表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/46

2-12

「もしかして、四ノ宮さんに恋人ができるのが、嫌? たしかに恋人ができたら、友達は二の次になることも多いけど……」


「っ……!」


 瞬間、ものすごい形相でにらみつけられる。おっと……図星だぞ。これは。


 しかし、昨日のような氷の冷笑でいけずを言うことなく、ただほんのり顔を赤くして、ふいっとそっぽを向いてしまう。

 土下座して謝る気満々だった僕は驚いて、まじまじとその横顔を見つめてしまった。


「錦、さん……? あのー……」


「……昨日といい、今日といい、地雷原に突っ込んでいく趣味でもありますの?」


「……ツッコミがストレートすぎないか?」


 たしかに、昨日からお姫さまの地雷を踏みっぱなしだけど。


 いけずが言えないぐらい、動揺するなよ。


 っていうか、地雷ってことは、当たってるんじゃないか。え? なにそれ。可愛いとこあるじゃん。


「大事なんだ?」


「あの子は、世間知らずなんよ……! 純粋で、素直で、うちみたいにすれてへんから、人のことすぐ信じよる。騙されやすいんよ。ほんま、危なっかしいて……」


 錦さんが顔を歪めたまま、苛立たしげに言う。――いや、答えになってないから。


 でも、それだけで充分だった。どんな言葉を尽くすよりも、伝わってきた。錦さんは、友達のことがとても好きで、とても大事にしているんだってことが。


「そういうことが、今までにも?」


「……『遊ぶ』ために近寄ってきたのが、何人かおったわ。幸い、大きな傷になることはあれへんかったけどな。その前に、うちが撃退したったから」


「……何をしたんだ……」


 怖っ……。


「ま、まぁ、長瀬さんのほうは、まだほんのり意識したって程度だと思うけど、でもあの感じなら、遊びで付き合うってことはないと思うから、安心していいと思うよ。長瀬さん、四ノ宮さんに本気で感謝してたから……」


「何言うてるの? 本気やったら、もっと嫌やわ! そっちは邪魔できひんやないの!」


 あ、真剣交際だったら、邪魔する気はないわけね。いいヤツじゃん。


 思わず、声を立てて笑ってしまう。

 そんな僕をにらみつけて、錦さんは噛みつかんばかりに言った。


「ほんまに余計なことしてくれて! 千瀬ちゃんに近づく虫が増えたやないの!」


 ――もしかして、僕や一陽さんも、その『虫』に含まれてるんですかね?

   



   

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ