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蘇生転生3
「さて、死んだということはあの魔法が起動しているはず…」
俺は生前、パーティメンバーの1人に死者蘇生魔術のやり方を聞いていた。
それは理論は出来ているが、どうにもまだ世の中にはない物質だったり、人間には到底無理なことをしているものだった。
だが俺はその話を聞いて遠い未来、死者蘇生魔術が実際にできるかもと思ったのだ。
そして俺は考えた。考えて、実行に移した。
俺はその死者蘇生魔術に自分の魔法を組み込んだ。それは、死者蘇生魔術により蘇った人間は例外なく、自分には危害を加えられない魔法だ。
それは死者蘇生魔術を生み出したあいつにも相談済みだ。俺と、あいつには死者蘇生魔術で甦った人間は危害を加えられない。
俺たちはその魔法を死者蘇生魔術の術式に上手く組み込ませることに成功した。
「ははっ。起動してやがるぜ」
この魔法が本当に起動しているのかどうかを確かめるのは簡単だ。
俺も、俺自身に危害を加えられない。
俺は自殺に失敗していた。