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大根(男)×果竪

一富士二鷹三茄子


昔からのことわざで、夢に見るものの中でめでたいものの順番を指すことばである。とくにお正月の初夢でこれらを見ると大変縁起が良いといわれてきた。



しかし、果竪の場合はというと



一富士二鷹三大根



一、二はともかくとして、三は大根だった。



そう、夢に出てきた大根はそれは素晴らしく、果竪に夢のような時間を与えてくれた(夢だけど)。


おかげで、目覚めるのが嫌で昼まで寝過ごしてしまった。



「はぁ……もっと見てたかった」



幸せというものは長くは続かない。

そんな事を思いながら布団から出ようとした果竪は、ふと隣に気配を感じた。


ハッと布団をはいでみて驚いた。



「こ、これはっ」



そこには、小さな少年が眠っていた。



「え?え?え?!」



驚いている間に、少年が目覚める。

見たところ、5,6歳。

白い髪に緑色の瞳をした可愛らしい子供だった。



「え~~と」



一体この子は誰だろう?



「かじゅ」


「え?」

「ことしもよろしくね」


そう言うと、少年は見ている者も幸せになるような満面の笑みを浮かべた。



「えっと……今年も宜しく」


呆然と呟くと、少年が果竪へと手を差し出した。


「あくしゅ」

「あ、うん」


小さな小さな手を握りしめる。


「かじゅ」


「ん?」


「いつもまもってくれてありがとう」

「え?」

「だから、こんどはぼくたちがまもってあげる」

「守る?」



少年がにこっとわらう。



「ぼくたちも、かじゅがだいすきだよ」



そして果竪は目覚めた。



「……今の夢?」


そうしてごろりと横を向いた時だった。

窓辺に小さな大根がある。


他の大根とは違い、あまり大きく育たなかった大根。

心配して、プランターへと植え直して様子を見ていた。



ふと、その大根にあの少年の姿が被る。



「……まさかね」




次は3位蓮璋&果竪です♪

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