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振り向かない彼女を飼う方法  作者: 一会
第2章
36/81

36 姉 13


 

  「姉さん。僕は、姉さんを、愛してる。」



 弟の18歳の誕生日の朝に、弟の寝込みを襲うと、弟から告白された。

 私は、自分の愚かさを見せつけられた。


 私は弟に、何をしてきたのか。

 弟に好意を押し付け、女の子との関係に嫉妬し、自分の女性としての部分で、弟の心を惑わした。


 弟には正しい方法で幸せになって欲しいと願いながら、私は自ら弟に道を踏み外すよう仕向けた。




 私は弟から逃げるように家を出て、付き合っている彼のところに行った。

 彼に抱かれさえすれば、私は、他人を愛することができると証明できる。


 私は彼に抱いてもらうのだ。

 服を脱がされて当然だし、もちろんキスもされるし、身体を触られる。私は自分の身を委ねる覚悟をして、ここに来た。


 ところが、実際に彼に下着を脱がされそうになったとき、彼に抱かれたら私は弟に今までのように触れることができないのだと気づいて、涙が出てきた。




 私はいつの間にか弟を、男として見ていた。

 男だけれど、弟だから安心できた。

 何をしてもされても、崩れない関係性が心地よかった。

 子供を作るような行為をしたいのではないけれど、弟とたくさん触れ合っていたかった。

 


 彼は、泣いてる女性に何かするような人ではない。


 私の身体から離れ、私の服を私にかけてバスルームに行ってしまった。

 彼はあきれているのだろう。


 自分から抱いてとせがんだのに、結局こうなった。

 もう、終わりにしよう。


 私が好きなのは、弟だ。

 私は他人を一生好きになれない。



 彼は最後まで優しかった。

 弟のように私に服を着せてくれる彼となら、いつか私の両親みたいな穏やかな夫婦になれると思った。

 でも、このまま彼の優しさに付け入ることは、誠実さに欠ける。


 私は自分の正体を彼にさらした。

 私は、姉の皮を被った、嫉妬深い、自分勝手な人間だ。



 彼には感謝しかない。

 何年間も、彼の時間を奪ってしまった。


 玄関を出る前、罪悪感で彼の顔を見られなかった。


 彼は他人だけれど、私は彼のことが好きだった。

 一緒に過ごすうちに、家族のように好きになっていた。

 私は彼に恋しなかったけれど、彼に確かに愛情を向けていた。

 



 彼と離れたくない。

 これ以上、私に関わらせて、彼の時間を奪いたくない。

 大切な彼の人生を、私のような不出来な者のために浪費させてはいけない。

 彼に抱きしめてもらいたい。


 


 私は甘えたがる自分を叱咤(しった)して、自宅に帰った。


 弟が、私を心配して私の部屋に来た。

 しっかりしないと。私は姉なのだから。


 私は部屋着に着替えてている途中だった。

 急いで服を着て肌を見せないようにし、努めて明るく言った。


 「受験に集中したいわよね。こういうこと、当分やめるね。」


 「姉さん?」


 弟は、私の変化に気づいたようだ。

 私は姉として微笑んだ。


 「それとも、小さな頃のように、一緒にお風呂に入れる?」


 私はできないと知っていながら弟に迫った。


 弟は私を真剣に見て、全身の力を抜いて笑顔で言った。


 「いいよ。入ろう。僕の成人の記念に。」


 私は目を丸くした。

 私は弟に手をとられ、バスルームの隣にあるパウダールームに連れて行かれた。

 

 呆気にとられて、何も反応できない。

 弟は自分の服を脱いでいき、下着姿になった。


 私は弟の、男性の身体を見て、見てはいけないものを見ているような気分になった。


 「僕が脱がせようか?」


 弟の目に、いつもの涼やかさがない。

 私は弟に食べられる獲物になったような気がする。


 弟に見つめられ、身体がぞくぞくしてきた。


 私が答えないので、弟が私の服に手をかけた。

 上の服を脱がせて、スカートを下ろし、キャミソールもはがされた。

 靴下を脱がされ、下着姿になった。


 私は弟の言いなりになっていた。

 


 弟は、私を囲うようにして腕を回して背中のホックを外し、上の下着の肩紐を腕から外して、上半身を裸にした。

 私は恥ずかしくて、胸に手をあてて隠した。


 「下も脱がせるよ。」


 鼓動が激しくなってきた。

 

 「姉さん、愛してる。」


 弟の、艶やかな声が私の耳にこだまする。


 弟は私の下の下着に両手をかけ、ゆっくり下ろしていく。

 下ろしながら弟が座るような姿勢になり、弟の顔の近くに私の下半身がある状態になった。

 私は、さらに恥ずかしくなって、直ぐに手を下の部分にあてて隠した。


 弟は顔を上にあげ、私に微笑んだあと、私が下半身を隠すために置いた手の甲にキスをした。

 そのまま腕をたどって、私の首まで小さなキスを繰り返していく。

 


 快感が走り、声を抑えられず、パウダールームに私の嬌声(きょうせい)が響いた。


 弟は私を濡れたように輝く目で見ながら、私に言った。


 「続きをする?」


 私は、何故弟がこんな真似をするのかわからなかった。


 「私を、抱きたいの?」

 「抱きたい。」


 私は目を見開いた。

 弟は、私を愛していても、弟だったはず。


 「私の、弟よね?」

 「そうだよ。姉さんの弟で、お互いにファーストキスの相手だよ。」


 弟が食い下がってくる。



 弟は私の腰を抱き、私に深くキスをした。

 よくわからない気持ちになって自然に弟の身体に腕を回すと、二人の身体が密着した。私の身体が熱くなる。


 なんだか頭がぼうっとしてきたので弟に身体を預けると、弟が私の頭を撫でた。

 弟がため息をつく音がした。


 「僕は、姉さんの弟でいてあげるよ。時にはこういうことをする、弟として。」


 

 弟の目と声と、手と、身体の熱が、私の何かをしびれさせる。

 私は弟の唇に、優しくキスをした。

 私の、愛しい弟。

 弟の唇は、何度触れても飽きない。

 私はまだ、弟から離れられなかった。

 



 「さあ、お風呂に入ろうか?」


 弟が私を誘う。

 自分から誘ったことだ。私は覚悟した。


 弟は、私がさっきまで着ていたキャミソールを私に直接着せて、自分は下着をつけたまま、私をバスルームに誘った。


 私たちは大人に成長したけれど、小さな子供の頃のようにシャワーをかけあって笑い合い、仲良くお風呂に入った。



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