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たとえどんな世界でも  作者: 進藤 真道
第1章 努力するとは決めたんだけど、一体何すりゃいいんだろ?
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プロローグ 内海 昴

新進気鋭の未書籍化作家爆誕!

『原色高等学校七不思議』

 一つ、校舎裏の樹の下で告白をした男女は相手からヒドイ振られ方をする

 一つ、この学校で皆勤賞を取る生徒は幸せになれない

 一つ、この学校では神隠しが起こる


 異色の三不思議より


 ◇


 高校3年生、それは人生の分岐点。

 努力したものが報われ努力しないものには厳しい現実を教える、そんな時期だ。


 俺の名前は内海昴うつみすばる高校3年生。

 成績は下の中、運動は中の中、その他も平均よりも低いステータスが満載。

 他と比べて特出した点と言えば……。

 簡単には思いつかない。

 でも短所ならすぐに思い付く。俺は飽き性だ。趣味を見つけたくて色々な事をしたが、のめりこめたことはない。

 何かで一番になりたいと思う事は頻繁にあるが、気楽で楽しいのは最初だけ、自分ができない点が見えてくるとよくわかる。

 上には上がいると、一番になれないならいいやと諦めてしまうのだ。

 ……特出してる点。これは人生の中で一度しか言われた事が無いんだが。

 自分で言うのもなんだけど、ルックスは中の上だと人に言われた事がある。


 そんな俺は、今どうしても一番になりたいものができた。

 努力でもなんでもしてやろうと思っているのだ。


 志望校のための勉強、そんなものは合格出来るギリギリのラインでいい。

 部活動最後の大会、なんてものは俺には無い。俺は帰宅部だ。


 じゃあそれは何かって、それは……好きな子が出来たんだよ!


 今まで俺はものすごい努力を経験した事がない。だから、成功してる人の多くが言っているこの言葉を誰よりも信じている。


 継続は力なり。

 努力は必ず実を結ぶ。


 恋愛においても、この言葉は真実のはずだ。


 ◇


 適度な田舎町にある原色ハライロ高等学校。

 略して『ハラコウ』

 入学した時のこの学校は特別強い部活動があるわけでもなく、有名な進学校という事もない。

 行きたい高校がない奴等が来れそうだから来るような場所だった。

 ちなみに、俺は好んでこの高校を選んだぞ。

 自宅から近いからな。


 現在俺は、教室の自分の席に背筋をピンと伸ばし座っている。

 別に授業中な訳じゃない。今日は夏休み明けの登校日で、今は朝の授業が始まる前の時間だ。

 仲のいい奴らが教室内でグループを作り「肌、だいぶ焼けたね」だとか「勉強のせいで全然やすみじゃなかったわー」だとか夏休み明けっぽい話題で盛り上がっている。

 ハラコウのクラスは30人で1クラス、30人もの人間が、この狭い空間にいるんだ。特に授業が始まる前、朝の時間帯は騒がしい。


 そんな喧騒けんそうの中で、誰とも話さず、背筋をピンと伸ばし席に着いていたんだ。

 いや、友達がいないわけじゃないぞ。

 この夏から気になって仕方ない意中の彼女が隣の席なんだ。

 休みが明けて、彼女に会える日を楽しみに待っていたんだ。

 少しだけでもいいから話が出来るように、この時間からフリーになって彼女が登校してくるのを待っていた。


 結果、一言も喋らずにその時間を終える事となる。無情にも夏休み明け最初のHRが始まってしまった。


 HRが始まってもまだ、隣の席は空席のままになっている。

 彼女はまだ登校してきていないのだ。

 なんで!?

 今日、すごい気合い入れてきたのに。遅刻、それとも病気!?




 そんな俺はこの秋に——異世界転移をする事になる。


アニメ15秒次回予告

ナレーション風の文


唐突に語られた意味深な七不思議

あまりに頼りない、ちょっとバカっぽい男主人公内海昴の登場

彼には好きな子がいる様子

彼がぼーっとしている間に、その子は学校のスターに告白されていた


次回『たとえどんな世界でも』

プロローグ 水原 左凪


《原色高等学校幻の八不思議》

次回を読まない生徒は、幸せになれない

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