激戦!地獄の塔の本当の戦い。
倒したと思ったら、パワーアップして出てきたケルベロスにユート達は…!
『汝ラヲ真ナル我ト戦ウニ相応シイ挑戦者トシテ認メタ。サア、真ナル我ラニ勝利セヨ!』
いきなりそんな声が聞こえたかと思うと、巨大な魔獣が3匹天から降って来たわけだが。
そんなの聞いたことないよ!と言っても後の祭りな訳で…。
そんなわけで、【地獄の番犬ガルム】と【地獄の番犬オルトロス】と【魔獣王ケルベロス】が出現した。
どれも初めて見る魔獣だが、ひとつ言えるのは黙って見てるわけにはいかなくなったという事だ。
「さて、セツナどうする~?」
「呑気に言ってる場合かっ!?なんだ、あのデカいのは?!」
そう言ってる間に魔獣王ケルベロスが咆哮をあげる。
先ほどのソレとは次元の違う威力に、セツナ以外は硬直してしまった。
「はぁ、しょうがないかぁ…。みんな聞け!赤いのがS+ランク【地獄の番犬ガルム】、黒いのがS+ランク【地獄の番犬オルトロス】、真ん中の三つ首がSSランク【魔獣王ケルベロス】だ!まずは、ガルムから狙っていけ。ケルベロスは俺とセツナが抑える!」
「「「はい!」」」
硬直が解けてすぐに全員が動き出した。
俺はニケにカミオ達を守る様に言いつけると、竜玉を取り出し【幻龍イドラ】を呼び出した。
霞がかかった龍がその場に現れた。
リンとセツナ以外が驚いていたが、詳しく説明している暇はない。
知らないメンバーに向けて、大声で俺の龍だ!とだけ伝えた。
『ほう主殿よ、面白い事になっているな。』
「面白がってないで手伝ってくれ。ガルムを倒すまでの間に、オルトロスを倒しておきたい。それまでケルベロスを”幻術”で抑えれるか?」
『簡単に言ってくれるのう主殿。分かった、出来るだけやってみせよう。』
「ああ、頼んだぞ!」
俺はそう言うと、セツナの元に駆けつける。
セツナも既に戦闘モードに頭を切り替えている。
「いいか、俺がひとりでオルトロスをやる。倒すまではケルベロスの注意を引いてくれ。【幻龍イドラ】が”幻術”で抑えてくれるが限度があるだろう。ある程度攻撃して注意を分散させるんだ。」
「分かった、やってみせよう!」
セツナは臆せず直ぐにケルベロスに向かう。
自分の5倍はある巨体に挑んでいけるだけでも大した度胸である。
「レーナ、アーヤ、盾になれ!リンとショウタは攻撃に集中しろ!ダイキ回復を切らすなよ!攻撃は二人に任せろ!ユウマは、相手の攻撃の邪魔を優先していけ!」
レーナとアーヤがガルムの攻撃を真っ向から受け止める。
二人掛かりでやっと拮抗するが、それで充分だ。
攻撃を止めたことを確認するや、リンとショウタが両脇から攻撃を仕掛けた。
「うおおおおおおおお!”流星乱舞”!!」
「はっ!”紅鈴の舞”!!」
二人が流れるような体さばきでコンビネーションを繋げていく。
常人には目で追う事が出来ない速さで、ガルムの体を切り刻んでいった。
グオオオオオオオン!と堪らずガルムが呻き声を出すが、全員手を緩めない。
逆に、その隙を逃さずに追撃を仕掛けた。
「行け!〈イーグルショット〉!」
ユウマが弓でガルムの目を射抜く。
堪らずガルムはさらに怯んだ。
「凍てつけ、アイスクラッシュ!」
ガルムの足を狙ってダイキが氷魔法を放った。
地面に縫い付けられてガルムは動けなくなった。
「はぁあっ!みんな、これで仕留めるよ!”天舞無双”!!」
リンが新たに生み出したコンビネーションで止めに入る。
他のメンバーもそれに合わせて、畳みかけるように攻撃を繰り出していった。
「よし、あっちは大丈夫だな。俺も本気で行くぞ! 〈オーラスラッシュ〉!!」
双剣に氷属性を付与し、さらに錬気術を発動させて攻撃スキルでオルトロスを攻撃する。
スキルで水と氷属性が弱点と確認済みなので、弱点属性で攻撃することでダメージが跳ね上がる。
グガアアアアアア!!っと呻き声をあげるオルトロス。
さらに、魔法で追撃する。
「埋めつくせ!アクアブラスト!…穿ち抜けサンダーボルト!…浄化せよ、ホーリレイ!!」
水圧で切り裂さいたあとに、そのまま電撃を使うことで効果を倍増させる。
スタンした状態のオルトロスに更に光魔法で大ダメージを与えた。
オルトロスも黙ってこちらの攻撃を受けるだけではない。
反撃とばかりに俺に向かって放射状に炎のブレスを吐いてきた。
目の前いっぱいに広がった炎を見て流石に回避が出来ないと判断し、割り切ってそのまま直進して突撃をかけた。
「あっちちち、やってくれる!…アークヒール!」
自分に回復魔法を掛けて、ダメージを相殺しつつそのまま双剣で切り付けた。
お返しとばかりに巨大な鉄のような尾を俺に目掛けて振りかぶってきた。
「あっぶないっ!」
それをスライディングして、ギリギリで躱しつつオルトロスの真下に滑り込んで、神秘魔法で爆破属性を付与してから縦に切り裂いた。
「おりゃあああっ!〈錬気斬!!」
腹を切り裂かれて地面に血だまりを作るオルトロスはグオオオオオン!と悲鳴に近い咆哮を上げている。
これで止めとばかりに俺はスキルを発動した。
「吹き飛べっ!〈錬気砲〉!!!」
ゴオオオオオオオオオオウッ!と轟音を立てて、極大のオーラがオルトロスを飲み込んだ。
ドオオオオオオオオオンと大きな音を立てて、巨大な魔獣はその場に倒れた。
真後ろから極大の波動を受けた【地獄の番犬オルトロス】は体に大きな穴を空けて絶命するのだった。
「よし、これであとはケルベロスだけだな!」
【地獄の番犬ガルム】もレーナ達によって、丁度倒されたようだ。
「いよっし!倒せた!」
「やったね、倒せたねっ!」
「こらっ!貴方達まだ敵は残ってるのよ。気を抜くのはまだ早いわっ!」
「「了解!」」「「はい!」」
目の前の巨大な魔獣を倒して、一瞬緩んだ気を引き締め直すレーナ。
さすが11歳にしてリーダーをやっているだけある。
あの子は色々教えれば、更にいいリーダーに成長するだろうな。
色々と教えてあげるのが楽しみだ。
リンも場慣れしてきているので、既にカミオの方に向かっている。
彼らを守れば俺が動きやすくなると分かっているようだ。
「よし、レーナ!みんなを連れてカミオ達のガードにつけ!ニケと交代するんだ!」
「もうオルトロスを倒したんですね。…分かりましたわ、おじ様!さあ、みんな行くわよ!」
レーナに促されて、全員カミオ達のガードに回る。
ダイキは到着するとすぐに魔法で結界陣を張っていた。
カミオ達の前に、レーナとアーヤが大盾を取り出して防御態勢を取る。
何があってもすぐ動けるように両端にはリンとショウタが控えていた。
ユウマも流れ弾を落とすために、弓で狙いつけていた。
「よし、【魔獣王ケルベロス】を倒すぞ!ニケ!セツナ!援護頼んだ!イドラよ戻って来い!」
「承知した!」
「分かりました主様、支援いたします。」
ニケはすぐに人型に変身して、大精霊の力を解放した。
その際に、俺とセツナに魔法障壁を張ってくれた。
イドラは呼ばれると竜玉の中に吸い込まれていった。
これにより、”幻術”が一時的に解除されてしまうのでケルベロスはこちらを認識出来るようになる。
セツナは武器を剣から槍に持ち替えた。
どっちも使えるらしいが、槍スキルのほうが高いし扱いに慣れてるのだと言っていた。
俺は散会した二人を確認すると、各種ブーストスキルを発動する。
「〈アニマブーストⅣ〉!、〈ビーストコマンダーⅤ〉、〈スピリチュアルコマンダーⅣ〉!〈天啓〉!」
それからとっておきをスキルを解放する。
「全力で行くぞ!…イドラ、俺に力を貸せ!〈幻体龍神〉!!」
まずは〈幻惑術〉を使い”幻体”を呼び出した。
すぐに〈闘神〉も発動して各ステータスを倍増していく。
さらに〈転送術〉を使って、”幻体”をケルベロスの死角に送り込んだ。
「お前の相手はこっちだ!〈サザンクロス〉!!」
まずは気を引くために、セツナが仕掛けた。
怒涛の突きを繰り出し、ケルベロスの体に無数の穴を空けていく。
そこから血が噴き出すと同時に、ケルベロスは咆哮を上げる。
セツナはそれを回避しつつ、距離を取った。
その後すぐに今度は逆側からニケが仕掛けた。
「主様に仇名すとは愚かな。散りなさい…〈ミラージュエクリプス〉!!」
電磁波のような細かい雷に覆われ七色の光に包みこみ込んだ。
その光の中で七色の雷に焼かれグルアアアアッ!とケルベロスは喘ぐ。
しかし、そのままではいなかった。
グオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!と咆哮を上げると体に黒い稲妻を纏わせた。
黒稲妻は、辺りにバリバリバリバリバリバリと放射していった。
「あれは、マズイな。セツナ!あれには触れるな!」
「分かっている!」
セツナは槍を使ってバック宙をして躱している。
意外と器用な事をするんだな。
辺りに散りばめられた巨大な稲妻は地面を焼いて削ってくる。
当たれば即死級のダメージを食らいそうだな。
当たらないように回避しているとそれを見越していたのか、今度はケルベロスは3つの大きな口から放射状に黒い波動のブレスを放ってきた。
ヤバい!そっちの射線上にはカミオ達がいる!!
「くっそ!…耐えきれぇぇ!〈錬気障壁〉!!!」
咄嗟にバリアを張って、身を挺してブレスからカミオ達を守る。
一瞬でニケが張ってくれていた魔法障壁が打ち破られ、自分の張ったバリアでなんとか防ぎきる。
カバーしきれなかったブレスは、ダイキの結界を破壊したが、ガードしていたレーナとアーヤのお陰でカミオ達はダメージを食らう事は無かった。
「ナイスだレーナ!アーヤ!」
「こっちは大丈夫だから。頑張って、おじ様!」
「ユートさん、こっちは私達に任せて!」
「パパ!頑張ってー!」
子供たちに応援されて俄然やる気になったので、そろそろ反撃といこう!
今ので完全にこちらに気を取られているケルベロスに分からないように、”幻体”を送り込んでいた。
ふわっと、真後ろに現れた俺の”幻体”はケルベロスの尾の部分である大蛇を真っ二つに切り裂いた。
グギャオオオオオオオオ!と怒り狂うケルベロス。
「よし、畳みかけるぞ!」
俺がそう言うと、タイミングは計っていたセツナが仕掛ける。
「砕け散ろ!〈メテオストライク〉!」
天高く飛びあがり、槍を抱いてケルベロスの首に直降下する。
衝撃波を纏った槍は容易くケロべロスの右首を打ち砕いた。
「好機!…雷の大精霊たるニケが命ずる。すべてを貫く雷の炎で彼のものを撃ち抜け!〈天雷・閃〉!!」
ニケが極大の青い稲妻を纏った光閃を放つ。
貫かれたケルベロスの左首はそのまま吹き飛んだ。
そして…
「これで終わりだ!」
ケルベロスの真後ろに、俺が二人いた。
そして、その腕はそれぞれ青く眩い光を放っている。
「くらえっ!『〈錬気砲〉』!!」
ゴウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!と放たれた極大の光に貫かれるケルベロス。
圧縮されたオーラに撃ち抜かれた巨大な魔獣は、その体に大きな穴を空けてドオオオオオオオオオンという音と共に、その場に倒れるのだった。
【魔獣王ケルベロス】は、そのまま最期を迎え息絶えたのだった。
直後、やったああああああああああああああ!と後ろから歓声が上がった。
その後、倒した魔獣達の解体作業に取り掛かった。
久々の大物なので、大量の素材が採取出来たのは思わぬ収穫となった。
解体にはカミオ達にも手伝ってもらった。
その分、素材などは分けてあげる約束だ。
子供たちも慣れてもらうため一緒に解体作業をさせた。
リンもだいぶ慣れてきたのか前に見た時よりもスムーズに出来るようになっている。
途中アーヤが吐き気を催したようだが、淑女たるもの男子の前で吐くわけにいかないと耐えきっていた。
大した胆力である。
解体していると、それぞれの遺骸から宝箱が出てきた。
さっそく、ユウマに罠解除して貰ってから宝箱を開けた。
中には宝石やら金貨やらが大量に入っていたので、それらは今回参加したメンバーで山分けとなったが、ケロべロスの宝箱には腕輪のアーティファクトが入っていたので、それは俺が預かることになった。
帰ったらガントに鑑定してもらおう。
セツナにもSTRがあがるマジックアイテムがあったので、あげることにした。
「い、いいのか!?」
と言っていたが、今後もいっぱい働いて貰わないといけないからそれくらいは装備しておけと言ったら、微妙な顔をしていた。
未鑑定でも効果が分かるマジックアイテムは、適した職業のものに渡した。
「しかし、ユート殿は本当に強いんですね。あの見たことのないスキルは本当に凄まじい。…あのフウマ殿を倒したのも納得がいくわね。」
「まぁね、俺のとっておきだからな。」
「パパ、あれってリンも習得できる?」
「んー、厳しいかなぁ。習得スキルじゃないからね。」
「そっかー、残念。」
〈幻体龍神〉は、今の”幻龍”が死なないと次の”幻龍”が出ない為事実上俺だけのスキルである。
なので今のところ、俺以外が覚える事は出来ないだろう。
色々予定外な事が起きたが、今回の遠征は収穫が大きかったので良かった。
まさか、宝箱三つとは。
前回来た時には出なかったから、ここでは出ないと思っていた。
なので、今回の冒険は大成功で終わったのだった。
いつもご覧になって頂き、本当に有難うございます。
日々評価やブックマークが増えて、皆様に応援されていると感じることが出来ています。
執筆の励みになっています、本当に有難うございます!!
これからも、楽しく書いていきますので、
是非一緒に楽しんでいただければと思います。
次回は、平日投稿予定です。
よろしくお願いします。




