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おっさんテイマーは、はばからない!〜ソロテイマーだったのに、気が付いたら最強組織を作ってました〜  作者: 琥宮 千孝(くみや ちたか)
第二章 (ランクアップ編)

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カイト達のランクアップクエスト!(ランクアップ儀式編)

ランクアップ儀式の為に戻ってきたカイト達は…。

 明けて昼になり、起きたカイト達は食堂で軽く昼食を取ってからギルドへ向かった。


 カルマは、昼食を取った(なぜか一緒にご飯を食べた)後にギルドに向かう事を話したら、儀式が終了後にもう一度食堂に来るように言っていた。

 万が一、バレた場合に面倒なことになるからという事だった。


 そういうわけで、5人とグランだけでギルドに来ていた。


「クエストクリアを承認しました。おめでとうございます。これで数年ぶりのSランク昇格クエスト達成です。儀式についてはグランドマスターより説明がありますので、奥の部屋へご案内します。」


 先日の態度とはうって変わって、誠実な対応を受けた。

 奥の部屋へ全員通されて、ソファーに座って待つ。

 グランは、専用の厩舎で預かってもらっている。


 暫くすると、グランドマスターのドルガーがやって来た。


「おー、来たか!くっくっく。まさかお前達みたいな小僧がやっちまうとはな。久々のランクアップ儀式だ、お前達は運がいいな。聖女様に会えるのだから。」

「聖女様ですか。」

「一般人は、国の行事で遠くからしか眺める事しか出来ない尊きお方だ。浮かれて失礼の無いようにな。儀式の説明については、秘書のマーズに任せる。クエストクリアは承認だ!」


 そう言うと、入れ替わりで昨日も会った秘書のマーズが入ってきた。

 相変わらず少し困った顔で、せっかちな方なのでごめんなさいねと言ってきた。

 マーズは真顔になってから、では早速と言って説明を始めた。


「では、儀式について説明します。今回はカイト様にダン様が昇格となりますが、ご存知の通り神の恩恵を受ける事によりクラスアップします。」


 そこは分かりますよね?と視線で聞いてきたマーズにカイト達は頷く。


「はい。そして、通常なら神官が儀式を取り仕切りますが、Sランクからは王都の聖女様が行う事になっています。」

「あの…疑問だったのですが、それはなんでですか?」


 アイナが前から疑問に思ってた事をマーズに質問した。


「それは2つ理由があります。ひとつは現在な王国にはSランク以上の神官職が居ない為です。ランクが足り無い者が儀式を行うと、儀式自体が失敗する事が分かっているので出来ないのです。」


 なぜかは分からないが、現在の王国、つまり人間領にはSランク神官が居ないらしい。

 これはゼオスも同じ事を言っていたので間違いなさそうだ。


「そしてもう一つは、王国側で高位ランク冒険者を把握する為です。もちろん、王族が直々に儀式をとり仕切る事により栄誉を与えるという意味もありますが、実質は魔族に対抗できる冒険者を庇護する意味合いが強いです。」


 つまり、対魔族戦闘員の確保と言う事だ。

 本格的に戦争が激化すれば真っ先に依頼が飛んでくると言う事だろう。


「Sランクになったからといって、行動が制限される事はありませんが、王国からの依頼は優先的にやって貰うことがあります。当然報酬もかなり良いので、断った人を見たことが無いですけどね。」


 王国から指名で依頼されるのは、国民にとってとても名誉な事なのだそうだ。

 だから、どちらかと言うと普通は受けたいと言うらしい。

 

 カイト達も、報酬がいいなら生活の為にも受けたほうが良いだろうなと考えた。

 もちろん、内容によりけりだが。


「では、早速ですが儀式の準備を行います。既にクエストを発行した事は王家には通達してありましたが、まさかこんなに早く終わらせるとは思ってもいなかった為に、まだ準備が完了していないのです。準備が出来たらお迎えに上がりますので、宿場でお休み下さい。明日の朝には出来ると思いますので。」


 そう言われて、宿屋の場所を教えてから、カイト達は一旦戻ることになった。

 ギルドを出ようとしたら、ギルド職員が慌ただしく駆け回っている姿が見えた。

 どうやら思っていたよりもお祭り騒ぎになりそうだと、カイトは溜息をつくのだった。


 宿屋に戻ると、カルマも戻ってきていた。

 話を聞いて、それは残念だな【迷宮ラビリンス】へ先に行けば良かったかと呟いていたので、カイトは心の中で冷や汗を流した。


「明日までは時間もあるし、各自装備の補修等に時間を使おうか。アイテムの補充して、明日の儀式を終えたらまた出発になるだろうしな。」


 カルマの様子だと、終わってからすぐに行くと言うだろうと考えていた。

 それなら今日のうちに済ませておこうと考えたのだった。


 カイト達は一旦そこで解散し、それぞれの買い物に出掛けた。

 と言っても、買うものは大体は一緒なので他の買い物もある女性達と二手に分かれただけだが。


 アイナとミラは、ボロボロになった服を新調しようと女性用の装備店に足を運んだ。

 そこには、サニアには無い華やかな色をしたローブや、ケープなどがいくつもあって、あれは素敵だわとか、これが似合うんじゃないかなと女子らしくショッピングを楽しんでいた。


 そこでミラは不思議なアミュレットを見つけた。

 他の物は綺麗な色で飾られているのに、それだけはやけに地味だった。

 それなのに、妙に気になるのだった。


「お客様、それに目を付けるなんてお目が高いですね。」


 そこで、洋服屋のテンプレとも言える店員が現れた。

 どうやら、それよりももっとお似合いになる装備が有りますよと勧めているようだが、ミラの耳には全く入って来なかった。


「このアミュレットを下さい。」


 ついに最後まで店員の話は聞かずにそのアミュレットを買うのだった。


「いつも倹約家のミラにしては珍しいね、衝動買いなんて。」


 そう言うアイナは、必要な装備以外にも着替え用とか言って可愛いワンピースとかを買っていた。

 

「これだけ不思議な魔力を持ってるから。特別なのです。」


 そう言うと、早速首につけてから手にとって眺める。

 光が入り込み淡い緑に光っていた。


 その後二人は、屋台でユート達も気に入った"クリーム巻き"を見つけ、はしゃぎながら食べながら他のアイテム補充など済まして、宿に戻るのだった。


 ───男性陣はというと


 アイテム補充と装備の修繕を依頼したあと、屋台で肉を見つけてそれを食べながら明日の儀式について話をしていた。


「結局、終わるのは明日の午後だろ?だとしたら、明日出発は辛くないか?到着夜だぜ?」


 ダンは、儀式よりも冒険の方が心配らしい。

 正直にいうと、カイトも同じ気持ちだった。

 強行して全員疲れた状態では、戦闘の精度が落ちるだろう。


 あそこは、一度攻略に失敗している所だ。

 ユートがいなければ、仲間達には二度と会えなくなっていた。


 明日の儀式も通過点でしかなく、最後のSSにまで上り詰める気持ちがある。

 だが、それ以前に()()()()()()()()()()()()()()


 だからこそ、ユートは常に無理をするなと言ってるんだろう。

 そう思いながら、明日の計画を立てるのであった。



 その日の夜は、前夜祭だ!と言い出したダンに呼応してみんなで美味しい物を沢山食べた。

 風呂が無いのだけが残念だ。


 儀式もあるので、全員身体を拭いて綺麗にしてから寝るのだった。

 心の何処かで、早く終わらせて拠点ホームの風呂に入りたいと思ったのは一人では無かった。


 翌朝、全員揃って朝食を食べている所にギルド職員がやって来た。


「カイト様に、ダン様ですね。」

「はい。」「ああ。」


 ギルド職員が来たことでやっとかと思いつつも返事をする二人。

 相手が間違いないと確認をしたので続けて目的を告げた。


「儀式の準備できましたのでギルドへお越しください。」

「分かりました。すぐに行きます。」


 カイトが代表して返事をした。

 残ってた朝食を食べて、出かける準備をして全員でギルドへ向かった。


 ギルドに着くと、ドルガーが待ち構えてた。


「やっと来たか。さて、聖女様がお待ちだ。すぐ行くぞ。」


 カイト達は、ドルガーと秘書のマーズ、他数名の職員に案内されて隣接された教会へ向かった。


 中に入ると大勢の貴族らしき人物たちとが既にいて、見定めるかのようにカイト達を見ている。

 カイト達は品定めをされているようで、少し気持ち悪さを感じのだった。


 奥には立派な祭壇があり、その前にきらびやかな格好をした女性が立っていた。


「カイト、ダン、祭壇へお上がりなさい。」


 カイトとダンが祭壇の前に来ると、その女性は二人を祭壇に上がらせた。

 二人が上がると、女性が見に来ている貴族や王族たちに向けて宣言した。


「今日、勇者達以来数年振りとなるSランクへ昇格する者が生まれる。神の恩恵を受けるこの者たちにより、王国にはさらなる安寧と繁栄が約束されるだろう!皆の者、この者たちと王国を讃えよ!」 


 そう言った瞬間に教会が震えるほどの音量で、歓声とともに王国万歳!!と何度も唱和された。

 

 暫くして、女性が片手を上げて皆を鎮まらせる。

 そして再び話しだした。


「ではこれより、聖女たる私、アリアネル・ハイセリアが宣託の儀式を行う!」


 そこからは、荘厳な雰囲気のまま儀式が行われた。


 いつもどおり、特殊な魔法陣の中に入ると天から光が降り注ぎ、身体を包んでいく。

 暖かな光に包まれると体の奥から力が湧いて来るのが感じられた。


 しかし、そこからがいつもと違った。

 頭の中に、声が響き渡った。


『類まれなる力を持った人の子よ、汝にさらなる高みへ導くため、新たな力を授けましょう』


 血が全身を駆け巡り細胞が生まれ変わるかのように活性化する。

 そして全身が焼けるように熱くなる。


「うおおおおおがああああああっ!!」


 堪らず雄叫びを上げるカイト。

 そして、ダンも同じく雄叫びを上げていた。


 アリアネルは、身体の滾りが収まり正気に戻った二人に向かって、手を平を下向きにして二人を指し示した。


「どうやら、成功したようですね。あなた達は人の壁を一つ越えました。おめでとう、カイトそしてダン。…さあっ!宣託は降りた!これよりこの者たちはSランク冒険者である!」


 その言葉を皮切りに、再び教会内は歓声に包まれるのだった。


 その後、聖女アリアネルよりSランクの冒険者プレートを授与されて儀式は終了になった。


 自分達が外に出るまで拍手が鳴り止まず、少し照れくさく感じるカイト達だった。


 だが帰り際に、様々な貴族から専属の冒険者にならないかと声を掛けられ、断るのが大変ですぐに気分が冷めた。

 ユニオンに所属しているのでと断ったが、かなりしつこく食い下がられてしまったのだ。


 まだ他のメンバーのクエストが残っていると言ってやっと抜けてこられたが、全員が終わったときの事を考えて憂鬱な気分の一行だった。


 聖女アリアネルから、王城でパーティーをやるから来なさいと言われたが、同じくクエスト終わるまでは無理だと答えると、では全員が終わったら開催するから絶対参加よ?と念を押して言われた。


 ちなみに話を聞くと、聖女アリアネルはファミリーネームが指すとおり王族の王女であるらしい。

 なので断ったら極刑にされるからな、とドルガーに脅された。


 今は兎に角この王都から出たいと思い、ランクアップの余韻すら感じられない程に急いで支度をして出立するカイト達だった。


「おや、やっと来たか。随分とくたびれているな。」

「あぁ。こんなに面倒くさいとは思いもしなかったよ。悪いがすぐに目的地に向かおう。」


 カルマが、疲れ切ったカイト達を見て可笑しそうにしていたが、早く目的わ果たしたいのは一緒だったので、快諾した。


「ああ、良いだろう。すぐ出立だ。さぁ、主のランクアップまでには間に合わせるぞ。」


 そう言って、街の外へ向かった。


 外に出てから、カルマは昨日と同じくナイトメアロードの姿になり、アイナとミラを乗せる。

 ダンとザインは召喚ナイトメアに乗り、カイトもグランに乗り込んだ。


 こらから向かっても、夜に着くが、あっちでキャンプすれば良いかと考えて次の目的地【迷宮ラビリンス】へ向かうのだった。


いつも見てくださっている方、有難うございます!


また、ブックマークしていただいている方、評価していただいている方、とても励みになっています。


本当に有難うございます。


今回は儀式の話が長くなったので、区切らせて貰いました。

次は、戦闘再開します!


飲み会が入ってしまったので、一日延期します。

次回更新は、11/16 25:00迄の予定です。


次回もよろしくお願いします!

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