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空腹の巣

作者: 道草 和音

睡眠欲求とか食欲とか性欲とか承認欲求とか生存欲求とか色々。

 例えばさ、倒れてしまいそうなほどお腹が空いた時、目の前にとっても良い匂いのするソース焼きそばが置いてあったとする。もちろん家の外の野外のおいてあるわけではなくて、家の中で家族か誰かが食べようと思って作ったけれど、ちょっと席を立っていなくなっとしよう。

その時君は、ひとくちそのソース焼きそばを頬張るかい?

 家族のものであっても自分のものではない。勝手に食べたとしても、そんなに怒られはしないだろう。でもひとくち食べてみたら止まらなくなってしまった。少しの時間でペロリと食べきってしまうかもしれない。

どうだい? 想像できるかな。


 うん、例え話だって最初に言ったろう? 君の渇望がもし空腹ではなく誰かに優しくされたい。だとしたら、君が男だったら女性に、女だったら男性に優しくされたいと思うのだろうか。話はややこしいよりも分かりやすい方が良い。まぁ同性だってかまわないんだけれどね。

 もしそれが、ボタンひとつ、いやそれよりも抵抗はないね、タッチするだけで得られうるものだとしたら、その対価はなんだろうね。


 はははっ。笑ったら怒るだろうか。ふははっ! 愉快だね。疑似的でもそれで満足できて、それでなんとか生きることにしがみついてる。

 滑稽だろうか。


 うん、私はそうかもしれない。

睡眠欲求とか食欲とか性欲とか承認欲求とか生存欲求とか諸々。それが良い。

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