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たとえどんな世界でも  作者: 進藤 真道
第2章 付き合う為に剣を振れって!?……俺の努力は正しいの?
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第3話 次元を超えた親友

 次の日、俺は中吉のノックの音で、中吉の部屋で目を覚ました。

 窓の外を見る。中吉の部屋からは倒壊してボロボロな町がよく見える……そうか、ここは異世界か……。

 身体が自然と震える。寒い訳ではない、怖いのだ。

 でも突如訪れた恐怖はどこか他人事で、怖がっている自分をどこか冷静な自分が見ている様な、俺の心は冷え切っていた、はずだった。


「おーい、スバル。入って良いかー」


 気付けばノックの音は無くなりドアの向こうから中吉の声が聞こえる。俺は中吉を部屋へ入れる。

 中吉の姿を見た時、俺の体の震えは止まった。


「おはようスバル、少し落ち着いたみたいだな」

「あぁ、中吉。おはよう」

「良かった。昨日よりちゃんと元気に見える、早速なんだけど昨日聴けなかった事を聞いて良いか。本当はそっちが話すまで待ってるのがかっこいいかとも思ったけどな、そんなこらしょうは俺にはなかったみたいだ。スバル、お前中学の時からどうしてたんだ」

「あぁ、中学の時、死んだって話かそれなら簡単だ。俺は中学の時に死んでなんかいない。俺はこの世界に酷く似た、別の世界で、高校までのほほんと生きてきた内海昴だ」

「……どういう事だよ」

「なぁ中吉、中学一年の時、俺が一回だけお前の趣味に付き合った事があったよな、覚えてるか」


 俺は窓から見える倒壊した景色の中にぽつんとある池を指して聞いた。

 あそこには池を中心とした自然公園があり、昔俺と中吉はそこで一緒にゴミ拾いをした事がある。

 俺のいた世界とここまで同じな、俺のいない世界なんだ、しかも中学の時に俺が死んでるなら、きっと分岐点はあそこにある。


 あの時中吉は、池の周りにある舗装された道を綺麗にしていた。中吉よりも沢山のゴミを拾ってやると息巻いていた俺は舗装された道から外れ、池の周りにある簡易的な柵を潜り抜けゴミを拾っていた。

 なにせこいつはその道数年の掃除狂そうじきょうだ。こいつの後ろをついていってもゴミなんかありゃしない。

 池に近づきすぎた俺は、池の中に捨てられた釣り竿を見つけてしまった。舗装ほそうされた道ではまず拾えないであろう大物に喜んだ俺は嬉々として池の中に入っていった。なまじ池のふちは足が付くからタチが悪い、釣竿に手が届きそうなところまでゆうゆうと向かった俺だったが釣竿に手を伸ばした所で急に足場が無くなった。

 慌てた俺はそこで溺れて中吉に助けてもらった事がある。


「あぁ、覚えてるさ。池からお前を引き揚げたのに意識が戻らないお前を見てすぐに救急車を呼んだよ。でもお前は助からなくって……病院でお前が死んだ事故なんだ……忘れねぇよ」


 そうか、やっぱりそこが違うのか。

 ならこいつは俺の知ってる中吉じゃなくても中吉だ。俺の為に池に飛び込み救急車まで呼んでくれた……その上俺が生きてたって、あんなに泣いてくれたんだ。

 俺は溺れたのち中吉が呼んだ救急車の中で目を覚まし、一日入院しただけですぐに帰宅したのだ。こいつの知ってる内海昴とは俺は違うのだろう。でも、俺は生きてたらこんなにお前に感謝してるって事をこいつに伝えたい。


「中吉、お前はこの世界でも俺の為に池に飛び込んで俺を助けようとしてくれたんだな。……俺はお前の知ってるスバルじゃないかもしれない。でも、俺の世界でもお前は俺を助けてくれたんだ。だから俺は生きてる。お前には本当に感謝してるんだ。ありがとう、あの時俺の為に頑張ってくれて。……ま、あの後から俺はお前の趣味に付き合う事はなくなったんだけどな、高校は一緒にハラコウに行ってるんだぜ、まだお前とは仲良くやってるよ」

「は、はははっ……そうか、スバルお前は生きててくれたんだな。あの事件の後だろ、俺だってお前を趣味に付き合わそうとなんて思わねえよ!……そっか、お前もハラコウに入学したのか。そりゃあ楽しかっただろうな」

「おう、俺も好きな子が出来てな。お前と一緒に作戦練ってたんだよ、最高に楽しいぜ」

「お前に好きな子が!?そうか、そこの俺は楽しそうか」

「あぁ、楽しそうだ。毎日早朝から教室の掃除してるよ」

「そうか……スバルありがとよ、生きててくれて。世界が違うとか違わないとか関係ない、お前が俺の知ってるスバルじゃなくても、間違いなく、お前はスバルだ」


 中吉はまた泣いてた。笑いながら泣いてた。


「ならお前、高校生活ふつうに送ってるんだろ。高校がまだ機能してるなんて、異世界転生なんて社会現象になってないって事だよな。なんでこっちの世界に来たんだよ」

「そうだ。俺の世界では異世界転移なんて社会現象にもなってなければ、無残剣・修羅院なんて馬鹿げた博士が化け物の量産もしてない。俺は好きな子に告白したからこの世界にいるんだ、恋愛の神様の力でな」

「……はあ?」


 俺は中吉にこれまでの事情を説明する。


「好きな子に勘違いされてテンパって七不思議の樹の下で口が滑って告白したぁ!?……馬鹿だ、馬鹿がいる!」


 中吉は俺を馬鹿だといいながら爆笑している。


「いやー、でも、その恋愛の神様ってやつは凄えな。そんな世界の人間をこんな酷い世界に送り込んでくるかよ普通。……よし、スバルお前俺の家に住め!目的がわかったらお前の目的に俺も力を貸してやる。高三の俺はお前の手助けをしてたんだろ。なら俺だってお前の味方だ」

「……中吉。ありがとう」


 中吉の姿を見て震えが止まった訳がわかった。冷え切った心が温かくなるのを感じた。

 こいつはどんな世界でも頼りになるどうしようもなく良いやつなんだ。


「さてスバル、さっきの話じゃお前、映画の話しかこの世界のこと知らねえんだろ。色々教えてやるよ」


 もう中吉に昨日感じた様な怖さは無い。

 ぐぅー。

 安心したからか俺の腹が鳴った。そういや昨日の朝から何も食べてないや。


「ははっ。朝飯まだだったな、外に食いに行くか。結界の中ならモンスターも出てこないし、安心しろ」

「……なーんか俺って締まらないんだよなぁ」

明かされた内海昴の過去

始まる荒岩中吉の説明パート

荒岩中吉が救った世界の魔王はバイキン超魔王と言うらしい

内海昴の倒すべき相手とは


次回『たとえどんな世界でも』

第2章 4話

[BOSS!!この人を倒したらこの世界から出られます]


“愛„の力が知りたければ次話も読め

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