エピローグ 異世界は突然に
「うんうん、しょーじきでよろしい。じゃあ続き!僕が君にこれからどんなサポートをするかだけど。君には異世界に行っていただきまーす!」
なんと水原に告白した事で、その恋を実らせるため、恋愛の神様のサポートにより、異世界へ行けるらしい!
神様の長話が始まってから続けている土下座から両手を伸ばし、相手を仰ぐように、再度平伏する。
「ははぁー、ありがたきしあわせぇ……ん、恋のサポートをしてくれるのでは?イセカイ、ドユコトデスカ?」
神様の話は飛びすぎていた。これが頭の良い人の会話なのだろうが、凡人には頭の良い人の会話は理解が出来ないと聞いた事がある。その後に続いた神様の話も俺には異世界との繋がりがさっぱりとわからないものだった。
「えーとね、内海昴は、今の恋愛ってどう言う時に男女が付き合い出すと良いと思う?」
「付き合い出す……。告白してオッケーを貰えたら、でしょうか」
「うん、それも正解だね。僕は、外的要因に縛られる以上の魅力を、互いに感じた時だと思ってる。家柄とか国とか、年齢とか関係ない!ってやつだね」
そうか、付き合うには相手に魅力を感じてもらうだけで良いってことか……。
「じゃあ人がそんな状態で付き合い出しても別れたりするのはなぜかはわかるかい?」
「はぁ……何故、別れるか、ですか。もっと良い人がいたから、とか」
「また正解!人は長く付き合うとね、その人の良いところだけじゃなく悪い所も見るし、最初にあった好きって気持ちが薄れていくものなんだよ。そうなると他の人の良いところなんて見ちゃうとそっちに行っちゃう事もあるよね。そう言うことさ!」
うん、そんなもんかもしれない。
……でも、それがなんで異世界につながるのかがさっぱりわからない。
神様にそれを質問してみた。
「それがどう異世界に繋がるんでしょうか?」
神様は待ってましたと言わんばかりにドヤ顔になる。
神様はロリキャラの姿で両手を腰に当て、足を大きく開き、ちょっと背伸びをして体を大きく見せながら、精一杯胸を張って言った。
「つまり、僕はお互いの長所短所ひっくるめてわかってる状態で告白の是非を確認できるようなサポートをしてるのさ!」
神様はそのドヤ顔からフンと気合いを入れている。
すると俺の目の前にはホワイトボードが現れ、神様はそのボードに何やら書いて図説してくれた。
神様がホワイトボード……アナログだな。
「僕の神パゥワーで、君達を時間軸の違う異世界に転移させるだろ?で、君がどんな人なのか、良いところも悪いところも相手に見てもらうのさ!もちろん君にも相手がどんな人なのかを見てもらうよ。そんで、全部終わったらこの世界に戻ってきてもらうの!これって、現実世界なら何ヶ月もかかる作業だけど、なんと!時間軸の違う異世界なら、現実時間で一日あればお互いの事をよーく知れるって訳だね!」
「成る程。なんか不思議パワーで精神と◯の部屋的な時間差ある世界でお見合いをしろと!」
本当になんとなく、ふわっとなのだが、神様の説明は理解出来た。
「おおむね当たり!何で君の前に来たか、これから何をするかは大雑把にわかってもらえたみたいだね。最後は僕の異世界転移でのルールを説明するよ!」
神様は異世界転移でのルールを説明してくれた。
ルールその1
君の得意な事が活かせる世界に行ってもらいます。良いところ見せたいしね。
ルールその2
悪い所も見てもらうんだから挫折することもあるよ。心が折れたらギブアップを心から望めば現実世界に帰ってこれるよ。
でもその際は僕は君達を認められない、100%告白は失敗しちゃうけどね。
ルールその3
異世界に行って何すれば良いか分かんないだろうから、最終目標はこっちの方で決めて教えます。達成出来なくても現実世界で1日が経つほどの時間が過ぎれば、タイムオーバー。強制送還が始まります。
ルールその4
君の恋が成就すればここであった記憶は現実世界でも残っているよ。
ルールその5
僕のサポートで両思いにならなかったら、実らぬ恋なら、この世界での事は全て忘れます。
でも、付き合っても良い事ないだろうから嫌いって感情だけは残ります。その時はきっちり振られてください。
ルールその6
君達がいない現実世界での一日は、君達がいなくても他の人達が不思議に思う事は無いようにしておきます。
でも君達を強く思う、君達を好きな人の記憶からは消せないんだ。
だからそこら辺はちょっと不思議な体験が彼等の心の中に残っちゃうんだけど、それは帰ってから適当にフォローしてね♡
「あとコレは別にルールじゃ無いんだけど、人間が金属食ってて腕に目がある世界とか、人間なんてそもそもいない世界とかあるけど、そんな所に行っても相手に自分の事伝わりにくいでしょ。だから君の行く世界は、今住んでる世界にすごーく似てる、別の世界にしとくからね!」
うーむ、何となくわかったぞ。
つまり、口が滑って告白をした絶望的な状態だったのに……神様がチャンスをくれるって事だな。
それにしても、どんなに過ごしても現実では一日しかたたないなんて……神様すげえ!
一日現実世界から消える?
あーっ!これ、ハラコウ七不思議、神隠しだ!!
「七不思議の神さまだったんですね!色々気を使っていただきありがとうございます」
ちょっと待て……それにルール6って。これ、昨日水原の事を誰も覚えてなくて、瀬戸の事をすっかり忘れてた理由なんじゃないか。
って事は水原は昨日、瀬戸に告白をしたかされてるってこと!?
「お、わかったかい。苦しゅうないぞよ!君の得意な事を探ってみたけど……内海昴、得意って言えるようなものが全然ないよねー。かろうじてRPGゲームがちょっと得意みたいだからRPGゲームみたいに剣とか魔法とか使ってる、君のいない世界を見つけて参りました!」
へー、剣と魔法の異世界!!
凄い楽しそうだし、なんかテンション上がる!
水原と瀬戸の間に告白があったかもという事実は、ゲームのような異世界に行けるかもという夢の提案にすっかりと上書きされていた。
ゲームみたいな世界かぁ……。
「神様!でも、そこに行って何をすればいいんですか。俺は水原と大魔王でも倒すんです?」
「それは内緒。異世界に着いたら君には最終目標がわかるようにしておくから、そいつを倒すと良いよ。あと、君の行く異世界、水原左凪は居ないから彼女にまた会いたいならBOSSを倒して、その世界から無事に戻って来られるように頑張ってー」
ええ、どゆこと。異世界に水原は一緒に行かないの。精神と◯の部屋でお見合いなのでは!?
今ので何もかもわからんくなった!
「ちょっ、それはどういう——」
「じゃ行ってらっしゃーい」
質問の途中だったけど、景色が一瞬で真っ暗になる。
これは、既に異世界デビューがスタートしちゃってるー?
異色の三不思議
それらは恋愛の神様のサポートによるものだった
神隠し、樹の下で振られる
皆勤賞とると幸せになれないってのは……人気の告白スポットで告白されると否応無しで無断欠席になっちゃうはずなのに……ってことで
次回『たとえどんな世界でも』
登場人物紹介
《原色高等学校消えた九不思議》
次回は読まなくても、別に構わない




