58 妹 7
ここで綺麗に話を終わらせることもできる。
しかーし! 私は恥ずかしいことを言った!
ここは一つ、親交のために、今後のためにもお義姉さまに暴露してもらわねば!
私のこの羞恥心が、消えてくれない!
これは、悪阻による嘔吐感より大事なことである!
今を逃すと、お義姉さまから恥ずかしい情報を引き出す機会がない!
私は感謝される側という美味しい立場を使い、お兄ちゃんに有利な情報を得ようともうひと踏ん張りした。
麗しの姉弟愛とお兄ちゃんのことは、別腹なのだ!
両方あって、二度美味しい!
私は徐にお義姉さまに質問を始めた。
「お義姉さまは、私の兄とするのは嫌いですか?」
「いいえ。」
お義姉さまが頬を染めた。
う、可愛い!
次は攻めの質問!
「では、好きですか?」
「ええ、多分。」
お義姉さまが耳まで赤くなった。
お兄ちゃん、よかったねー!
「これまで、お義姉さまから兄に何かしたことはありますか?」
私は唾を飲み込んだ。
お義姉さまは私の勢いにのまれたのか、真剣に思い出しているようで、黙っている。
少しして、恥ずかしげに私に答えてくれた。
「頬にキス?」
え。それだけ? お兄ちゃん、不憫だよ!
「彼には?」
躊躇わず、いろいろ答えてくれた。
お義姉さま、意外と肉食系?!
これは驚いた!
お兄ちゃんとのことから考えて、お義姉さまは奥手だとすっかり思い込んでいた。
どうしてお兄ちゃんには、何もしないの? 好意の差?
仕方がないこととはいえ、妹としては釈然としない。
お義姉さまが、私の表情から何か感じたようだ。
「弟は、何をしても弟だもの。でも、夫は違うでしょ?
はしたないことをして、嫌われたくないの。
でも、何もしないから、つまらないと思われているわ。」
お義姉さまが、私の知りたいことを教えてくれた。
でもね、前半、はにかみながら言うのって反則ものの愛らしさだよね!
後半、様子が変なので、気になるところだ。
なんだか、お義姉さまと秘密を共有したようで、心の距離が近くなった。
「兄は、積極的なお義姉さまも、好きだと思います。」
というか、確実に!
「兄は、お義姉さまに嫌われまいと必死に手をださないようにしてるので、お義姉さまがしてもいいと思うタイミングで誘ってあげないと、いつまでたっても何もしません。」
お義姉さまは痩せて影まで薄かったのに、今や痩せているのは同じでも、婉然とした雰囲気を醸し出していた。
私のお義姉さまが、パワーアップして戻ってきた!
私はお義姉さまに抱き着きたくなった。
私はお義姉さまが好きだけれど、恋人に向ける好きと違う意味で好きだったはずだ。
私がうずうずしていると、お義姉さまが両手を広げた。
私はありがたく、お義姉さまの胸に優しく飛び込んだ!
お義姉さまにとっては親愛の情を示すハグだろう。
私の心臓が騒がしくなってきた。
お義姉さまの口が、とても近い。
痩せ過ぎで栄養状態が悪いためか、お義姉さまの唇が、かさついて見える。
唇を保護してあげないと、血が出てきている。
私は誘われるように、私の唇についている無色のリップクリームをお義姉さまの唇に、私の唇で塗ってあげた。
しまった、と思ったとき、お義姉さまが思いがけない行動をとった!
離れようとする私の唇を、お義姉さまがぺろりと舐めた!!!
今、私の顔は真っ赤になっているだろう。
様々な思いが交錯する。
お義姉さまの目が、私を捉えて離さない。
「もしも、姉と弟で、妊娠しなければなんでもしていいと兄が認めたら、お義姉さまはどうします?」
私はお義姉さまの目を見つめる。
「それで、あなたは、何が欲しい?」
私はお義姉さまの唇をいただいた。
私の同性の恋人がしていた、ぺろりと舐める仕草を、私もお義姉さまにした。
私の恋人は今もこの人を想っていて、誰とも本気で付き合おうとしない。
「もう、十分なの?」
お義姉さまは、不思議そうに私を見ている。
もっと、もらってもいいの?!
いや、今は悪阻で気分が良くない。
「お義姉さまの体調が戻ったら、いただきます。」
お義姉さまは私の心に触れて、虜にしたいようだ。
望むところだ!
私は結構、お義姉さまに近い位置にいるのだ!
お兄ちゃんや彼に負ける気がしない!
お義姉さまは、元気を取り戻した。
ああよかったー、と言えるのはまだまだ後だけれど、とりあえず、これでいいのだ!




