7回転目
女が出て行った後、落ち着いて水を飲む。何か一週回って頭が落ち着いてきた。
まず殺人……多分考えても仕方ない。
ある意味極限状態だったんだ、殺されそうになってた。
何も情報が無く、殺されると本気で思った。だから…………。
それに男の娘……本当に居たかなんて分からない。
だから……俺は悪く無い。
何も考えたく無い俺は用意された水とゼリーを飲み干してベットに横になった。
時間になったのだろう、部屋に女が黒スーツの男と共に入ってきた。
「あら、起きてたの。てっきりメソメソと泣いていると思ったのだけど」
「………」
「じゃあ前回と一緒よ、シャワーを浴びてからコレに着替えて来なさい」
それだけ言うと女は早々に出て行った。
ベットから出て服を取ると男が無言でドアから出る。それに続けて俺も出る。
むき出しのパイプがいくつも走るコンクリートの廊下を男に着いていく。
「なあ、アンタも拉致られた口か?」
「…………」
だんまりか。前回と一緒って……この辺りも前回と一緒か?
気が重いな。
シャワーを浴びて着替える。前回と同じ服。
着いた先はプールだった。
今回も女と作業員が数名、そして上半身に又、シールの様なセンサーを付けられる。
「さて、今回はこのプールの中でやりあって貰うわ。勿論どちらかが死ぬまでね」
プールの中には膝下位までの水が張られている。
周りを見て道具はあるか探してみるが、どうやら今回は無さそうだ。
「戦うのは貴方を案内した男、これは前回と同じね。今回違うのはフィールド。水の中でどれだけ対応出来るか見せて頂戴」
「またコイツにも病弱な娘が居るのか?」
「さあ、知らないわよ。貴方がきっちり殺したら教えてあげるわ」