俺たちは何を伝えたかったんだ?
ヒーローの主人公とヒロインになりたかった。俺たちの夢は、いつまでも輝いていると想ってた。俳優と女優を目指していた俺たちは、この歳まで願っていたのは、世界の皆に俺たちの思いを伝えたかったんだ。
夢こがれ行く日々も努力を重ねて歩み続けた。
正しいか正しくないかは、世間には賛否があると想うが、俺たちは中年になっても夢を追い求めた。
掴みたかったんだ。若かりし頃の憧れた大きな夢をこの手で。
掴みたい夢に、触れることなく遠ざかり過ぎて行くのに見ぬふりをしてヒーローショーでヒーローをやっていた。
屋台で愚痴るこの日々を終わらせたかった。
『この世界事態が、もがき苦しんでも息ができない、でかい水槽なのさ。それでも、大量の水を飲み込んでも、光りある外へ出たいもんだな。水槽から出られる出られないという話じゃなくとも、夢は誰だって叶えられるもんだと、言葉に出来るような、幸せが欲しかった。この言葉すらも自身を呪う呪いに変わる』
『何かを得るには時間をかけて努力し何かを犠牲にする。何かを得ても何かをかけて維持していくんだ。安くはない。てめえが手に入れたものは何も懸けていなければ消えてなくなるのみ』
『焦ってがむしゃらに努力するよりも、運命を待つよりも、ときの流れに身を任せて歩んでいけばいい。願望成就は運命に預けられているから焦ったってしゃーないんだ。叶ったら叶ったでラッキー程度でいいんだよ。未来を追いかけたって運命が答えてくれるわけではなく、焦らずにときの流れに身を任せて、歩んでいくことが心の負担のない努力なんだよ』