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天使の塔へ(3)

ドミニオンを撃破した一行。

そこで手に入れたものとは?

 ドミニオンがいた場所に、一振りの豪華な杖がカランと転がった。


「おっし、圧倒的にこっちの勝利だな」


 俺は、みんなに勝利を告げた。

 やったーっ!と勝鬨があがった。

 ガントが落ちてきた杖とか装飾品などを拾って鑑定している。


「こいつは…、マジか。すげぇな」


「どうしたガント?いい物だったのか?」


 これ見てみろと、杖を見せる。

 サイズが小さくなっているが、ドミニオンが持っていた杖だ。


「これ、アーティファクトだぜ?」


 !!アーティファクト!?


「まじ?」


「まじ」


 うおおおおっ、ケルベロスの時はアーティファクトどころか、マジックアイテムすら出なかったのに、なんてこった!


「効果は…、魔法術マジック神聖術セイクリッドの強化+20と、魔力+300とあるな」


「凄いな、スキル熟練度の上昇とか正に神業の品というわけか」


 そうだなと、頷き杖を俺に渡してきた。


「効果的に、これはお前用だな」


 だが、俺は突き返した。


「戦利品は、最後に振り分けよう。それと、魔法上がるし、メイス持ってるならお前が装備しててくれ。俺の両手は既に塞がってる」


 なるほどなと、頷いた。


「じゃ、振り分けるまでは俺が装備しておくぞ?必要になったら渡すからいつでも言ってくれ」


「ああ、わかったよ。…無くすなよ?」


 お前、変なプレッシャー掛けんなと文句言ってるが笑って誤魔化した。


「他にもマジックアイテムがあるな。指輪とか、魔法抵抗レジスト上がるぞ?腕輪も同じだな」


「シュウと、リンに、装備させておきたいな」


「前線出るからいいかもな」


 そこで、シュウと、リンを呼んだ。


「なーに、パパ?」


「何かいいのあったー?」


 二人がやってきたので、リンに、指輪を左の人差し指に。シュウの左手には腕輪をはめておいた。


「パパ、ありがとー!」


 というと、両手広げてからダイビングハグされた。


「ありがと…」


 シュウもお礼は言うが、抱きついてるリンを見て恨めしそうな顔でこちらを見ていた。

 俺は、保護者のつもりだがお前の恋敵じゃないぞ?


「よし、反対側の扉が開いたか。早速抜けてセーフポイントを探そう」


 ゲームなら、暫く待ってたら再度現れるとかあり得るので、ボスを倒したら外に出る。これは常識だ。

 逆に全く出なくなる事もあるので、次に来る人の為にも空けるのが普通だ。


 扉の外に出ると、光っている魔法陣がある。

 多分だが、外に出られるポータルゲートのようだ。

 いつまであるか分からないが、いざとなったらここに戻ってくればいいな。

 ゲームじゃないし、便利機能が、使えるようになった!と言うよりは、さっさとお帰り下さいとかそういう意味かもなぁ。

 と、つい益体もない事を考えてしまう。


「ここは、セーフポイントのはずだ。一旦休憩とって、魔力が回復したら出発する」


「了解!」


「「はい!」」


 カーゴを使うこともなく、飲み物を飲みながら30分ほど休憩してから出発した。


 11階層は、プリンシパリティばかりだった。

 特に変わった趣向もなく、スムーズに進む事が出来た。

 カルマとニケも、ほぼ一撃で倒してしまっているので、シュウとリンの訓練させつつゆっくり進んだ。


 12階層では、新しく、天使パワーが出てきた。


 天使パワー ランクB 種族:天使 HP:900/900


 こいつは、天使の癖になかなか防御力が高くて、物理攻撃も強い。

 ランクBの中でも最上位のステータスだ。

 魔法もかなり痛いので、総合的な強さをもっている。

 だがしかし…


「雑魚ばかりですね。いい加減飽きました」


 そう言うと、グラビディブラストを発動し、あたりの天使達を中心に集める。

 そこに、範囲魔法を撃ち込むのかと思ったら…

 ズガアアアアアアアアンッ!!と、魔力を纏った両前足を振り上げて、そのまま魔法毎踏み抜いた。

 その衝撃と、重力が反転したことで天使達は四肢を四散させて吹き飛んだ。

 天使の手足だったものが、灰になっていく。


 もう片方では、ニケが空中でパワー達をキャッチして、直接電撃を与えてから、地面に向けて投げつけるという荒業を披露してた。

 俺も、さっさと先に進みたかったので神秘術ミスティックで属性付与した双剣で相手を切り刻んでいく。

 相手が硬めなので、一撃でとはいかないが、両手に持った双剣を縦に2回転で斬りつけて、大体1ターンで片付ける。


「やぁー、とうっ、とうっ、てーいっ!」


 と、可愛い掛け声で戦ってるリンも、武技を使っていれば負けない様だった。

 この塔に来てかなりの相手を倒している。


 シュウとリンも、5階くらいからは常に戦闘しているから、ステータスが上がったはずだ。

 早く筋力と耐久力がMAXになって欲しいとこだ。

 15層まで行ったら、一旦そこらへんも確認しようと心にメモした。


 難なく、12層も突破した。

 10層区切りで、敵の出る量とか下がるのかな?

 いくらうちのペット達が強いとはいえ、進行速度がかなり速かった。

 10層からここまで、約1時間しか掛かってない。

 この調子なら15層まではあと1時間で行けるな。


 13層もパワーとプリンシパリティだけだった。

 数が僅かに増えたが、それでも障害に感じない程度だ。

 

「武技発動!〈連武〉!たぁーっ!とりゃぁ!」


 シュウは、コンビネーションの練習をパワー相手にやってる様だ。

 なかなか余裕が出てきたようだな。


「そうだ、シュウ。俺の知っているゲームでな、大剣でやる必殺技があってさ…」


 ごにょごにょと、技の詳細を伝える。


「へぇ!すごいいいね。やってみるよ!」


 シュウは、さっそく出てきたプリンシパリティへコンビネーションを使って攻撃している。

 まず、上段に片手で構えてから、右、左、右、左、右と斜めに斬り、そこから両手で持って横に1回転半しながら中段を斬り、最後に後ろ向きからの上段からの袈裟懸けでフィニッシュ!

 おー、すんなりやれたな。なかなか様になっていると思う。


「うん、これいいね!結構ダメージ入るし。ちゃんと繋がってるよっっと」


 そういいながら、天使一体を力溜めしてから横一閃で仕留めた。


「それで、名前は決めたか?」


 俺も、会話しながら双剣で胴を真っ二つにして、一体を灰にした。


「うん、決めた!〈無双乱舞〉!カッコいいでしょ!」


 ほう、意外といいね。元ネタが無双~~なので、ぴったりだ。


「ほう、いいんじゃないか?」


 そう言ってやると、よーし、練習しまくるぞー!と天使に方へ走っていった。

 あんまり突っ込み過ぎるなよーっというと、わかってるーと返ってきた。


 フロアを2つくらい先に進むと、大きめのフロアに出た。

 この塔の1フロアが大体コンサートホールくらい広いのだけど、1層毎に数フロア繋がって構成されている。1階層の広さは大体東京ドーム1個分くらいだ。1週するだけなら15分くらいだが、戦いながらだとその倍は掛かる。


 もちろん、ぐるぐる回らないと進めないわけじゃないから、一番真っ直ぐに行けそうなルートを選んでいる。

 …ニケとカルマがだけど。


 ちなみに、そのふたりは一番先頭で、大暴れしている。

 とは言っても、ちゃんと魔力を温存して魔法を控えめに使っている感じだ。


「ここのフロアで、この階層は終わりだね。あそこの階段上れば14階層だね」


 そういいながら、次のフロアに入った。

 そこで、いきなり辺りに魔法陣が現れる。

 そこからにゅーーぅっと、天使たちが生まれてきた。


「ああ、こうやってこいつら生まれているのか」


 いいながら、爆発付与したボーガンで、射ぬいていく。

 実体化してすぐに爆発して、数体が灰になった。

 倒せなかった敵は、シュウとリンが止めを刺した。


「ここまでで、羽と灰がかなり貯まったな」


 すでに、このパーティーで700近くの敵を倒している。


「主よ、この層も制圧したぞ」


「ああ、ありがとう」


 これで、この層もクリアだな。

 次で15階層だ。

 きりもいいし、次の16階層前あたりで一度休憩しよう。


 15階層に来ると、パワーしか出なかった。

 その代わり、持つ武器のバリエーションが豊富になっている。

 今も、槍を持ったパワーに槍を突き立てたれ、回避したと思ったら盾を、もったパワーに挟まれる。

 力任せに弾いたら、横から大剣を持ったパワーが斬り込んできた。

 その下をスライディングして、通り抜け様に双剣で両足を切断する。

 さらに、起き上がりに下から上に2条の剣閃を引き連れて斬り裂いた。

 灰になった天使を煙幕にして、盾のパワーの首を斬り裂き、蹴りで槍のパワーの方へ吹き飛ばす。

 怯んだ槍のパワーにボーガンを3発撃ち込み、爆破した。


「なんかユートのやつ、動きが尋常じゃないな」


 ガントが唖然として呟いた。


「あれで、武技アーツ無しなの?本当にユートさんて、テイマーなのかな…」


 と、遠い目をしながら(それでもちゃんと、敵を倒してるからエライ。)

呟いた。


「わぁ、パパカッコいいねー!あんな動き出来るんだ。私もやってみよ!」


 と、リンだけがハイテンションに感動してた。


 …しかし、なんか違和感があるな。

 いくら、個々の意識があるとは言え、ここまでガラッと戦い方が変わるもんだろうか。

 少し、用心しておこう。

 と、ユートだけは、パワー達のあまりの変化に警戒を強めた。


 ニケとカルマは、違和感を作っている存在がこの階層の真ん中にあるフロアに居ることに気が付いていた。しかし…

 さて、どうします?とカルマに目線を送るニケ。

 そのまま、行けばいいと顎で先を促すカルマのやりとりがあるだけたった。


 真っ直ぐ進んでいくと、扉の前に着いた。

 予想通り、ボスがいるようだ。

 ただ、10層にいたような召喚されて出てくるのと違い、既に中に居ることが感じ取れる。


「全員、ボス戦だ。補助スキル準備!」


 了解!という返事と共にスキルを使用する。

 カルマとニケは、魔力を溜めている。


 ゴゴゴゴゴッと、扉を押し開ける。

 中を見ると、一体の天使がその身を翼で包んで待ち構えていた。


『人の子よ、我等の住処に侵入して何を望むのか。如何なる理由とて我が主に仇なす罪、万死に値する!』


 ブワッと翼を広げた。


 大天使サマエル ランクS 種族:天使 HP:4444/4444


「サマエルか…。Sランク!アイツの鎌には気を付けろ!()()()()ぞ!」


 わかった!と全員頷いた。


 すると、サマエルが大きな鎌を横薙ぎに振った。

 それと同時に、前方の3方向に衝撃波が飛ぶ。


「防御するな!回避!」


 ユートから号令を受けて、全員回避する。

 衝撃波は、壁にぶつかりその壁を溶かした!


「うげえ、何あれ!壁が溶けちゃってるよ!」 


 シュウが溶けた壁に驚愕の声をあげた。


 しかし、攻撃はこれだけでは終わらない。

 今度は、被ってたフードを取り払い隠れていた素顔をさらけ出した。

 それは、まんま髑髏だった。

 黒く窪んだ目の穴には、光が灯ってた。


 そして、次の瞬間…

 ───キーーーーーンと耳障りな音か響き渡った。


「うがっ、がっ!」

「きゃあッ!」

「うわああああっ」


 ガントが直でくらい卒倒しそうになり、耐えたが、うずくまった。

 リンが悲鳴をあげて慌てて耳を塞ぐ。

 シュウも、びっくりしてたがなんとか耐えた。


「鬱陶しい奴。黙るがいい。…ホラーナイト」


 カルマが新しい魔法をサマエルに放った。

 悪魔のような顔だけの黒い影が宙を縦横無尽に飛び交い、サマエルを噛み千切っていく。


『ぐおぉ、なんと小癪な。だがこの程度の魔法では…』


 そう言ってる最中に、天高く駆け上がった…カルマ!?が、空中を駆け下りて来て、前脚によるプレスを喰らわせた。

 ドゴンオオオオオオオオオオオオオオン!!

 あたりに衝撃波が生まれるほどの一撃をサマエルに撃ち落とした。


『がぁあぁぁぁぁあぁっ!』


 サマエルは、地面にめり込みながら尚もカルマに踏みつぶされている。


「我が主に講釈を垂れるなど、身の程を弁えろ。グラビティフィールド!」


 踏みつけたまま、更に魔法を展開する。

 カルマの周りに重力の檻により、さらに潰されていく。


『き、貴様…ただのナイトメアではないな。一体お前は…』


 頭蓋が砕けて朽ちて灰になりながらも、カルマの正体を見抜こうと睨みつけるが、抵抗すら出来ない。


「貴様のような雑魚が知る必要はない。…消えろ」


 そういうと、より魔力を上げてついに頭を粉砕した。

 

 次の瞬間、サマエルは光の粒子と灰になり消え去った。


『私の出番が無いではないですか…』


 とニケだけが不満そうだった。


 サマエルがいた場所には、人のサイズに小さくなったサマエルの鎌と、死神風のフードローブが落ちていた。

 これ着たら、コスプレ状態だなと戦慄した。


「んー、アーティファクトではないが、マジックアイテムだな。これは、カーゴにしまっておくな」


 とガントは冷静に鑑定を済まして、そそくさと素材回収を終えた。


「なんか、カルマが強すぎて、相手がどのくらいの強さだったか分からなかったな」


 頭をぽりぽり掻きながら、困ったもんだと苦笑いする俺だった。


「主を侮辱するものは、我が許しませぬ!」


 と、胸を張っていうのだった。


 奥の扉を開けると、そこからは長い廊下になっていた。

 両サイドには天使の像が置いてあったが、お約束的な像が動き出すとかは無かった。


 そのまま一本道を進むと、また扉があった。

 そこを躊躇なくあけると、次の階層前のフロアになっていた。


「よし、ここで一旦休憩だ。さすがに2時間は戦ってるからな。こっからはAランクモンスターの巣窟だ。ここでキャンプして、昼飯にしよう」


 みんなも、慣れたようで準備を指示がなくとも進めていってくれた。


「パパ、今日は20階層まで行くのが目的なんだよね。それより上も行くの?」


 この調子でいけば、間違いなく行けるだろう20階層。

 時間があればさらに上に行くのかと聞かれたなら。


「当然、時間がある限りは攻略を進めよう」


「了解!」

「うん、分かった」

「…ほどほどで頼むな」


 皆は良い返事を返した、と思ったけど約1名は、そこまででは無かった。

 ガントは回収がかりなので気にしないが。


 全員で、軽い食事をしながらLBOとの違いについて話をしておいた。


「基本は、一緒なんだけど。でも、出てくる敵の種類が少ないのと、レアモンスター以外にあんなボス敵が出るとか、あと、話しかけてくるとか、違う所があるんだ。しかも、難易度上がってるし」


 全員が『えっ?下がったじゃなくて?』とか口走ってたが、それはカルマとニケが強すぎるだけで、本当はもっと苦労する。というか、死にかけてもおかしくない奴らだった。


「あのなぁ…、Sランクだぞ?しかも、プレイヤーと違ってHP底上げされてるから、普通はあんな瞬殺出来ないんだよ!」


 そういうと、カルマとニケの方を見てコイツ等まじ半端ないんすねと、尊敬と畏怖を込めて『流石で、ございます!』と、変な丁寧語で称賛した。


「そして、一番気になるのがここのあるじだ。普通、天使なら神とかしゅとか言うだろ。まるで、それとは違う存在がここを支配しているかの様だった。…まぁ、会うことはないとは思うけどね」


 目的地は、20階層だ。正確には18階層あたりから出てくる討伐対象だが、ボス戦はやってから帰りたいので、20階層と言っている。

 しかし、さっきはああは言ったが、日程的にも食料問題があるので、一度帰らないといけない。 

 なので、期限は今日の夜までと決めてある。


「さてと、そろそろ行くか。食後の運動としよーぜ」


 と、言って出発を促した。


「はーい!スキルあげ頑張る!」


「あ、俺もー!あと、ステ(ータス)結構上がった?ここ来てからグングン上がるんだけど」


「そうそう!私もだよー。特に腕力と、速度が伸びいいよ」


「俺は腕力と、耐久力かなー。速度はまぁまぁかな」


 などと、リンとシュウは、スキル上げ談義を繰り広げてた。

 

 なるほど、と聞く手間が省けたなと思う俺だった。



 ───18階層の真ん中のフロアには、一人の青年がいた。

 彼の周りには、無数の灰が散らばっている。

 青年の右手には、刀が握られている。

 艷やかな刃は、刃こぼれ一つない名刀と分かる。

 彼はひたすら精神を研ぎ澄ませ、敵が来るのを待っていた。


 そこへ、運悪く訪れた大きな天使は、獲物を見つけて直ぐに飛びついてきた。


 だがしかし、彼に攻撃が届く事は無かった。

 何故ならば、既にその天使は体を二つに分かれてしまっていたから。


「雑魚は、何回戦っても雑魚。早く出て来いよ、レアモンスター」


 彼は、空に向かってそう呟いた。



 ───

 16階層は、パワーとの戦いだけだった。

 もう慣れてきたので、すんなり通り抜けてほぼ抵抗なく階段まで行けた。

 現在は、17階層の真ん中のフロアだ。


 ここで初めて、天使以外が出てきた。


「なぁ、アレはなんだ?」


「いや、俺が聞きたいんだが」


 ガントが聞いてきたが、俺も()()()()()()()だった。


 特徴は、簡単。

 顔に羽根が生えている。

 以上。


 正直ないわー、と思った。

 これは、いくら俺でもテイムしたいとは思えないやつだ。

 一応、確認してみたが、テイム出来るようだ。


 …イラナイ。


「フィア」


 呼ばれると、前の方までするりと出てきた俺の愛猫は、何かな?と言いたそうに首を傾げた。


「…アレを焼き払え!」


 了解!っ言ったかのように、にゃにゃッ!と鳴いてからぷくーと頬を膨らまし、口の中に炎を溜め込んでから吐き出した。


 ブオオオオオオオオオッ!!!と、強烈なフレイムブレスを辺りに撒き散らす。

 すると、羽根が燃えて何匹も地面に落ちた。

 やったかと思ったが、そこで更なる怪奇が起きた!

 ぎぃいいいあああああぁぁぁ!!!と叫けぶように、顔だけになって半分焦げてる物体が不快な奇声発した。

 もはや、ホラー映画である。


「うぅ…。あれはイヤー!」

「うぅわぁーー」


 と、リンと…シュウまで俺の後ろに回り、ズボンの裾を摘んで隠れた。

 こら、戦えないだろ!気持ちはすごい分かるが。


 そういやと、生物鑑定してみた。


 天使ウルトゥス 種族:天使 ランクB HP:50/480


 おー、結構ダメージ入ったな。

 …つか、これで天使かよ!色んな意味で裏切られた気分だ。


 フィアは、落ちた顔たちにファイアボールをぽんぽんと飛ばし、次々に倒していった。

 こいつら、弱いけど精神的に()()な。

 ウルトゥス達は、灰になった。


 その後、何回も出てきたが、奇声あげるしかやらないのか、大した攻撃はしてこず脅威ではないが、ただただ精神的に疲れた。


 時たまパワーと一緒に出てきたので、爆発属性ボーガンで吹き飛ばしたら、そのあと、パワーがなんか強化されているように感じる。


 変だな、まさか死に際に能力を上げる補助魔法でも使ってるのか?

 もしそうなら、厄介なやつだ。

 さっさと倒してしまいたいが、倒すと他の天使を強化してくる。

 しかし倒さないと、鬱陶しいことこの上ない。


「ニケ!!」


 ちょっとイラっとして、ニケを呼ぶ。


『お呼びですか主様』


 はたから見るとクエっとしか鳴いてないように見えるニケが声をかけてきた。


「あいつら全員に、ライトニングブレスだ!一瞬で消し炭にしろ!」


『承知しました。仰せのままに』


「クロは、中心に追い込んで来い。カルマは重力魔法で中心に引き寄せろ!」


「ショウチシマシタ」

「はい、お任せを」


 クロが、威嚇しながら壁際を高速で走り回り、ウルトゥスをフロアの真ん中に追い立てる。

 カルマは、グラビティフィールドで中心に近づいてきた天使達をその場から動けなくした。


「ニケ、いまだ!うてーーー!」


 クアアアアアアアアアアアアアアア!と口を大きく開けて、雷の特大ブレスを吐き出す。

 巻き込まれた天使たちは、たちまち雷に焼かれて、そのまま灰になった。


 しばらくすると、あたりに静寂が訪れた。

 

 ───神聖魔法〈祝光〉!

 精神的に疲労した一行を魔法で癒し、少しだけ休憩してから先に進むことにした。

 次見かけたら遠慮なく、瞬殺する予定である。


 階層を上がる階段のところで、一度ポーションを飲んだほうがよさそうだ。

 もちろん、MP回復のためだ。


 ここら辺から、上級の天使が普通に出てくる。

 育ってない冒険者たちなら、一体を相手するのも大変だっただろう。

 

 しかし、うちには自分を含めてSランクが3人いる。

 そのため、普通の3倍くらいの速さでここまで来ているのだった。 


 ───17階層もそのまま突き進み、18階層にやってきた。

 ついに、目的の階層まで来た。

 このフロアの何処かにいるはずだ。


 しかし、数十分経っても一向に現れる気配がしない。

 というか、何もいない?


 変だなと思いつつ、警戒しながら進むと、この階層の真ん中付近に『誰か』がいた。


 この時は、まだ知らなかった。

 これから最悪なものとの出会いが待っていることを…。


いつもご覧になって戴きましてありがとうございます。

また、ブックマークをしていただいて、本当に励みになっています。重ねて有難うございます。


今回は、色んな魔法やスキルを登場させました。

天使たちがどんどん増えていくわけですが、段々強くなっていきます。

例のあいつらも、そのうち出るかもです。


天使の塔は、まだ続く予定ですので今しばらくお付き合いいただけたらと願っております。


次回更新予定は、9/1 25:00迄を予定しています。

次回もよろしくお願いします!


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