戦いは数だよアニキ
∪^ω^) わんわんお!噛みちぎるお∪^ω^)
「アニキー、椅子しかねーっすよ!」
「角材見当たらねーっ」
「そういや学園祭実行委員が邪魔だから回収したような」
まじか…、椅子とチョコとバナナと箸と鍋、チョコバナナか…一本もらおう…じゃなくて。
「モグモグじゃあ椅子と鍋な、後鍋の蓋。」
鍋の蓋は某ゲームでもおなじみだけど軽くて持ちやすく守れる範囲が大きい。
「犬と戦う注意点は噛まれない事とタックルくらわない事、回り込まれない事。
あいつらは重いから飛びかかられたら抑え込まれてガブりだ。」
「犬って強いんスか?」
「ケンカじゃ負けねーけどw犬とは戦ったことねーなw」
「中学の時警察犬の訓練を見に行った事あったけどすごかったぞ。
ガッチガチの防具来てたやつが振り回されてたからな。
……ん?
ていうかアレみろ、俺らの前に体育教師様が戦ってくださるぞ」
グラウンドで犬に追われていた人を助けるために、ジャージに竹刀をもった体育教師の室田が走っていった。
普段は謎の威張り散らしをするだけの男だっただけに予想外だ。
【チェストオオオオオオ】
「お、当たった!」
「アレ?室田って剣道部顧問だっけ?」
「いや、サッカー部だったはず」
「お~お~、アレ倒せるんじゃね?」
「頑張れムロター」
【クソ犬!クソ犬!どうだ!まいったか!クソ犬!くそ・・ぎゃああああああ】
竹刀をやたらめった振り回して優勢だった体育教師の室田だが、その横からもう1匹のシェパードっぽい犬が飛びかかった。
そしてその隙に殴られていたラブラドールっぽい犬が足に噛み付いた。
【やべろおおおおおお】
…
…
「…あのようになりたくなければまず冷静に周りを見る事。
2匹いたのわかってても興奮すると目の前しか見えなくなるからな。
正直グロくて吐きそうだけどまだ生きてるから助けに行くぞ」
「この前瑠衣に絡んできた奴ボコった時の方がグロいと思いまーす」
「ナイフ出してきた奴か、ありゃあいつらが勝手に振り回して自分刺してただけだろ」
「人間の血ってあんなに入ってんだなって感心した」
「ほっとけ!基本椅子を前にだして噛みつかせろ!先に振り回して当てようとするな!
5人一組で当たるぞ、2匹だけとは限らねーからミキとミカは周り見てろよ。
こんな状況じゃ救急車なんてこねーだろうし噛まれたら終わりだと思え。
狂犬病はワクチンないと5日で死ぬやべー病気だった筈だ」
『うい!!』
「行くぞオラァ!ケンカじゃああああああ!!」
…
「っていきたいところだけど、折角不意をつけるんだからゆっくり歩いて後ろから殴るぞ」
あんな化物みたいな発狂している犬に叫びながら突っ込むとか嚙んでくださいって言ってるもんだしな。
『うい!!』
室田が叫んでいるお陰で周りも逃げれてるし、注意も引けてる。
今の所犬は2匹しか見当たらない、いけるな…