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いきなり破壊した日常

子鳥のさえずり、朝日が差し込む部屋の中、トントンと誰かのドアを叩くノック音がする。


「おはようございます お嬢様」


丁寧にお辞儀をし、部屋に入ってきたのは執事の大島蓮だ。


「朝食が出来上がりました。冷めないうちにお召し上がりください」


にっこりと笑いかける彼。


「えぇ、頂くわ」


そういう彼は一礼し、私の寝室を後にする。


今日は私にとって大切な日だ。

私は簡単に着替えて、リビングに向かった。


「おはようございます、お嬢様。」


「えぇ。おはよう。蓮」


「今日はトーストにいたしました」


「ふふ、ありがとう。」


私はトーストを口に運んだ。

なにも変わらない 日常。

でも私の心は僅かに揺れ動く。


「お嬢様、いつもよりとても嬉しそうですね。何かありましたか?宜しければお聞かせください。」


私は少し恥ずかしがりながらも 連にその理由を話した。


「実はね…最近 彼氏ができたの…」


「!?……」


蓮は一瞬目を丸くする


「今日は彼とデートしようって約束してるんだ!」


そういうと蓮は直ぐにいつもの笑顔に戻った。

「左様でございますか良き一日となりますよ。私もお祈り申し上げます」


「そこでね、連にお洋服を選んで欲しいの!ほら、、連の方がセンスあるじゃない?」


「もちろん、喜んでお手伝いさせていただきます。どんな服がよろしいでしょうか?」


「うーん、やっぱり可愛く見せたいかな?男性受けするファッションにしてほしいわ」


承知しました。といった彼がクローゼットへ向かい私もその後に続く。蓮がクローゼットを開けて服を何着か取り出した。


「こちらのワンピースなどいかがでしょう?お嬢様の魅力が最大限に発揮されるはずです」


彼の声が心無しに震えて聞こえる。


彼はファッションセンスも抜群で私は大喜びした。


「いいわ!これだったら 彼も喜んでくれるかしら?」


「間違いなく喜んでいただけるはずです」

ニッコリしながら私を鏡の前に立たせる蓮。

「ほら、こんなに素敵ですよ」


「わぁー!ありがとう!!蓮!助かるわ!」


私は時計を見る。

「あ、そろそろ行かないと!いってくるねー」


「いってらっしゃいませ、お嬢様」


ドアまで見送った彼はドアが閉める瞬間、拳を握りしめ呟く。


「なぜ私じゃないんだろう...。」

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