テスト戦争
私は今、敵と戦っている。
「ふっ、俺が倒せるかな?」
「貴様らのような雑魚など、一瞬で消し去ってくれるわ!」
シャーペンを持ってテストという名前の敵に攻撃を仕掛ける。
まずは、「クラス、番号、氏名」である。
一見簡単そうだが、舐めてかかると・・・・・・
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛! 自分の名前が漢字で書けない!」
こうなってしまう。
序盤でつまづいてしまえば最後。戦意喪失だ。
「くっ、雑魚相手に10分も使ってしまった・・・・・・」
シャーペンを握りしめ、既に消ゴムによって少しシワができているテストを睨む。
50分の内、10分も使ったのだ。にもかかわらず、漢字は出てこなかった。そこで私が投下したのは、必殺技である「ひらがな」だ。
「くっ、こんな場所でひらがなを使うとは・・・今回は最悪の戦いが始まりそうだ」
そう呟いた私は問題用紙をめくる。
「国語」と書かれた文字が目に入る。
「ふっ、簡単だな。だって私、日本人だし。行ける。勝ったな」
「どうかな?」
余裕の笑みを浮かべる私に対して国語はにやりと笑った。
「さあ、戦争の始まりだ」
その声を合図として私はプリントをめくった。
どうやら、問題用紙は2枚らしい。
時計を見れば残り時間35分。まあ、このくらいあれば大丈夫だろう。
「第1問。てーでんっ。ー①において、主人公の気持ちや考え方を表した一文の最初の五文字を抜き出しなさい」
「なるほど。現代文か。任せておけ。ライトノベルで培われた、この私の力を!」
ー2分後ー
「・・・・・・時間ないし、後にしよう。」
「第2問。娘が、ー③の様に考えた理由を簡潔に書きなさい」
「簡単だな」
ー5分後ー
「ふ、後で片付けてやるよ」
時間が迫っている。
まだ半分も進んでいないのに、残り時間は後15分だ。
「ちっ、古文にするか」
「第1問。次の文を、現代語訳にしなさい。」
「・・・・・・おい、どうやんだよ!? どうすんだよぉお!?」
「川原うるさい。ちょっと生徒指導室行こうか?」
「え、ちょ、」
「来い。」
今回も、私はテストに惨敗だ。
どうやったら、勝てるのだろうか。
あいつに勝つまで、私の青春は終わらない。
「3回も高1やって焦るのはわかるけど、テスト中だろ? でかい独り言はやめろよー」
「はい、すいませんでした。」
私の、青春は終わらない。
「こんな青春、いらない!」
「川原? 反省してる? 発狂しないで?」
「すいませんでした」
end
次回!
「あ、後は、、、たのん、、、、だ、数1・・・・・・」
「す、数A! 数Aー!」
数A、死す。
テストが返ってきたので、思いついた話です。
数学以外爆死しました。川原よりひどい結果です。( ˙-˙ )