自伝

プロローグ

時の流れとは面白いもので、ノンフィクションの駄作をフィクションの名作へと変えてしまう力がある。

感情も、感傷も、風化し、美化される。

いつだって過去は羨望の対象で、覚えてすらいない過去の自分に嫉妬する。

当時の僕にとってなんともなかった日常も、振り返ってみればドラマチックな思い出となる。

今の自身を形作っているものとは少し違うかもしれないが、そのくらいの方が話の種には丁度いい。

そんな冒頭で始まるこれは、都合のいい駄作の日記だ。