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闇のうた

作者: 秋葉竹




心を泳ぐ魚が

とても穏やかな日は

暖かくて誰にでも優しくできるよ


いつも見向きもしない

知らない家のまえに置いてある

鉢植えの花にだって

綺麗だねって心で声をかけたりする


裏通りの石畳を歩く靴音も

なんだか元気っぽく聴こえるぞ


たそがれどきに漂う

ちいさな優しさがほおを撫ぜてくれる

みあげれば高い空に一番星がキラッて


砂にまみれて汚れた自転車が

これだけ使ってくれれば僕も本望です

って云ってるのを心の耳で聴く


夕陽がまるで潮が引くように引いてゆく

そしたら大好きな闇がベールを掛けてくれる

この街にもこの世界にも


カラスは鳴きながら近くの山へ帰る

そして渓谷の清流を飲んで

スヤスヤと安らかに眠り明日に備えるんだ

 

数分後訪う夜の底に似合う黒猫

驚くほど柔らかい濡れたような毛なみ

その黄色い目はキラリと光り

今夜をどうして遊び尽くしてやろうかって

挑むような笑顔で音も立てずに歩く姿


手を伸ばせば幸せが

幸せがすぐそこに手が届く距離に在る


心の海を泳ぐ魚が

心の底をとてもゆったりと泳ぐ夜は

なにもかも愛せる

なにもかも忘れられる

生きている罪のことなんて

はるか遠くに置きっぱなしにできる

そんな夜だから

とても嫌いだ

 

 



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