魔王候補の劣等生

ーー追放された魔族が勇者に恋をするのは間違ってますか？

ダンジョンで凌ぎを削る魔王候補者たちが集う城郭都市ーー『魔都』
輝ける栄光、あふれんばかりの富、魔都で高みに登ればこの世の全てが手に入ると言われている。
そんな街を追放されたウィルはある日、一人の少女に恋をする。
その相手は、魔族と対立する共和国の英雄『勇者』であった。

「頂点で待ってる。おいで、高みへ」

ウィルは勇者との再会を夢見て死に物狂いで修行するのだが、その成長は周囲が驚くほど異常なもので──。

「妾が高みへ連れて行ってやる。行くぞ！ ウィル！」
「うん！ 行こう！」

数千年封印されていた妖精と追放された役立たずの少年。
二人が出会う時、世界を巻き込む運命の歯車は回り始めるーー。

ーー魔王になれば、付き合ってくれますか！？

これは、臆病な少年が恋の力で最強の魔王へ駆け上がっていく魔王譚。