35 姉 12
私が弟の身体について興味を持って弟を裸にさせる算段を立て始めたとき、弟が私の肩を抱いて私の口にかぶりついた。私は驚いた後、目を閉じて、弟の動きを感じた。
私の口を食べながら、弟は私の肩や、腕、背中、腰の辺りを優しくさするように触っていく。
弟は、そんなにも私に触りたかったのか!
私はうれしくて、私も同じように弟に触れていく。
たくさん触りあって、不思議な感じになってきた頃、弟が私をベッドに寝かせた。
弟は私の横に寝転び、片肘をついて頭を支え、空いた手で私の顔の近くの髪を手ですいている。
弟の指先が顔の輪郭や耳や首に微かに触れて、くすぐったい。
「姉さんは、僕とこういうことをしても、平気なの?」
弟が理解に苦しむことをきいてくる。
弟だから、平気に決まっているでしょ。
「もちろん。むしろ、もっとスキンシップをとりたいわ。」
私が本音を言うと、弟はすかさずかえしてくる。
「付き合ってる人がいるのに?」
彼は他人、弟は家族だ。
彼にされているのは生殖活動を前提とした純粋な性的行為で、弟としているのは愛情確認のスキンシップだ。
全く別なのに、何を言うのか。
「彼は、彼よ。それに、彼に私からキスしないし、触らないわ。」
私が彼にしたキスは、唇が触れるか触れないかくらいのわずかな接触だった。弟にするキスと全く違うから、弟からみればキスに該当しないはずだ。
弟が目を大きくした。
「姉さん、あの人が、好きなんだよね?」
「ええ、好きよ。」
いい人だもの。
「僕のことは?」
「大好き。弟だもの。」
とっても大切なの。
弟が私を見ている。私は弟の久々の視線を浴びて、心が温かくなっていた。
「僕と、どこまでしたい?」
弟が、熱っぽい潤んだ目で私を見るので、私は少し心配になった。
風邪をひいた?
お母さんと同じことを言ってるけれど、それよりも弟の身体が気掛かりだ。
私は上体を起こして左右の手で弟と私の前髪を上げ、おでこをくっつけて熱を測った。
熱はない。さっき泣いたから、目が熱を持ったのか。
私は納得して、目の前にある弟の鼻の頭に軽く口づけた。
その時、弟が、私のあごの下を舐めた。
突然走った刺激に、変な声が出た。
「こういうことを、僕がしてもいいの?」
目を少し閉じてぼーっと余韻に浸っていると、弟の声がした。
弟は、野生味のある目で私を見ている。
弟の口ぶりからして、弟だからしてもいいと感じている私は、おかしいのだろう。
弟に不審に思われていても、本心なので、弟に偽りなく伝える。
「構わないわ。お姉ちゃんも、あなたにするから。」
私が弟にされる一方ではないのだ。姉と弟の関係は一方通行ではない。
夜中に寝ている私に触れるくらいならば、意識のはっきりしている今、好きなだけ私に触れればいい。
こっちは弟に気を遣って寝ているふりし、声を抑えたり身体の震えを静めるのに苦労しているのだ。今ならば起きている姉にした行為なのだから、充分やり返すことができる。
私は、弟の首を舐めた。
姉は弟にされたことを、しっかり返すのだ。
しばらく舐めてから顔を上げると、弟が目をきつく閉じていた。
「こうされるの、嫌?」
私が弟にきくと、弟は艶っぽい目を開けて私を見た。
「姉さんは、姉さんなんだね?」
質問に質問で返すとは、生意気な!
私は優しいお姉ちゃんだから、許してあげるけれど。
「そうよ?」
何なの?
「キスして、どこまでも触っていいんだね?」
「いいと言っているでしょ。」
何度も確認をとって、何を心配しているの?
「言ったこと、忘れないでね。」
私は、物忘れするような病気を患っていないわよ?
弟が今まで見たことがない大人の表情で笑う。
弟の顔を見て、私は言ったことを少し後悔した。私の知らない弟が増えていく。
知らないのならば、知ればいいのだ。
私は本気で弟の身体について知ろうと努力を始めた。
私の了承を得た途端に、弟の夜中の行為が大胆になった。
これは愛情確認のスキンシップなので、弟がどれだけ私を求めても、私は姉としてきちんと受け止めてあげた。
私は弟について知ろうと、弟の身体を裸にすることを考えた。
裸といえば、お風呂だ。服を着てお風呂に入ったりはしない。
弟が中3の大晦日に一緒に入ろうとしたのに、弟に強く拒否された。
今ならどうだろう?
単純に、男性の身体ということならば、付き合っている人に身体を見せてもらえばいいのだろうけれど、私が知りたいのは、弟のことなのだ。弟が脱がないと意味がない。
私は弟と何かある度に、弟とお風呂に入ろうと画策したけれど、今のところ、成功していない。
弟の周辺に女の子の気配がするたびに、私の心がささくれる。
弟には、いい女の子を選んで欲しいと思う。
弟が高校3年生の前半の一時期、弟が本気で誰かと付き合うつもりになったので、応援しようと彼女候補を教えてもらった。
「姉さんに似て、可愛いんだよ。」
スマホで撮った二人の写真を見て苛立った。
お姉ちゃんに似た女の子がいいのなら、ここに本物のお姉ちゃんがいるのだから、ニセモノはいらないのだ。
「一緒にお風呂にはいろうか?」
私は弟をお風呂に誘う。
ハダカの付き合いをして、じっくり本物のお姉ちゃんを教えないと。
「本気で言ってるの?」
弟が、急に艶を増した目で私を見たので、私はたじろいだ。
私の弟は、弟なのに私を情熱的な目で見ることがある。私はそれを心地好く感じてしまい、自分を恥じる。
私はなにがあっても姉だ。自分に活を入れて、弟に向かい合う。
「もちろん本気よ。以前は一緒に入っていたでしょ。」
弟はじっと私を見つめるので、私は自分の企みを看破されたような気がして落ち着かない。
「姉さん、僕に彼女ができるとうれしい?」
ええ、もちろん、うれしいわ、、、?
私は首を傾げた。
「うれしくない?」
何故?
私は疑問点について考えはじめたが、弟が私の頭を撫でるので、気をとられて考えるのをやめた。
「姉さんが嫌がる女の子とは付き合わないから安心していいよ。」
安心できない。不安が広がる。
弟は、もうすぐ他の人のものになる。
弟が私から離れて行ってしまう。
私は弟に、家族を作ってあげられない。姉は、姉にしかなれない。
だから、弟には結婚相手が必要で、女の子に慣れるためにも彼女がいた方がいい。
私はきちんとわかっているから大丈夫。
ただ、苦しくなるだけだ。
弟が私に口づける。私の身体に触れていく。
私はきちんとわかっているから、苦しくても大丈夫。
弟が正しい道を歩んで幸せになることが、何よりも大事だから。
私も弟の身体に触れて、弟に口づけを返し、私の愛しい弟に溺れていった。




