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エピローグ

 エピローグ


 7月18日、金曜日。ひかり中学校では1学期の終業式が行われた。その後、教室で通知表が配布された。サンガンピュールにとってはもちろん初めての経験だ。

 1年1組教室では通知表配布の時間となると生徒全員がソワソワし始めた。受け取った生徒の中には「やったー」という歓声を挙げる人がいる。その一方で「ええーっ」という悲鳴、疑問の声を挙げる人もいる。男子全員への配布が終わり、いよいよ女子の番だ。

 「今田」

 女子の中で出席番号が最も若い(31番)今田愛美が通知表を受け取った。

 「・・・・・・」

 今田は何も言葉を発せなかった。よほど酷い成績だったのか、すぐに通知表を閉じてしまった。ジャニーズのアイドルの追っかけはしばらく休止だろう。

 続けて、

 「岩本」

 32番の岩本あずみが呼ばれ、通知表を受け取った。

 「ねぇ、あずみん、どうだった?」

 長谷川美嘉がいつものように声を掛けた。

 「うん。見てよ、この通り!」

 あずみは美嘉に対して通知表の内容を見せた。

 「うわぁっ、まぶしい!」

 美嘉がおどけて見せた。あずみの成績は5段階評価のうち、3以下が一つもなかった。全教科、4または5だった。

 その後も発表は続き・・・、

 「塩崎」

 37番、塩崎ゆうこ。いよいよ自分の出番だ。通知表を受け取る際、

 「塩崎。3か月間、お疲れ様。大変なことがいくつかあったけれど、中学生活はまだまだ始まったばかりだ。取り返すチャンスはいくらでもあるからな」

 そのように声を掛けられた。恐る恐る通知表の中身を見てみた。そしたら、


 「何これっ!?」


 少し唖然とさせられる結果となった。

 この後、長谷川美嘉(38番)、初台春(39番)と自分の友達が次々と通知表を受け取った。


 「ねぇ、ゆうゆうも見せてよ」

 美嘉が今度は自分にちょっかいを出した。

 「えぇ~、やだよ」

 「じゃあさ、あたしのも見せてあげるからさぁ」

 「・・・しょうがないわね」

 「じゃあ、見せるよ。せぇーの!」


 塩崎ゆうこの成績はひどいものだった。社会科で1、国語、英語、理科がそれぞれ2だった。英語はキーン先生の授業で大失態をしたのだから低評価は当然か。一方で数学は4という高評価。数学は計算さえできれば大丈夫な科目だ。これが中学生にとって最初の評価だった。

 思えばこの1か月間は目まぐるしかった。インタビュー収録に加え、勝手な出撃もあった。心に大きなダメージを負ったこともあった。課題とすれば、心を強くすることだろう。これは森先生からも言われた。茂木刑事からも、Kからも、詩織おばさんからも同様のことを言われた。


 「あちゃー、長谷川さん、ボロボロだねぇ」

 「春ぅ、見ないでよ!」

 「何なのさ、見せあいっこしようって言ったくせに」

 長谷川美嘉と初台春がジョークを言い合っている。でも自分にはジョークのセンスはない。人間関係もとても不器用だ。これも何とかしないといけない。


 「・・・あたし、もっと強くならないと」

 サンガンピュールはそう自分自身に誓った。

今回も、最後までご覧いただきありがとうございます。

 今回はミステリーの要素を取り入れたものの、話の筋があちこちに飛んでしまったように感じます。他に小説を投稿されている皆様方の作品を拝見させていただき、努力してまいります。


 サンガンピュールの人物設定画を公開することができれば、と思います。

 彼女は黒髪でセミロング、赤い瞳で身長が135cm前後の女の子。アニメ化されたキャラクターでは、夜叉神天衣(りゅうおうのおしごと!)がイメージに最も近いです。

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