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振り向かない彼女を飼う方法  作者: 一会
第4章
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 妹は、どんどん綺麗になっていく。

 義弟のためかと思うと苛立ったけれど、どうやら違った。


 妻と先輩に連れられて、店を回ったりしているうちに、自分を飾ることを覚えたようだ。


 それに、四人でいるときに、妻と義弟(おとうと)を見て顔を赤くしながら「お腹いっぱい」と言って、最近あまり食べない。

 食べないせで、ぽっちゃりではなくなった。


 綺麗になっていく妹に、僕は心配になる。

 これでは、義弟(おとうと)が妹を襲うかもしれない!


 僕がこんなに心配しているのに、妹ときたら、「ないない。」と言って、手を振るのだ。


 「彼は、あの美しいお義姉(ねえ)さまをずっと見てきたのよ?」



 妹は可愛いらしく笑って言っていたが、直ぐに妊娠した!!!!


 僕は、僕の胸で泣いている妻を抱いた。

 妻は妊娠した。

 




 妻は、僕に振り向かないまま僕に抱かれ、子を宿(やど)した。


 子供はそのうち僕に似てくるだろう。

 妻は、僕の特徴が出てきた子供を、母親としてきちんと受け入れてくれるだろうか?



 僕はあの時、無理矢理、彼女の身体を開いた。

 そうでもしないと、妻が願った未来は訪れないのだから仕方がない。

 妻に子供を(はら)ませるためにも、僕が妻を強引に抱くしかなかった。


 妻は未だに弟が好きなのだ。

 妻は義弟(おとうと)の子を産めない。

 妻が子供を望むならば、カモフラージュでも夫である僕が、妻を妊娠させる必要があった。


 妻だって理解している。

 子を(もう)けて家庭を築くために、僕と結婚したのだ。

 それでも感情がついていかなくて、心を殺した。



 幸い妻の心は戻ったけれど、以前の妻とどことなく違い、積極的に僕を愛そうとしてくれる。


 僕はこれがいいことなのか悪いことなのか、不安になる。

 



 僕には、妻の異変に気付けなかった前科がある。

 弟を愛するあまり心を殺した妻に対し、僕は無力だった。



 今の妻が本当に以前と同じ妻なのか、僕が答えを知ったのは、ずいぶん後になってからだった。







 「お義姉(ねえ)さま~! 腰、痛いですよね。さするので、ベッドに横になって!」

 

 妻が妊娠後期になると、妹が妻にやたらと触るようになった。

 妹も妊娠中だというのに、妻をかいがいしく世話をする。


 妊娠後期になると胎児のいるお腹が大きくなってきて、前後のバランスをとるために、腰に負担がかかるそうだ。


 妹は毎晩訪れるようになり、妻を僕のベッドに誘う。

 そして、マッサージをしあうのだが、、、。

 



 「ああん、お義姉(ねえ)さま、もっと、、、、ください、、、!」


 妹が艶っぽい目を妻に向ける。

 様子を見に来たら、変なことになっていた。


 どうなってるんだ???



 「あなたも、義妹(いもうと)の腰をさすってあげて。」


 僕の視線に気づいた妻が、僕に手伝うように言った。



 僕のベッドに女性が二人、横になっている。


 妻が妹に背中を向けて横になり、妹が妻の腰を押して、腰の痛みを癒している。

 僕はベッドに片手をついて、横になっている妹の腰を押してあげる。



 「お義姉(ねえ)さま、気持ちいい?」

 「とっても、気持ちいい、、。」


 妻が心から気持ち良さそうに返事をする。



 「お義姉(ねえ)さま、ここは?」

 

 妻は答えない。

 当たり前だ。そこは、妹が触るべき場所ではない!


 僕は妻の胸を撫でている妹の手を元に戻した。

 妻は起き上がって、妹の顔をじっと見下ろしている。

 


 「お、お義姉(ねえ)さま、私、、!」


 妻はふわっと笑顔になって、妹の頭を撫でた。


 「弟のところに、行くね。」


 妹がこくこくと(うなず)く。



 妻はベッドを降りて、僕の頬に軽く唇で触れて、行ってしまった。


 「どうなってるんだ?」


 僕がたまらず妹に質問すると、妹がにこっとかわいらしく笑って言った。


 「新しいことを始めたの。」





 


 妹が産んだ子を連れて、実家からマンションに戻ってきた。


 「お兄ちゃん、私の子供、可愛いでしょ。」


 妹が当然「可愛い」と言うのを知っていながらきいてくる。

 本当に可愛い。


 義弟(おとうと)よ、でかした! しかし、もう、妹に手出しするな!



 「彼ね、私が妊娠しないと、お義姉(ねえ)さまは妊娠しないだろう、って言っていたわ。

  私、一人は産む予定だったから、彼に協力したの。

  でも、私はもう産まないから、あとはお兄ちゃん次第だよ。」



 なんてお兄ちゃん思いな妹なんだろう。

 でも僕も、子供はもういい、と思った。



 義弟(おとうと)を想う妻が痛々しいのだ。


 僕は妻の弱さに付け込んだ。

 妻を抱いたときの罪悪感がまだ残っている。


 子供は一人いるのだから、これ以上、彼女に無体なことを強いるのはやめようと思った。

 


 そして、妹に言われたように、義弟(おとうと)と好きなように関係しても怒らないと、妊娠中に伝えた。

 たとえ妻が義弟(おとうと)と恋人になっても、妻は僕の妻であることに変わりない。



 僕は彼女に選ばれて彼女が愛する家族の一員になった。

 妻が僕を選んで身を任せた。

 


 僕は妻の心を、心の底から信じた。

 



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