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振り向かない彼女を飼う方法  作者: 一会
第4章
58/81

58 妹 7



 ここで綺麗に話を終わらせることもできる。


 しかーし! 私は恥ずかしいことを言った! 

 ここは一つ、親交のために、今後のためにもお義姉(ねえ)さまに暴露してもらわねば! 

 私のこの羞恥心が、消えてくれない!


 これは、悪阻(つわり)による嘔吐(おうと)感より大事なことである!

 今を逃すと、お義姉さまから恥ずかしい情報を引き出す機会がない!



 私は感謝される側という美味しい立場を使い、お兄ちゃんに有利な情報を得ようともうひと踏ん張りした。


 麗しの姉弟(してい)愛とお兄ちゃんのことは、別腹なのだ! 

 両方あって、二度美味しい!





 私は(おもむろ)にお義姉さまに質問を始めた。


 「お義姉さまは、私の兄とするのは嫌いですか?」

 「いいえ。」


 お義姉さまが頬を染めた。

 う、可愛い!

 次は攻めの質問!


 「では、好きですか?」

 「ええ、多分。」


 お義姉さまが耳まで赤くなった。

 お兄ちゃん、よかったねー!


 「これまで、お義姉さまから兄に何かしたことはありますか?」



 私は(つば)を飲み込んだ。

 お義姉さまは私の勢いにのまれたのか、真剣に思い出しているようで、黙っている。

 少しして、恥ずかしげに私に答えてくれた。


 「頬にキス?」


 え。それだけ? お兄ちゃん、不憫(ふびん)だよ!



 「彼には?」


 躊躇(ためら)わず、いろいろ答えてくれた。


 お義姉さま、意外と肉食系?! 


 これは驚いた! 

 お兄ちゃんとのことから考えて、お義姉さまは奥手だとすっかり思い込んでいた。


 どうしてお兄ちゃんには、何もしないの? 好意の差?


 仕方がないこととはいえ、妹としては釈然としない。

 お義姉さまが、私の表情から何か感じたようだ。



 「弟は、何をしても弟だもの。でも、夫は違うでしょ? 

  はしたないことをして、嫌われたくないの。 

  でも、何もしないから、つまらないと思われているわ。」



 お義姉さまが、私の知りたいことを教えてくれた。


 でもね、前半、はにかみながら言うのって反則ものの愛らしさだよね!

 後半、様子が変なので、気になるところだ。

 


 なんだか、お義姉さまと秘密を共有したようで、心の距離が近くなった。


 「兄は、積極的なお義姉さまも、好きだと思います。」


 というか、確実に!


 「兄は、お義姉さまに嫌われまいと必死に手をださないようにしてるので、お義姉さまがしてもいいと思うタイミングで誘ってあげないと、いつまでたっても何もしません。」




 お義姉さまは痩せて影まで薄かったのに、今や痩せているのは同じでも、婉然(えんぜん)とした雰囲気を(かも)し出していた。


 私のお義姉さまが、パワーアップして戻ってきた!


 私はお義姉さまに抱き着きたくなった。

 私はお義姉さまが好きだけれど、恋人に向ける好きと違う意味で好きだったはずだ。


 私がうずうずしていると、お義姉さまが両手を広げた。

 私はありがたく、お義姉さまの胸に優しく飛び込んだ!


 お義姉さまにとっては親愛の情を示すハグだろう。

 私の心臓が騒がしくなってきた。



 お義姉さまの口が、とても近い。

 痩せ過ぎで栄養状態が悪いためか、お義姉さまの唇が、かさついて見える。


 唇を保護してあげないと、血が出てきている。

 私は誘われるように、私の唇についている無色のリップクリームをお義姉さまの唇に、私の唇で塗ってあげた。


 しまった、と思ったとき、お義姉さまが思いがけない行動をとった!

 離れようとする私の唇を、お義姉さまがぺろりと舐めた!!!


 今、私の顔は真っ赤になっているだろう。

 様々な思いが交錯する。


 

 お義姉さまの目が、私を(とら)えて離さない。



 「もしも、姉と弟で、妊娠しなければなんでもしていいと兄が認めたら、お義姉さまはどうします?」


 私はお義姉さまの目を見つめる。


 「それで、あなたは、何が欲しい?」



 私はお義姉さまの唇をいただいた。

 私の同性の恋人がしていた、ぺろりと舐める仕草を、私もお義姉さまにした。


 私の恋人は今もこの人を想っていて、誰とも本気で付き合おうとしない。


 「もう、十分なの?」


 お義姉さまは、不思議そうに私を見ている。


 もっと、もらってもいいの?! 

 いや、今は悪阻(つわり)で気分が良くない。


 「お義姉さまの体調が戻ったら、いただきます。」



 お義姉さまは私の心に触れて、(とりこ)にしたいようだ。


 望むところだ! 

 私は結構、お義姉さまに近い位置にいるのだ! 

 お兄ちゃんや彼に負ける気がしない!


 お義姉さまは、元気を取り戻した。

 ああよかったー、と言えるのはまだまだ後だけれど、とりあえず、これでいいのだ!




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