表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
振り向かない彼女を飼う方法  作者: 一会
第2章
29/81

29 弟 14



 僕の18歳の誕生日、姉はとても嬉しそうにしていた。

 今日は受験勉強以外、何の予定も入れていない。

 毎朝僕の部屋に来て、かけ布団をめくって姉は起こしてくれるけれど、この日はキスから始まった。

 

 僕は唇を舐められた感触で、意識が浮上してきた。

 夢の続きだと思い、目を閉じたままキスをしながら姉の身体を撫で、服の境目から手を入れて素肌に触った。

 生々しい、温かくて柔らかな感触に興奮してさらに触り、姉の胸をまさぐった。

 姉のあえぎ声が耳元でして、僕は目を開けた。

 僕は姉がなまめかしい顔をして、僕にうっとりしているのをみて、失態に気づいた。


 「18歳の誕生日、おめでとう。これであなたも成人ね。」


 姉は僕の服を脱がせようとした。僕が服を手で押さえると、姉は自分の服を脱ぎ始めた。


 姉は、一枚一枚さっさと脱いで、下着姿になった。


 「愛してる。」


 姉は愛おしそうに僕を見つめ、僕に身体を差し出した。


 「姉さん。」


 僕は、姉がこの時を待っていたことを、薄々感じていた。

 自分からは手出しせず、僕に手を出させようとしていたのは、僕が未成年だったからだ。


 

 姉は、僕をずっと欲しがっていた。僕は自分の性欲から姉を守るのに必死で、今も、誘惑に打ち勝とうとしていた。

 僕たちは、血が近すぎる。二人が欲するままに、してはいけない。


 

 僕は目を閉じて、自分の理性をかき集めた。

 姉は、僕の上に身体を合わせて、僕の顔にキスし始めた。

 服の上から僕の身体を触り、僕の下半身に手をのばした。

 僕はここまでだ、と思い、姉を強く抱きしめた。

 これ以上は、本能が勝ってしまう。

 抱きしめた姉の素肌が気持ち良くて、僕は自分自身と戦った。


 姉の匂いに包まれて、僕はぼんやりと、過去を思っていた。

 姉はいつも僕のそばにいてくれた。僕が寂しくないように、危なくないように、手をひいて歩いてくれた。

 姉はいつから僕のことを好きになったのだろう。


 僕は、自分の気持ちを姉に伝えていない。

 僕が姉と恋人関係になろうというのなら、ここから始めないといけない。

 身体の欲に負けた後で言うのは、情けない。

 


 「姉さん。僕は、姉さんを、愛してる。」



 抱きしめたまま、姉の耳に直接ささやく。

 姉が身体をかたくする。

 僕は姉の耳朶(じだ)を噛んだ。

 優しく背中を撫でて、僕は姉を慈しんだ。

 これが、僕の答えだ。



 姉は身体の強張りを解かず、そのままでいた。僕は興奮がおさまったので、姉を起き上がらせて服を着せ、姉を抱擁した。

 身体を離して、姉を見て言う。


 「僕は成人した。一人の男として、あなたを愛するよ。」


 姉はそのまま涙を流し始めた。


 「ごめんなさい。」

 「どうして謝るの?」


 僕は理由がわからないので尋ねるのだけれど、姉は謝罪の言葉を繰り返すだけで、教えてくれない。




 姉は、午後に出かけて行った。どこに行くのか僕は知りたかったけれど、「友達のところ」としか教えてくれない。

 僕は姉の様子がおかしかったので、心配になってきた。

 夕方になって雨が降り出した頃、姉は帰ってきたので、僕は姉を追って姉の部屋に入った。

 姉は着替えているところだった。

 姉は僕を見て、肌を隠すように直ぐに服を着た。


 「受験に集中したいわよね。こういうこと、当分やめるね。」


 姉の心境の変化についていけなかった。

 ただ、ここで姉をあきらめてはいけないことだけはわかった。

 僕は姉の無茶な要求に従って、思いきったことをすることにした。

 僕だけの理性では心許ないので、姉の理性を信じた。僕は弟で、時には姉に頼る権利があると開き直る。


 姉の要望通りにしようとしたけれど、姉に着せたキャミソールがシャワーで濡れて肌にくっつき、裸でいるよりもとてもなまめかしくて、バスタオルにしなかったことを後悔した。僕は理性を保つのにかなり苦労した。

 姉は、僕の変化にかなり驚き、あきれ、最後は二人で笑った。 

 僕たちは姉弟(してい)の関係のままでも幸せだった。




 夜遅くになって、珍しく父が僕の部屋に来た。誕生日の祝いの言葉も後で、気まずそうに、僕に忠告してきた。


 「これは、かつて妻の親友に言った言葉だ。」


 そう前置きして、父は神妙な顔をした。


 「見たら触りたくなる。触ったらしたくなる。

  姉が大切だったら、姉を守れる自分になりなさい。」


 僕は父の言葉に頷いた。

 姉の裸は、いつでも刺激が強すぎた。

 僕はこれからも弟でいる。弟のまま、一人の男として姉を愛する。 

 僕は時々姉の裸を見せてもらい、慣れてしまえばいいと考えた。慣れてしまえば、僕の理性も簡単にとばないはずだ。




 僕は姉にずいぶん執着しているようだ。

 姉が結婚したら、僕はどうなるのだろう。

 僕は姉に捨てられるのかもしれない。

 辛いだろうな。かなり辛いだろうな。

 僕は姉を僕から奪う男を義兄さんと呼ぶことになるんだ。

 仕方がない。僕は弟だから。


 せつなくて、僕は姉の部屋に行った。

 寝ている姉のベッドに入って、寝ている姉の頬を指で撫でた。

 少し微笑んだので、触れるように唇を合わせ、そのままじっとした。



 姉さん、結婚なんて、しなくていい。

 いつまでもこの家に僕と一緒にいて。



 口に出したらいけない言葉を、僕は姉の口に入れ、姉の唇をなめた。


 「愛してる。」


 告白して、また口づけた。

 どんどん口づけが深くなっていくと、姉がうっすらと目を開けた。 

 僕だと気づいて、微笑んだ。

 姉は僕の肩に頭をのせて、目を閉じた。 

 僕が姉を抱き寄せて守るように腕で囲うと、姉は幸せそうな寝顔になった。

 僕は姉から離れることなく、一晩中姉を腕の中で寝かせた。

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ