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天使と冒険者  作者: えのみよ
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天使、同居する

見てくださってありがとうございます。私の自己満小説ですが、暇つぶしにでも読んでいただけたら嬉しいです。

とりあえず少女を自分の寝ていた布団の中に寝かせておく。何やら熱があるようだ。天使って風邪引くのか?と考えながら看病をする。我ながら馬鹿な事をしている。もし魔物が化けて襲いかかってきたらどうするつもりだったのだろうな。


それから何時間かして、さすがに飯を食わねばと2人分料理をしていたらやっと天使が起きた。


「おい、お前。魔の森に倒れていたが何があった。」


天使は話さない。かなり怯えているように見えた。もう少し休ませる方がいいようだ。


「もう少し休んでから話してくれ。飯作ってるから何かあればすぐ呼べよ。」


そう言って火の出る魔道具の上に置かれた鍋に目を向ける。体が弱っている時に1番効くのはおかゆだ。先々代の勇者が広めた料理らしいが詳しいことはよく知らない。そろそろ出来上がると思った頃に丁度、話しかけて来てくれた。


「あの。えっと魔の森?になんでいたかは言えないけど助けてくれてありがとうございます。」

「そうか。。そっちにも事情があるんだろう。深くは聞かないでおくよ。もうすぐおかゆが出来る。少し待っててくれ。」


米の硬さをやわめになるよう調節して完成だ。おかゆというものを初めて作ったが、かなり美味そうにできたと思う。食器棚に数少ない皿を取り出し、おかゆを2人分つぎ、テーブルの前に座る天使に渡す。


「米はやわめに作ったが食べにくかったら言ってくれ。」


天使はスプーン片手に勢いよくおかゆを食べ始めた。余程お腹が減っていたのだろう。俺はそんな光景を見ながら父親のような気分になった。


「美味しい。」


初めて美味しいものを食べたかのような表情に嬉しさと哀れみを感じた。そして、この子は今までどんな生活をしていたのだろうと気になった。


「お前、親や、帰る場所はないのか?」


そう言うと少女は少し黙ってまた話しだした。


「母はいますが、不治の病にかかってしまって動けない状態です。帰る場所は訳あってもう、帰れません。」


そう悲しそうに俯く少女にこれからどうするつもりなのかという疑問と何故か守りたいと思ってしまった。戦うことしか脳のない俺が。


「すまない。立ち入った事を聞いた。今のは無かったことにしてくれ。それで、お前はこれからどうするんだ?」

「え?」

「帰る場所がないんだろう。これからどこで生活するんだ?」

「それは…」

「ここで暮らすか?ここは俺一人だし家もほとんど人が居なくて寂しいからな。お前が来てくれると嬉しいよ。」


そう笑いかけながら言う。少女は一瞬とても嬉しそうな顔をして、迷っているような顔つきで。


「いいんですか?」


と聞いてきた。答えはもう決まっている。


「ああ。お前さえ良ければな!」


少女は急に泣き出し、頭を撫でてやるともっと泣き出した。それほど今までが苦しかったのだろう。そのまま少女を布団に寝かせ、俺は今から出かけるとする。向かう場所はギルドだ。あっそういえば天使のことを聞くのを忘れた。まぁ明日聞けばいいか。


今はもうすっかり夜なのであまり人が通っていない。夜は人攫いや、盗みを働く物が多いからな。ギルドへ向かって走りながらそんなことを考える。

ギルドはあと少しで閉まるとこだったが、全力疾走でギリギリ間に合ったようだ。

受付所へ向かいギルドカードを見せながらギルド長への案内を頼む。

本人確認を終え、また応接間に向かうかと思えば1階にある練習場へ向かうようだ。練習場へ行くと、ここら辺ではあまり見ないような顔つきをした、少年少女30人当たりを訓練しているハゲヅラが見えてきた。


「おーい。今回の依頼の報告をしたいんだが。」

「ん?アレンか報告はここで聞く。」

「あぁ分かったが、その前にこいつらは誰だ?見たところあまり鍛えてないようだし、」

「こいつらは王宮で召喚された勇者と呼ばれるもの達だ。」


そうターナーが紹介すると勇者達は敬ってくれと言わんばかりの態度でこちらを向く。


「おいこいつら躾がなってないんじゃないのか?先輩に対する態度は最初に教えておくべきだろう?」

「そうなんだが。王宮からの命令の上、勇者という立場、そして今は俺はギルド長だ。あまり態度をでかく接せないんだよ。」


それは本人達の前で言っちゃいけないことだと思うが。


「おい、おっさん黙って聞いてれば勇者である俺達に舐めた態度とってんじゃねぇよ」

「お前らに言って置くがこいつはアレン。世界最強とも呼ばれている。今のお前らには到底及ばない存在だ。今のうちに媚び売っといた方がいいかもしれないぜ」

「人を貴族みたいに言うなよ」


ターナーがそういうと何故か反抗的な目が増えたような気がした。


「上等だ俺が一捻りにやってやるよ。世界最強かなんだか知らないが身体強化の魔法を使える俺に勝てるかなっ」


そう言いながら魔法を使ったかと思えば、いきなり殴りかかってきた。ちなみに身体強化とは、その名の通り魔法を使って身体を強化することだ。魔法を使えるレベルの魔力を持つのは貴族や王族で(たまに一般人でも魔力か多いことも)魔法を使えるだけでも珍しいのだ。

そんな事を考えていながらも俺は彼の攻撃を全て避けている。王宮からの命令だ彼らを傷つけたらターナーがどうなるか分からないので、失神するくらいに力を込めて頭を叩く。

仮にも身体強化を使っているのだから直ぐに回復するだろう。それくらい魔法は強いのだ。


「そいつに牙を剥くのはやめておけそこの転がってる奴みたいになるぞ。で、報告は?」

「そうだったな。魔の森に落ちた何かは少女だった。そいつを保護して、今俺の家で寝かせている。」

「は?少女?」

「ああ。10、11くらいの少女だ。」

「それをお前が保護?」

「そうだが?」

「戦うことしか脳のないお前が少女を保護。か信じられんな。今度その少女とやらに合わせてくれないか?」

「都合が合えばな。」


天使だということは伏せて置いたが、しかし困ったな会うとなると翼を隠す方法を探すか…


「じゃあ報告は以上だ。」


そう言って立ち去ろうとするが、


「待て。待ってください。」


その言葉に振り向く、いかにも勇者と言わんばかりのオーラを放つ少年が話しかけてきた。


「先程の優の非礼お詫び致します。」

「全く気にしてねぇからそれじゃあな」

「待ってください!今の自分の実力を試す為に1戦戦ってくれませんか?」


予想外だった。さっきので力の差を見せつけられたと思っていたが、こんなに骨のあるやつがいるとは少し楽しくなり快く引き受ける。


「開始!」


というターナーの合図に合わせて2人は動き出す。勇者の方、はうおおおと雄叫びを上げながら身体強化を使う。それもさっきの奴とは比べ物にならないレベルのだ。アレンの方は勇者の攻撃を受ける姿勢で2人とも装備も剣すらも付けていない。

勇者はまず俺に蹴りを入れようとするが俺はそれを読み、蹴りを避け体制を崩した勇者に向かって失神程度に頭を殴る。

先程の無神経に突っ込んでくる馬鹿とは違い、蹴りの後の行動を決めていたようだが予想以上に俺のスピードが早く、負けたようだ。


「それじゃあな」


そう言ってギルドを出て、日用品を買いに行こうとするが、勇者達のせいでかなり時間を食ったようだ。日用品を売っている雑貨屋は閉まってた。また後日、少女と来ることにするか。そして俺は少女の寝ている家まで帰るのだった。

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