計画実行の時
ーー翌朝、庭師の格好で蓮はひなたの元に現れた。
「おはようございます、お嬢様。今日は特別な1日になりそうですね 」
そう言いながら彼はにこやかな視線を向ける
いつもと変わらない彼の菅にほっとするひなた。
「おはよう連!今日は彼がきてくれるから私もドキドキしてるの」
「素晴らしい日になりそうですね 。では、私は花壇を整えてまいります。」
一礼し庭に向かう蓮。
「お嬢様の幸せが一番……でも、その後はどうかな..楽しみだ」
ーー14時。ひなたの恋人が現れた。
蓮はいつもの笑顔で丁寧に頭を下げる。
「ようこそいらっしゃいました。高梨ひなた様の執事、大島蓮でございます。さあ、お手伝いさせていただきます。
「一心大丈夫よ!そんな気を使わなくても」
「いいえ、これが仕事ですから」
ニッコリ笑いながらさりげなく近寄る蓮。
「ご案内させていただきます(小声で)さあ、ゲームの始まりだ!」
笑顔は崩さず2人をエスコートする蓮
「こちらの庭園はいかがでしょうか?綺麗な景色ですね」
蓮がそう告げると綺麗だねっと2人が楽しそうにはしゃぐ。
それを見た蓮は微かに眉をひそめた。
「ええ、本当に美しい場所ですね。お二人の未来もこのような素晴らしいものになりますよ、きっと」
「蓮!ありがとうっ」
そんな蓮に満面の笑みでそう答えた
「いえいえ、当然のことです」
そういう蓮は怪しく笑う。
(その笑顔、今だけのものだ。永遠に続くことはないよ)