46話 水神王アニバルの話3
フィデルは狩りだから弓を持つのかと思っていたけれども、アニバルは急に立ち止まったよ。
「かかってないな。罠がこの辺りにある。どこに仕掛けたかわかるか?」
「罠?どこに?」
フィデルはキョロキョロして、エクトルは屈んで目をこらしたけど、わかんないよ。
アニバルは数歩進んで、地面の雪や落ち葉をどけるよ。するとバネ式の罠が置いてあったよ。獣が踏むと足を挟むタイプだね。
「罠の隣、足跡があるの見えるか?」
「うん。うっすらだけど」
「これはどういうこと?罠から逃げたの?」
エクトルが聞くと、違うとアニバルが言ったよ。
「足跡からして、シカだろう。俺の罠に気づいて避けたんだ」
「避けるの?」
フィデルが思わず大きな声を出すよ。しっと言われて慌てて口を手で覆ったよ。
「うまく隠しても、奴らは何かが違うと気づいて避けていく。俺の師匠は隠すのがうまかった。俺はまだまだ。魔法も習ったことがないから上手いのかもわからない。それでも俺の弟子になるのか?」
「この決意は変わらない」
「うん。俺も!」
フィデルはちょっとエクトルに便乗の気配があるね。アニバルはわかったといって歩き出すと、フィデルも片足を踏み出すとバンと大きな音がしたよ。
「痛い!」
「そこら辺に罠をしかけてあるから気をつけろ」
「言うの、遅いです…」
痛がるフィデルを振り返りもせず、アニバルはどんどん森の奥へ行くよ。
アニバルがまた立ち止まって身を急に屈めたよ。奥の方を指をさしたんだ。
「見えるか。あの茶色い毛の」
「あれクマ?」
自然とエクトルの声が小さくなるよ。
「違う。あれはクマみたいだが、歴とした魔物だ」
「魔物?俺ら逃げた方が」
フィデルも小声でいうよ。アニバルはどうしてか腰を屈めてゆっくりと近づいているよ。
「あれはクマよりも弱い。クマの姿をしているだけだ。俺はクマクマ詐欺と呼んでいる」
「何ですか。クマクマ詐欺って」
エクトルは緊張したのがアホらしくなったよ。アニバルは真顔を崩さないんだ。わざとなのかな?
「誰かがなんとかなんとか詐欺って言ったのが面白くて、俺が勝手につけた。正式名称は知らない。あいつらはクマのふりをして他の獣に襲われないようにしている。クマは魔物ではないが、小型の魔物より強い。魔物は魔法が使えるから魔物と呼ばれているが、あいつは魔法の使い方が地味でな」
近くにいくとクマークマーと鳴いているよ。
「クマって言ってる!クマだ」
「クマがクマって自分で言わないよ、フィデル。あれ?顔がクマっぽくない」
後ろ姿はクマみたいだけど、振り返った顔はちょっとサルっぽかったよ。
「だろう?一瞬クマに見える。でもクマではない。あの魔物かと近づいたら、本物のクマだったという事故が狩人の間で多いんだ。だから俺はクマクマ詐欺と呼んでいる」
「迷惑な魔物」
フィデルの感想は率直だね。
「本当に魔物なの?どんな魔法を使うの?」
「もう使っている。音の魔法だ。あの変な鳴き声は魔法を使ってだしているらしい」
「なにそれ、魔法の無駄遣い」
「残念な魔物」
「だが、肉はうまいぞ。魔物はへんな臭みがあるが、あいつはコクのある鶏肉のような味がする。仕留めるからここを動くなよ」
アニバルは身を屈めて音を立てないように近づくよ。
矢をつがえて狙いを定めると、どうしてか音を立てて立ち上がったよ。驚いたクマクマ詐欺はこちらを振り向いた瞬間に目を射抜いたんだ。痛くて暴れるクマクマ詐欺に次々に矢を撃ち込んで、短剣で心臓を一刺しして殺したよ。
「こいつの心臓あたりの毛が濃くて矢を弾いたり軌道をそらすことがある。目や顔は毛が少ない。そこが急所だ。剣で思いきり刺せば心臓を貫通できるが、暴れているうちは爪にひっかかれて危ない」
「魔法を使わないの?」
フィデルが聞いたよ。
「魔法は極力使うなというマエストロからの教えだ。狩人は魔法が使えない人も多い。使わない方法で狩りをする。使える人は何かあったときのために力を温存しておく。全力で仕留めたあとに、もしも氷の鳥が来たらどうする?奴らには矢は効かない。どんなに敵わない相手と出くわしても力を温存しているのとしていないのでは、気持ちも生き残れる可能性も違ってくるだろう?」
兵士の心得と似ているようで、ついてきた二人の兵士も頷いているよ。
「兵士は戦場で生きるか死ぬかの戦いをするが狩人も同じだ。生き物を狩る。相手も死にたくはない。全力で攻撃してくるときもある。全力でこちらが戦っても帰りを考えなくてはならない。帰りの体力がなくなると思ったら、あと一歩で仕留められると思っても引く。この辺りは兵士とは違うだろう。兵士は後ろに守るものがあるからな。
勝ち取ったとしても帰りがヘトヘトで魔物に出くわしたらせっかくとった獲物も自分の命も失いかねない。
魔物は特に血に呼び寄せられる。今も集まってくるだろう。狩ったあとはすぐにその場を離れること。二人ともあのクマクマ詐欺を運べ」
真面目な話をしているのにクマクマ詐欺って、少し間抜けだよね。
「運ぶの?」
エクトルとフィデルは顔を見合わせたよ。
「せっかく仕留めたのに森の生き物たちにくれてやるのか?今日の飯だぞ?あれがないと飯抜きだ」
「う…」
エクトルとフィデルは二人で担いだけれど、とても重かったよ。二人の倍以上の身長もあったからね。
「身の丈以上の獲物を狩るのはいいが、後の事を考えるが必要だ」
「…これマエストロが狩ったんじゃないか」
フィデルの文句は黙殺されたよ。
アニバルは今日の飯と言ったけど、この二人はいつ帰るのだろうかと思ったよ。
「お前ら学校あるんだろう?今日帰るならそれ食えないな」
「明日学校は休みだから、明日の昼に出れば大丈夫!」
フィデルはふーふー言いながらも元気に答えたよ。
「休みになったらまた来るよ。それではいけない?」
エクトルも息を切らしながらも頑張って話しているよ。
「普通マエストロが認めるまでつきっきりなんだけどな。お前らは狩人になるわけじゃない。俺の魔法の何を学びたいのかは分からないが、俺はただこの森にいるだけだ。勝手に来て勝手に覚えていけ」
「魔法を教えてくれないの?」
フィデルは話が違うと思ったみたいだね。
「さっき話したよな?俺は罠をはるにも半人前の狩人だ。魔法は教わったことがない。だから教えられない。それでもお前たちが俺のもとにいれば何かを盗めるから弟子入りしたいんだろう?
ここは安全な場所ではない。俺に何かあったときに生き延びられる方法は教えておく」
エクトルとフィデルの足は完全に止まってしまっていて、フィデルは頭の上にクエスチョンマークが出ていそうだよ。
「そういうことか。俺らのことを弟子扱いはしないということだね」
「半人前の俺がマエストロと呼ばれるのは気が引けるからな」
「それは狩人の腕の話でしょう?俺らはマエストロが魔法は一流だと思っている。だから学びたいと思っているんだ」
「なおさらお前らが決めろ。俺がマエストロだと名乗る資格があるか」
「いいね!それ面白そう!」
フィデルが食いついて、エクトルも面白いかもって思っていたよ。
「話はあとだ。先に運んで血抜きしないと肉が臭くなる」
「ぐぬぬ。手伝ってよ」
「これくらい運べなきゃ飯を一人で食っていけないぞ?」
エクトルは黙々と担いでいて、フィデルは文句ばかり並べていたよ。
一人だけ文句言っていてフィデルはだんだん寂しくなったんだ。
「エクトル。重くない?」
「重いけど運ばないとご飯食べられないし」
「俺ら貴族じゃん」
「お前嫌なら帰れよ」
「最近つれないよなぁー!」
フィデルの文句は小屋についた頃には荒い呼吸になっていたよ。
「そいつ解体すんぞ」
「俺らが?」
フィデルは座り込んでいるけど、エクトルは渡されたナイフを握って、アニバルが言う通りさばいていくよ。
「魔法いつ教えてくれるの?」
アニバルもエクトルも解体に集中していたから聞いてないよ。
「エクトルは腕がいいな」
半分ほど解体をするとアニバルが褒めたよ。エクトルは嬉しそうにしているから、フィデルはムッとなったよ。
「俺もやる!」
と意気込んだけれど、クマクマ詐欺と目が合うと尻込みしたよ。
「こいつもう死んでいるから動かないぜ」
「わ、分かってる!」
おっかなびっくりしながらナイフを入れるけど、全く斬れないよ。
「あれ?何で?」
「刃を寝かしすぎだ。もう少し立てろ」
フィデルも肉をなんとか斬れるようになったよ。
二人が持ってきた塩を振って焼いて、さあ夕御飯だ。
焼きたての肉を頬張り、二人は美味しさに感動していたよ。
「魔物ってこんなに美味しいの?」
「あつっ。焼きたてなんて食べたことない!運んだかいがある」
魔法の弟子入りしたのに何だか食育になっているね。
二人や兵士たちがクマクマ詐欺の肉に舌つづみを打っていると、アニバルは急に立ち上がったよ。
「マエストロ、どうしたの?」
エクトルもついてこようとするから、アニバルは食べてるように言うよ。
「用を足しにだ」
「マエストロ。食事中なんだけど」
フィデルがクレームつけてるけど、むしゃむしゃ食べてるよ。用をたしにいくのに短剣を持っていくから、エクトルは気になったよ。
「俺も~」
小声で言って、そろりとアニバルのあとをついていったんだ。辺りは薄暗くなっていて、焚き火の明かりが遠くなるとアニバルは振り返るよ。
「戻れよ」
「俺も用を足しに」
「そこでしとけ」
「マエストロはどこ行くの?」
アニバルは答えず辺りを見渡しながら、スルリと短剣を鞘から抜いたよ。
「エクトル。早く戻れ」
「え?」
カサカサと木が揺れて、アニバルの視線の先に影が動いたよ。生臭い風が吹いて、エクトルはせっかく美味しく食べたクマクマ詐欺を吐きそうになったよ。
「クマクマ詐欺の血を辿って来たみたいだな」
エクトルは口を手で覆ったまま、目を見開いて硬直していたよ。
カチカチと嫌な音を立てながら、カマキリのような形をした二メートルくらいの魔物が姿を現したんだ。カマキリの鎌が八本生えていて、後ろ足は闇に隠れて何本かわからないよ。昆虫ではないことは確かだね。
「水の神よ、我に力を貸したまえ。水の礫よ、敵を滅ぼせ!」
アニバルの周りに拳ほどの水がたくさ浮かんだよ。発射したけれど、カマキリの魔物は器用に水を切ってしまって中らなかったんだ。
「やるな!」
アニバルは四方から水を発射させて魔物を撹乱させたよ。素早く横の足を一本切り落とすと距離をとったよ。魔物はアニバルに鎌を一斉に振り下ろしたんだ。アニバルは後ろに飛んで、木に隠れると鎌が突き刺さったよ。
「ガチガチガチガチ」
魔物は悔しいのか口をしきりに動かしているよ。木に刺さった鎌を抜かず逆に押してきたんだ。この行動にアニバルは想定外だったみたいだね。
「おいおい。それだと抜け…」
木がミシミシいうから、アニバルは横へ逃げたよ。木が折れてドーンと音を立てて倒れたんだ。
鎌が抜けると魔物は上を向いたんだ。エクトルは今だと思ったけれど、アニバルは後ろへ逃げていくよ。
「マエストロ?」
魔物は頭を振り下ろすとペペペペッと何かを飛ばしたんだ。被弾した木の幹や草はドロリと溶けて、とてつもない悪臭が漂っているよ。
アニバルは魔物の動きに注意しながら、劇物粘液に魔法をかけたんだ。粘液はふわりと浮かぶよ。
「森を荒らすなよ。カマキリ」
足がメチャメチャあるし、サイズ感はカマキリではないけどね。
粘液爆弾が被弾した魔物の身体が溶けていくよ。
「苦しいよな。楽にしてやる」
アニバルは魔物の首元をじっと見ると、ミシミシいってから首がポロリと落ちたよ。
「マエストロ!」
騒ぎに気づいたフィデルたちが駆けつけたけれど、悪臭でみんな仲良く胃袋の中をリバースしたよ。
アニバルは何ともないように魔物に近づいて、魔物の腹を裂いたんだ。あの粘液がドロリと出てきて地面を溶かしたよ。
アニバルは粉のようなモノを振りかけると、シュワシュワいいながら粘液が固まっていくよ。手袋をしてから小袋につめていくんだ。
「何してるの?」
エクトルが口を覆いながら近づいてきたよ。
「こいつを家の周りに撒いておくと魔物が近づかないんだ。雨や雪が降れば流れちまって効果はなくなるが。
あとは薄めれば血止めにもなる」
「それを塗るの?」
「薄めてからだ。こいつで血止めすると膿んだりせずに綺麗に傷が治る」
「へえ。その撒いて粉みいたものはなに?」
「これはこの魔物の内臓を干して砕いたものだ。粘液を体内にいれているのに身体の中は溶けないだろう?粘液で溶けない何かがあるはずだって、狩人が気づいてこれを発明したんだ」
「そうなんだ。この魔物は食べれるの?」
「食ってみるか?俺はおすすめしないが」
「じゃあ、やめておく」
アニバルは魔物の使えるところだけとって、火をつけようとしたよ。
「俺、やるよ!」
「お前、火の使い手か?」
「うん。任せて。全部焼けばいいんだよね?」
「ああ」
エクトルが呪文を唱えると魔物が燃えたよ。すっかり丸焦げになるとアニバルはリバース集団に戻るように言ったよ。
「うぅ。凄い臭いだった。エクトルは何で大丈夫なの?」
げっそりとフィデルは座り込んでいたよ。
「なんかマズイ!って思って息を止めたから。でも臭かったけど。マエストロは何で大丈夫なの?」
「慣れだ」
家や兵士たちのテントの周りにさっきの魔物からとった粉を撒いていたよ。
「これは下級魔物には効くが、上級には効かないから安心するなよ」
「え、効かないの?マエストロはどうやって生き延びてきたの…?」
フィデルは夜安心して寝られないことに、やっとこの場所は危険なんだってわかったみたいだよ。
「あのカマキリみたいな魔物を燃やして、ここに強い奴がいるって警告したから、しばらくは寄ってこないだろう。魔物も獣も火を恐れる。だから火属性の魔物は森の上位に君臨する。ま、この森にはあまりいないけどな。
強い魔物を焼き殺して、それを積み重ねて俺の縄張りだって主張していればわざわざあっちから来ない」
「縄張りって獣みたい」
「森の中はどこも魔物や獣の縄張りだらけだ。主張していかないと追い出されるか喰われるかのどちらかだ。飯食ったら寝るぞ」
「食べた気がしない」
フィデルは吐いちゃったからね。お付きの人も兵士も食が進まないみたいだよ。
ぐっだりしていたフィデルは吐き気が寝る頃には収まって、復活していたよ。
「俺テントやだー!マエストロと寝る!」
「俺もマエストロと寝る!」
「お前ら十にもなって大人と寝るな!」
「俺まだ九歳だもん!」
フィデルがここぞとばかり幼いアピールしてきたよ。普段ならアニバルが子ども扱いすると怒るんだけどね。
「お二人はこちらで寝ましょう」
お付きの人が優しく誘導するよ。アニバルはやっと一人になって、余ったクマクマ詐欺の肉を葉に包んだり、塩をまぶして干したりと保存食を作ったよ。春先でもまだ寒いとはいえ、早く加工した方が傷まないですむからね。
葉に包んだ方を持って、外に出るとエクトルが入り口に座っていたよ。
「なにしてんだ、お前」
「マエストロとお話したくて!」
「外は危ないぞ。早く寝ろ。明日は早いんだ」
「マエストロはどこにいくの?」
黙って歩きだすとエクトルもついてきたよ。木の根に躓いてこけたよ。
「ほら、近くにこい」
ランタンを軽く振るとエクトルは早歩きしてアニバルの隣にいくよ。
小屋の近くに人が一人入れるくらいの洞穴があって、雪が敷き詰めてあったよ。
「洞窟の中は涼しいから、ここなら夏まで雪は残っている。食べ物を保管するにはいいんだ。ちゃんと隠さないと他の動物に食われるけどな」
天然の冷蔵庫のようだね。お肉を包んでいた葉っぱは殺菌作用があるらしいから、食べ物の保存にはいいらしいよ。
肉を雪に埋めてから小屋に戻ったよ。エクトルが離れようとしないから、仕方なく一緒に寝たよ。
『懐かしい感じがする』
エルスターの言葉ではないからアニバルは驚いたよ。エクトルはくすっと笑ったんだ。
「今のわかった?」
「…懐かしいってお前まだガキだろう。小さいときに誰かと寝たからじゃね?」
「言葉はどこで習ったの?」
「習ってない、と思う。どこの言葉かわかるのか?」
「レナータの言葉だよ。きっとマエストロの前世はレナータの人なんだよ」
真っ暗で顔が見えないけど、きっとエクトルは目を輝かせているだろうね。
「貴族はよその言葉も覚えるのか?」
「ううん。始祖と初代はレナータの人だったんだ。俺は始祖と話したいから勉強しているんだ。転生された初代はデスペハード帝国の王族から生まれたけど、もしかしたら始祖はレナータで生まれちゃうかもしれないでしょう。そうしたら言葉わからないから、お話できないし。マエストロが始祖だったら、勉強した意味なくなっちゃうけど」
「転生っていつどこでするかわからないのか?」
「誰がいつっていうのは全くわからないんだ。始祖の前世が始祖の祖先らしいし、初代は初代の子孫から生まれたから、もしかしたら血筋なんじゃないかって」
「俺は王族じゃないから始祖って奴じゃないな」
「うっ。そうなっちゃうね。でも髪が黒くて目の色が同じだから、始祖なんだと思う」
「しつこいな。転生すると見た目も同じなのか?」
「…わかんない」
「じゃあ、たまたまだ。寝るぞ」
「始祖が転生されたら王様になってもらうって決まりなんだよ。マエストロは王様になりたくないの?」
「は?俺が?俺は狩人だぜ、無理だろうが。そういう話はガキのころにしてほしかったな。すんなり信じてついていったかもしれないぜ」
「すんなり信じてついてきてくればいいじゃないか」
アニバルはエクトルの頭をポンポンと叩くよ。
「親に捨てられた狩人は実は王様の生まれ変わりで、川で溺れていた貴族の子どもを助けたら、お城に招かれて王様になりましたって寝る前のお伽話にはいいけどな。助けた子どもが絶世の美女で王女様だったら、ついていったんだけどな。
お伽話は大人になると信じなくなる。そんなもの信じるとはお前もまだまだ子どもだな」
「マエストロはいじわるだ。少しは信じてくれてもいいのに」
「悪いな。嘘は嫌いなんだ。だから、俺は例え転生者でも始祖って奴の記憶はない。諦めて寝ろ。それとも子守唄必要か?」
「もういい!」
くるっと背を向けてしまったよ。アニバルはふっと笑ってから目を閉じたんだ。
翌朝、エクトルがアニバルの小屋で寝たと聞いて、抜け駆けしたとフィデルが怒って大騒ぎになったから、もう二人を泊まらせないとアニバルは決めたらしいよ。
卯月:ゴールデンウィークですね!私は仕事が飛び石で入っていてあまりゴールデンな感じはしませんが。ステイホームの方が多いでしょうから、本日より四日連続投稿します!暇潰しのどうぞ、お読みください。
そのため土日が定期更新ですが、今度の8、9日はお休みします。連続というより前倒し投稿?
お休みの方もお休みではない方もいい一週間になりますように。




