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勇者転移・2
この世界に来て三年が経った。
会話の魔術を使いこの国の言語を話せるようになったからと言ってスムーズに馴染めるわけじゃなかった。
この国は至るところがおかしい。
まず魔物がいない!レベルが上がらない、マソも取り入れられない。新しいスキルは目に見えるものではなく、不確定なものを頼りにしているのだ。その便りのないもので人同士で争い始める。
この世界、地球というらしいがこの星に住む人間は愚かすぎる。
しかし、我らの世界がもし魔物がいなかったとしたらどうなっていただろうと考えたら、恐ろしい。この地球のようになっていたのかもしれない……
だがこの世界の技術は確かに面白い。
スキルや魔法に頼らずとも自動で人の手助けをする技術、なるほどこれはこちらの世界にしかないものだ。
食べ物やマナの循環は本当に最悪だが、この技術力だけは見習いたいところだ。ということはこの国の技術力を集えば元の世界に戻れるかもしれない。
知識の交換といこうじゃないか。