

 でも、「楽しい時間、ってあっと言う間に過ぎちゃう」ね。


 何をくっ喋っていたのやら、何を呑み食いしていたのやら、覚えているけどそんな事以上に、再会出来た事、そしてこうして笑い合って飲み明かしているのが何よりの肴。もう文字通り「あっ」っちゅう間に気が付けば22:00。2時間近く歓談してたわ。


 長官さんは翌日仕事、えいぢ様は年休取って貰って明日付き合って頂く。


 名残惜しいが、名残は尽きないが、此処いらで「仙台プチ愛宴」も終了。


 宿への帰路、「喜んでくれたかな?楽しんでくれたかな・・・日頃の疲れを一時でも忘れてくれる時間になったかな・・・それと、長官に押し付けた『お守り』、迷惑にならなかったらええな・・・『かっちょええオヤヂ』を演じ切れた、かな?」なんて名残の余韻を楽しみつつ・・・


 結構「蔵の庄」でも呑んだけど、しっかり、金麦もバクダンで呑んで(藁・・・明日が塩竈、旅の最終目的地・・・zzz。



 はぁ、「書く」ってのも疲れるもんです。二日お休み頂いたけど、今日は此処までで精一杯。思った程文字数も伸びてないのにこんだけ疲れが残ってる、ってぇのはもうおいちゃんも齢だわ(藁。


 名残は尽きませんが、毎度の長駄文(今日は少し短め)、お付き合い有難う御座いました(__)。



・・・一寸、子供じみた文章だが、そのまま記す。東日本大震災の鎮魂も込めて。

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