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たとえどんな世界でも  作者: 進藤 真道
第2章 付き合う為に剣を振れって!?……俺の努力は正しいの?
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閑話 神様のサポート〜瀬戸くんの場合〜その1

–瀬戸 蒼–


 9月1日朝

 校舎裏の七不思議の樹の下


「よう、来てくれたんだな水原……。実は俺、お前のことが前から好きだったんだ。俺と付き合ってください!」

「ごめんなさい。今すぐに、その、付き合うとかは考えられません。私あなたのこと、よく知らないし……」


 俺の『下駄箱ラブレターからの七不思議を使った相手への告白の意識付け!そこから出会い頭に告白をして、相手が戸惑っているあいだに抱きしめて、運動部的な情熱的アピールまで決めてやろう大作戦』において、最初の好きだ!は告白であって告白ではない。

 作戦の末部にこそ、俺の真なる告白は存在していた。


 出会い頭に告白して戸惑わずにフラれたのには驚いたが、俺は諦めてなんかいなかった。

 そこに、俺の心のこもった告白は無いからだ。

 まだ挽回できる。俺は彼女のフリかたが、酷くない事に気が付いていた。

 ここ、七不思議の樹の下で告白をすれば、フラれる時は酷いフラれかたをするのだ。

 ならば!さっきの彼女の言葉は本心ではない、誤りだ!俺がフラれる訳がない。

 夏のヒーロー、学校の注目の的が!中学の頃から俺の変化を間近で見てきた地味な女、水原左凪みずはらさなぎ、俺が「まぁこいつなら二つ返事で付き合えるだろう」と見繕ったこの女に、この瀬戸蒼せとそうがフラれる訳がないのだ!


 ならば話は簡単だ、彼女の心は揺れているのだろう。

『私なんかが瀬戸くん程の素晴らしい人に告白されるなんておかしい、だって全然釣り合わないんだもの……』と!

 オーケーだ。

 計画は最終段階に突入してもいい状況だろう。

 君は本気じゃないんだろう、と七不思議を引き合いに出して、彼女へと暗に伝える。そして、俺は諦めていないと情熱的に、心を込めて本気の告白をかましてやればいい。


「そっか、ふられたかぁ……。でも七不思議もあてにならないよな。ここではふられる時は、本当はこっぴどくふられるらしいぜ。きっと、まだ俺にもチャンスはあるんじゃないかな。俺は諦めたくない。これから君にもっと知ってもらえる様に仲良くなりたい、だから——」


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 ————————

 ——————

 ——……。


 その言葉は俺の口から出る事は無かった……世界が……止まっている?

 口を開こうとしても開かない、そして俺の視界はぐにゃぐにゃと、どんどん歪んでいく。


 そんな世界が歪んでいく中で、恐らく男であろう声が頭に直接響いてきた。


「君は今、告白をしたね!僕は君達の恋の手助けをしよう!」


 そんな言葉が聴こえてきたと思ったら、歪んでいた景色からその歪みがなくなっていく。歪みが消えた時、俺のいる場所は校舎裏じゃなくなっていた。俺の視界に映る景色は一面の白色。

 俺の心の様に純白な、まるで俺の素晴らしい心が投影されたような白い景色が広がっていた。

 成る程、ここは深層心理の世界……だな。

 俺は、秒で真実を導き出した。

 つまりここは俺の心をうつしているわけだ!その世界の純白さに、俺は自分の心の清らかさを噛み締めた。

 すると、先程頭に直接響いてきた声が、また聞こえてきた。


「やぁ、瀬戸蒼だね?これから僕は君の恋愛のサポートをさせて貰うよ」


 成る程成る程、恐らくこいつは、深層心理の俺だ。

 俺は、秒で理解した。

 俺は集中の天才だ。さっきの俺の告白に、無意識下で俺が待ったをかけているということか……つまりこの思考は、現実世界の何倍ものスピードで行われており、ここで過ごす時間は現実世界では恐ろしいほど短い時間となるのだろう!


「深層心理の俺よ!サポートとやらをしてくれ!よもやと思うが、深層心理の俺が出てきたんだ、俺の告白には何か足りない要素があったんじゃないか!」

「うーん、この空間と僕についてはまるで当たってないのに、なんで時間軸の見解だけは間違えてないんだろう……この子、濃いなぁ……あっ、そう言えば姿を見せて無かったよね。姿さえあれば、君の一番好きなものの姿になれば、僕が君じゃないってわかってもらえるよね!」


 訳のわからん事を言っている深層心理の俺が、姿を現わす。


「なんだ、やっぱり俺じゃないか」

「うんうん。って、えぇぇぇぇぇ!今の僕、君の姿だ……君の一番好きなものの姿に——あちゃー、そういう子かぁ……」


 何を言っているんだこいつは……先程から訳のわからんことしか言わん俺の深層心理には呆れるな。


「それよりも告白のことだ告白、自分で言ったんだぞ!深層心理の俺、早くサポートってのをしてくれ!」

「えぇ……急かさないでよ。まずは、何故僕が君の前に来たのか、それから今から起こる事、僕の手を貸すルールを教えて——」

「しちめんどくさい事を言うな!俺がここに来た理由など明白だし、今から起こる事はお前の告白についてのサポートだ!それに、ルールなんてのはしるか!」

「……ルール……知らなくていいの?じゃあもういいや!君には早速、異世界に行っていただきまーす!」

「異世界!?何を言っているんだ俺!トチ狂ったか!」

「はいはいはい。そう言うのいいから。じゃ、いってらっしゃい深層心理じゃない俺、いい異世界ライフをー!その行動は、()()()()()()()()()()、気に入ってもらえるように頑張ってねー!」


 深層心理の俺がそう言うと、俺の世界はまた歪み始める。

 うーむ、深層心理のとはいえ、俺が異世界に行くと言うんだ、間違いないだろう。

 異世界か……人生は不思議でいっぱいだな!


 ————————

 ——————

 ——……。


「ふぅ、行ったみたいだねぇ……本当に濃かったなぁ、彼。野球ってのが得意みたいだったから、行ってもらう世界はスポーツの世界、味わう挫折は野球が出来なくなることにしたけど……はぁ〜、次の子は良い子だといいなぁ……あと、次の子と会う時には絶対に異性になろう……うん、決めた!それならさっきみたいなことにはならないもんね!」

水原左凪は観ている

それは内海昴の異世界生活も同様だった

これまでの内海昴を見て水原左凪は何を思っていたのか


次回『たとえどんな世界でも』

第2章 10話

内海昴は観られていた その1


“愛„の力が知りたければ次話も読め

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