2回転目
俺の名前は本山春樹、地元の自動車の製造会社に勤めるサラリーマン。
昼休憩に行こうとして上司から呼び出しを受けたと思ったら、客が来てると会議室に行けばスーツを来た女が居た。
「えーっと……、初めまして……で良いですよね?」
「ええ、本山春樹さんですよね?どうぞおかけ下さい」
はぁ、と言って対面の席へ座る。呼び出された理由も知らされて無いし、この女も見覚えが無い。何言われるんだろ。
「本山さん、こちらの書類に目を通して頂けますか。それとこちらのアンケートに記入をお願いします」
自己紹介も無しかい……取りあえず渡された書類をざっと目を通す。
この会話に関して守秘義務が発生するとかそんな内容だった。
ぶっちゃけ腹が減ってるからさっさと終わらせてしまいたいという思いでアンケートの記入に取り掛かる。
「えーっと……何だコレ?」
アンケートに書かれている内容が馬鹿らしい。
「何です?この『悪の組織に興味はありますか?』って質問」
「そのままの意味ですが?」
女が何を言ってるんだって顔しながら返答してくる。俺か?俺がおかしいのか?
何となく押し問答になりそうだったので『興味がない』の欄にチェックを付ける。
すると女が
「え、興味無いんですか?」
と、驚いた顔で言ってきた。
無ーよ、むしろ何故有ると思ってるんだよ。そんな中二ちっくなモンに興味湧くような年じゃないっつーの。
それにしても腹減った。
何でこんな訳が分からんモノに律儀に回答してるんだろ、今日の昼は良い物食わねーとやってられんな。
それから10分程でアンケートの記入が終わったので女に渡す。アンケートをまじまじと見てる女を他所に俺はペットボトルのお茶を口にする。
暫く女が何やらノートPCで何かしてた。多分外部とチャットワークでもしてるんだろう。
昼に何を食うか考えながらそれを眺めていると、唐突に女が会議の終了を言ってきた。
「ご協力ありがとうございました」
唐突に呼び出され、良く分からん会議はこうして終わった。
取りあえず昼は豪華に海老天うどんの海老2本追加の大盛りを食べた。