おい!俺にもくれよ!
タケノコ んんwwwやはりタケノコですぞwww
きのこ あ?きのここそ至高なんだよ!
トッポ その点最後までチョコたっぷりだもんな~
ゴ◯ィバ ヤレヤレ、なんて程度の低い争いなんでしょうか
ケツの痛い思いをした定期馬車をようやく降りた。
「ここがグラキット中央通りだ。まあ真ん中行けばたいてい揃う。北は工業区画、東は食品、西は雑貨と住み分けもされてるからわかりやすいんじゃねーかな。お前らは何が目的だったんだ?」
ん?なんだったっけ?
「翻訳機ですよ。私達は言葉が通じないですからね」
「おお、そうらしいわ。ケツ痛くて忘れてたわ」
「……リーダーがそんなんで大丈夫かよ?翻訳機なら北だな。ちょっと高いけどきちんとした店で買ったほうが良い。他だと中古だったり型式が古くて訛り入ってたりするしな」
すんごい技術使ってんのになんで訛り入るんだよ。製作者の嫌がらせか?
「入力形式が違うんだと。変換を変換してるからそれ自体の入力形式切り替えとかでズレが生じるとかなんとか」
キーボードじゃねえんだから。英語日本語対応してても中国語は無理って奴かね?
徒歩で歩いていると様々な人を見かけた。
子供のようなおっさん、3mはあるだろう巨人、重鎧で固めた兵士、羽の生えたファッションの男。
「なんだあれ、こっちでもV系とか流行ってんの?」
「ん?あれは有翼人種だな。飛べるタイプの方の」
おおお!第一ファンタジー人種発見!人が空を飛ぶのは夢の一つだよなやっぱ。しかも肩が盛り上がってて足がちっちゃいとかの力学的なやつじゃない!ちゃんと普通の人っぽい!
「これぞファンタジーだよな、人が空を飛ぶためには胸筋をもの凄く鍛えて体重をギリギリまで軽くしてとかそんな夢も希望もない系じゃなくてよかったぜ」
「ダイナマイトの爆風で凧を打ち上げるとかでもないぞ」
「お前らの国どんな事やってんだよこええよ」
大丈夫ですよ、あくまでも創作の中のお話ですから。
「おっと、ここだ、デバイス専門店マーガリン」
マーガリンて……人の名前だよな?バターの親戚じゃねえよな?
「邪魔するぜぃ」
「らっしゃっせ~」
らっしゃっせ~って……ジェネシスのおっさんの翻訳機使ってるからそう聞こえる感じで応対してるって事だよな。やる気ねえな。
「相変わらずやる気ねえなお前は。客連れてきたんだから真面目に働けや」
「お、ジェネシスじゃ~~ん。なしたの?冬は田舎に引きこもって酒場で呑んだくれるんだって言ってたのにもう帰ってきたの?」
「ああ、ちっとおもしれー奴にあってな。こうして面倒見てるってわけよ」
「ふ~~~ん」
頭に猫耳のカチューシャを漬けたダルそ~な顔した姐さんがこちらをじ~っと見てくる。やる気あんのかねえのかわかんねえな。
「……身体能力は最低の部類だけど面白い”色”してんねこの子達。どっかの王族とか?」
「日本って国の貴族だと。んで言葉が通じねえから翻訳機買いに来たのよ」
悪かったな身体能力最低で。つっっても日本では上の部類なんだけどな。異世界の一般人すごすぎんよ。
「これはこれは、全く知らない国名だけどようこそお貴族様。どの様なタイプをお求めで?」
「金持ちだとわかった途端豹変すんなや、ったく。んでどれが良いんだ?俺はこの5人用の腕輪タイプだけどイヤリング型や指輪型、カード型なんかもあるぞ」
人数制限あったのか。じゃあ途中から聞こえない人とか出てくんのかな?
「つってもよくわかんねえしな。耐用年数とか範囲とか値段とか教えてくれ」
「おお、お客さん通ですな。一般には耐用年数なんて知られてないのに。さすがはお貴族様ってとこかにゃ?」
「急に猫アピールすんじゃねえよ。そうだな……長く使うんならやっぱ腕輪型かな。イヤリング型は小型だけど寿命が早いんだ。その辺知らねえでよく貴族がこぞって買うんだけどな」
「アイツりゃは金持ってるからね。壊れてもバンバン書い直してくれるイイかもだニャ。じゃニャイお得意様だニャ」
どんどん猫っぽくなってくんなこの人。興奮すると地が出てくるタイプかな?
「じゃあこのカード型は?」
「そりゃだめだ。衝撃に弱すぎる。部屋に置く用だな。店頭によくある台タイプを小さくしたけど衝撃に弱くなった奴だ。持ち運ぶには適さないぜ」
このおっさん店員じゃねえのに詳しすぎじゃね?
「……俺はグラキット語話せねえからよ、この店に着くまでにほとんど全種類試したのよ」
……このおっさんもお得意様だった。ご愁傷様です。
「ニャハハハ、そんでウチがカワイソーなおっさんを慰めて腕輪タイプの良い奴を安く譲ってやったニャ。始めてきた時はカード型を何枚も持ってて全部壊れてたニャ」
衝撃に弱いタイプを特急冒険者が持っててもそりゃ壊れますわ。
「いっぱい買うから安くしてよ。在庫処理できるよ?」
「んにゃ?一つあれば大体事足りるよ?5人用とか言ってるけど基本的に部屋全体には使えるし」
「ちょっと他にも渡さなきゃ行けない奴らが居るんでね。そいつらがココにたどり着くまでにボロクソになりそうだしさ」
「流石お貴族様は配下思いでって所かニャ?……んーじゃ確か腕輪タイプの新しいやつが~~」
ゴゾゴゾとカウンターの下を探る猫のおねーさん。
「あったあった。これ注文受けたけどイヤリング型が良いって買われなかったんだよね。これなら1ダース金貨20枚で良いにゃ」
金貨20枚か……金貨は41枚しか持ってない。半分も取られるのは物価しらんくてもちょっとコワイな。
チラッとジェネシスのおっさんを見る。
「大丈夫だ、これ普通は一個10枚はするからな。12個なら120枚だぞ。おい、訛りとかあんじゃねえだろうな?」
「流石に特級のツレに不良品掴ませニャイよ。”不思議な色”の子たちだし金のニオイがするから仲良くしとこうかニャと思ってね」
俺は財布から金貨20枚取り出して並べた。つうか紙幣がないなら巾着系の財布にした方が良いんかな?長財布だと全然入らねえから皆の財布で通貨の種類を別けてるんだけどボコボコしてる。
ついでにポケットにあるカメラも渡す。写真撮影機能しかないレトロな奴だ。
「ん?コレは?」
「カメラっていう映像を記録する道具さ。お近付きの印にと思ってね」
「フン、フンフンフン。ほ~~~、”ライブラ”や”ペイント”みたいな道具だね。しかもキレーだニャ」
「後は今度店を出す商品の一部で”チョコレート”です。甘くて美味しいですよ」
ゴ◯ィバのチョコレートを創造してもらう。初めはわかりやすい方が良いだろう。
「おおおおお?あま~~~~~い。しかも甘ったるくない上品な甘さだにゃ。粗糖とかじゃ出せない味だにゃ!!」
「おいおい!俺の時はタケノコだったじゃねえかよ!俺にもくれよ!」
「コレはウチが貰ったんだニャ!!」
……大の大人がチョコ位で喧嘩すんじゃねえよ。
蓮は知らなかった。こんなにも中途半端に発展している世界だから。砂糖が高級品だと言う事に。
蓮は思いもしなかった。粗糖などがやっとの世界でカカオをわざわざ加工してまで食べようという発想が無いことに。(カカオ豆自体は沢山ある)
そしてこの猫お姉さんにチョコレートを振る舞った事で爆発的に人気が出る事に。




