25回転目
どれ位で目が覚めたんだろうか。
すっかり身体が冷えて上手く動かせない四肢をどうにか動かし立ち上がった。
入り口の方を見ると朝日が差し込んでおり、鳥の鳴き声と風に揺れる草木の音だけが聞こえる。
悪態をつきながら床を蹴ると床に血が広がってる事に気がついた。
改めて自分の体を見れば俺の両腕にべっとりと付いた血の後。それに腕に有った機械部品が無くなってる。もしかして抉り取った後か?
それにしては腕に怪我なんかが無いのが気になるが……。
何がどうなってるか分からないが取りあえずキャシーを助けねぇと。
ショットガンを拾い上げ、ジャケットに袖を通す。
棚に収められているパルスライフルを取り出し、壁にかけられているホバーバイクの鍵を取って車庫へ。
ここにあるどれもがキャシーの親が集め、修理して使えるようにしたものばかりだと聞いてる。
暫く泊めて貰った恩もあれば生き方を教えてくれもした。
アイツ等と何処までやれるかは分からんがこのままキャシーを頬っておけば禄でも無い事になるのは間違いない。
「待ってろキャシー、直ぐに助けてやる」
バイクのエンジンを起動させてアクセルを吹かす。
まずは俺が目を覚ました場所、あの亀の居る湖まで行こう。
一度歩いた道という事もあり、バイクという乗り物のお陰もあって半日もせずに湖までは来れた。
問題は俺がどこから湖に落ちたのかが分からないという事。
何せあの時はフラフラしていて殆ど覚えてない。
ただ湖に落ちるときに岩に当たったって事は湖に面した場所か、それともその近くって可能性が高いのでバイクを湖沿いに走らせる。
バイクを走らせ日も暮れ始めた頃、漸く手がかりらしい場所を見つける。
その外観は一見ただの岩場に見えるが、色々と回り込んでみれば人の手が入っているのが直ぐにわかる。
色々歩き回って自分が湖に落ちた場所を見つけた。
一旦此処から入って中に入れる場所を探す。
入って一番最初に分かるのは、此処が廃棄されるモノを捨てる場所だと言う事。
穴を進み目が慣れる頃、そこにはアチコチに大量の人の死体があった。
そしてその死体には共通点があった。
一つは殆どが男だと言う事。
二つ目は人以外、例えば熊だったり、虎だったり、トカゲだったりといった別種の特長を持っているという事。
三つ目はその死体の男性は特に、俺と顔が似ているという事。
まるで自分が死体で、実はゾンビになっている様な錯覚に陥る。
胃からこみ上げるモノを我慢しながら先へと進む。
キャシーを助けないと、他の事を考えずそれだけを思い浮かべながら歩みを進める。




