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ゲームテスター

作者: hatohato

人を殺すゲームは好きですか Yes

現実世界で人を殺したいですか No

仮想空間で人を殺したいですか Yes

2024年冬、ニュースで宇露戦線の話題を見なくなった。

アメリカ大統領選、米、フジテレビ、裏金、いつも他責思考のメディア達に日本国民の感情は左右される。

そんな社会から僕はコロナ過を期に離れながら暮らしていた。

別に引きこもっているわけでは無い

ちゃんと稼いではいる

このパソコン一台で。


昔からゲームが好きだった、初めて触ったのは何時だろうか

でも好きなだけで別に上手では無かった。スライムを連鎖させるのとか日本各地を電車で金儲けするのとかは別に上手では無かった

得意なのはFPSだけだった。

中学生の頃にハマりだし、一日3時間ぐらいはしていた

実際に銃に触ったことは無い、けれども僕はなぜか上手だった

家に帰るとワークの答えを写し、パソコンに向かった。

寒い部屋の中で鳴るファンの音が気持ちよかった。


学校でのゲームの話題は相手をぶっ飛ばすゲームとか島を借金背負って開拓するゲームとか

らしいので、僕のFPSについては6年間語って来なかった。


朝、家の前の雪をすかした後にゲームを始めた。

今年で高校を卒業する。

別に恋愛も部活も勉強も何にもしてこなかった

親が中高一貫校に受験をさしてくれたので、高校はノー勉で行けたのが唯一の救いだった。

軽音楽部の幽霊部員として3年間を過ごした

学校には何も残していない


4月からは東京のFPS専門学校に行きFPSを極める。

いつか世界大会で優勝するのが僕の夢だ。


3年後…


僕は夢を失った。

世界大会で優勝してしまった。

目標を達成した時にはもう得られる快感は無くなった。

これかはどうしようか

みんな僕を見ている。だけど僕はもう

舞台上から降りた。


スマホが鳴る

知らない電話番号だ。

詐欺電話?と内心思いつつボタンを押した。

「はい、樫本ですけど、何か御用でしょうか」

数秒間の沈黙

「あぁすいません、私、New PlaysのFPSを開発担当の大山と言います。029さんで間違いないですか?」

「New Plays」とは僕が世界大会で優勝したゲームを作った会社ということなら知っているがなんだインタビューかなんかか?029とは僕のペンネームだ

大山はハキハキと喋る男だった。

「早速で大変恐縮ではございますが、我が社の最新作FPSのゲームテスターをしてみませんか?」

「すいません、ゲームテスターって何ですか?」

「あぁゲームテスターっていうのは新しいゲームがちゃんと動作するかなどを調べてもらう職業なんですけど、是非世界大会での優勝経験を持つ029さんをと」

「失礼ですけどそれって、お金は出ますか?」

「もちろん、029さんの場合は我が社は喉から手が出るほど欲しい存在ですからね」

「すいません、具体的な金額は~」

「まぁざっと1000万ぐらいで正社員でどうでしょうか」

世界大会を優勝して得られるのと同じ金額だ

「おぉ、わかりました。」

「それじゃぁ…」

後日、大山と会い正式にNew Playsの社員になった。

詳しいことは何一つわからなかったからほとんど大山に手続きを任せた。


一週間後


New Plays最新作のゲーム「Grenade kamikaze」の説明を大山から受けた。

このゲームはカミカゼドローンを操り敵を倒していくゲームらしく映像がとても現実味がある風景になっていると聞いた。

チュートリアルはとても簡単で、爆弾を積んだドローンで装甲車に体当たりをするだけだったがそれだけで、映像と音がまるで本当のようにいやこれは現実じゃないかと思うほどに作りこまれていることがわかる。

基本的に自分がプレイをする機体で相手の塹壕や戦車などを破壊しに行くだけだったが、何故か破壊するたびに相手の断末魔が聞こえることがある。何語かはわからないが「助けてくれ」と言っているように感じる。

三週間一度も家に帰らずに会社で寝て食べ、用を足すようになった。

やり始めてから22日大山に声を掛けられ、二人だけで会議室に入った。

「どうだ、Grenade kamikazeは、」

「とても楽しいんですけど、大丈夫なんですか?」

「大丈夫ってなんだ?」

「いや、別に何もゲームテスターっぽいことしてないじゃないですかこれってホントにゲームテスターのやることなんですか?」

「大丈夫だ、君にはゲームをしてもらうだけでいいよ、何か感想とかあったら教えて」

「あの、少しリアルすぎません?僕自身やってて敵の死ぬ声とかを結構聴いてたんですけど、なんかこれって本当にゲームって思うぐらいのグロい映像とかもかなり本格的なのがとてもいいと思います。」

大山がニヤリと笑う

「そうか、とっても嬉しいよ、でも君は働きすぎだ。少し休まないか」

「いえ、あれは楽しいので何時間でもできますよ。」

「それじゃぁ君は、あのゲームをここでずっとしてて、それだけでお金は入る。」

「いや、でも」

「カチャ」

大山の右手には拳銃があった。

僕はすかさず手を挙げた。

すると大山の後ろのドアが開き屈強な男たちに僕は囲まれどこかに連れていかれた。

僕は敵を殺した。

でもこれは僕のせいか?

僕はただパソコンで遊んだだけなのに



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